よく聞く言葉「空冷」「水冷」「油冷」ってなに? エンジンの冷却方式の違いを徹底解説
バイクのニュース / 2025年2月11日 9時10分
バイクのエンジンは走行中に熱を持つため、故障を防ぐためにも冷却することが必要となります。そんなエンジンの冷却方式には空冷式、水冷式、油冷式の3つが挙げられますが、それぞれにはどのような特徴があるのでしょうか。
■空冷、水冷、油冷?バイクエンジンの冷却方式の違いとは
バイクに不可欠であるエンジンは、熱エネルギーを運動エネルギーに変えてバイクを動かしています。
しかし、変換されなかった熱エネルギーは熱として残り、蓄積されてしまうとエンジンの故障に繋がるため、この熱を冷却することが必要です。
このバイクのエンジンの冷却方式として挙げられるのが、空冷式、水冷式、油冷式の3つですが、それぞれの冷却方式にはどのような特徴があるのでしょうか。
バイクのエンジンの冷却方式として挙げられるのが、空冷式、水冷式、油冷式の3つ
■空冷式
まず空冷式は、走行風を利用してエンジンの熱を空気中に発散させる冷却方式です。空冷式は水冷式や油冷式と異なり、エンジンを冷やすための装置は設けられておらず、シンプルな構造となっています。
空冷式エンジンの構造は「エンジンにはフィンと呼ばれる薄い板状のヒダがついていて、少しでも多くの熱を放出するように表面積を増やす工夫がなされている」こと。
空冷式は走行風を利用するだけの構造であるため、部品点数が少なく軽量化しやすい事やメンテナンスが簡単であることがメリットとして挙げられます。
一方で、空冷式はエンジンを冷やすための特別な装置が無いため、空気が当たらない部分は冷えにくく、渋滞など走行を止めなければならない環境下では、冷却が安定しないといったデメリットが挙げられます。
■水冷式
次に、水冷式はその名の通り「水でエンジンを冷やす冷却方式」。エンジンの内部に冷却水を循環させることで、熱を吸収します。
ここで使用されている冷却水は、水道から出るような水のことではありません。凍結による故障を防ぐためにラジエター液やクーラントと呼ばれる、アルコール成分が含まれた専用の水が使用されます。
加えて、水冷式は熱を吸収した冷却水を冷やすための装置である「ラジエーター」が備わっていることも特徴のひとつ。
水冷式は空冷式と違い、冷却水によって強制的に冷やされるため、走行速度などの環境に影響されることなく、エンジンを適温にすることが可能です。また、空冷式にくらべすぐにオーバーヒートしにくいという点もメリットでしょう。
反対に、水冷式は部品点数が多くなることで、エンジンが重くなるという点がデメリット。また、内部の冷却水は消耗品であるため、定期的に交換することが必要です。
油冷式は、高熱になる部位にエンジンオイルを噴射して冷やす冷却方式のこと
■油冷式
そして油冷式は、高熱になる部位にエンジンオイルを噴射して冷やす冷却方式のこと。油冷式は「空冷と水冷のよさを両立しようとした冷却方式」であると言われており、空冷よりも高い冷却力を持つ点や、水冷のような難しい構造を必要とせず、部品点数を抑えられる点などがメリットとして挙げられます。
また、油冷式は日本4大バイクメーカーの1社であるスズキが得意としている冷却方式で、1985年に登場した「GSX-R750」に初めて搭載されたシステムです。
なお、現在のバイクのエンジンは水冷式が主流となっており、水冷式が主流となった理由として挙げられるのが、排ガス規制の影響。
水冷式はメリットにも挙げたように、エンジンを適温に安定させることが可能なことから、熱や排気をコントロールしやすいため、排ガス規制に適合しやすいと言われています。
一方で、空冷式は環境によって冷却の程度が左右されることから、排ガスの温度をコントロールすることが難しく、排ガス規制をクリアすることが困難であると言われています。
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