1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

「丸い柱」に激怒した本田宗一郎、その理由とは? まだ間に合うホンダ青山ビル建築ツアーで見えた拘り

バイクのニュース / 2025年2月6日 11時10分

ホンダは東京都港区南青山に所有するHonda青山ビル(以下、青山ビル)の建て替えに伴い、2月9日まで応募期間が設けられた「建築ツアー」を2月23日に開催します。先駆けてメディア向けに行われた同ツアーについてレポートしていきます。

■普段は見ることのできない“裏側”に込められた拘り

 ホンダは東京都港区南青山に所有するHonda青山ビル(以下、青山ビル)の建て替えに伴い、2月9日まで応募期間が設けられた「建築ツアー」を2月23日に開催します(募集人数75名を予定)。

よく見ると小判型の柱を使用するホンダ青山ビル。丸い柱を採用しなかった意外な理由がよく見ると小判型の柱を使用するホンダ青山ビル。丸い柱を採用しなかった意外な理由が

 当時の国際化や情報化といった時流に対応し、本社機能の充実、効率化を図るため、1985年に八重洲ビルに変わる2代目の自社ビル本社として建設された青山ビルは、クルマやバイクづくりの考えである安全性、省エネルギー、居住性、操作性、機能優先のデザインが導入された同社の中枢を担う建築物です。

 同ビルの1階には新製品や技術の展示、各種イベントの開催などを行うHondaウエルカムプラザ青山が設けられていますが、実は青山ビルには普段は立ち入ることができなう“裏側”にとてつもない拘りが込められています。

■「丸い柱」に激怒した本田宗一郎、その理由とは?

 ホンダが開催するツアーは、八重洲ビルの建築ツアーも担当した建築史家の倉方俊輔先生とともにまわるもので、同ビルに込められた拘りや思想などが丁寧に解説されます。

ホンダ青山ビル地下3階にある巨大なヒバの樽。中には70トンもの水が貯蔵されていますホンダ青山ビル地下3階にある巨大なヒバの樽。中には70トンもの水が貯蔵されています

 同ツアーでは、まず地下3階に案内されますが、そこには5m以上はあるであろう巨大なカナダ産ヒバを使用した樽が2つ鎮座。実はこのヒバ樽にはそれぞれ35トン、合計70トンもの水、通称“宗一郎の水”が貯蓄されており、ウェルカムプラザで無料で飲むことができるほか、ビル内で使用されている水はすべてこの樽のものが使用されているといいます。

「みんなに美味しい水を飲んでほしい」という本田宗一郎氏の想いが巨大な“ヒバ樽”に込められていました。

八重洲ビルの建築ツアーも担当した建築史家の倉方俊輔先生。わかりやすい解説でツアーを行ってくれます八重洲ビルの建築ツアーも担当した建築史家の倉方俊輔先生。わかりやすい解説でツアーを行ってくれます

 その後ツアーでは、ビルが建てられた40年前から設けられている従業員数を超える1万人分以上の緊急災害用の食料と防災グッズが収められた備蓄庫、フロアに1本の柱しかない広々とした執務室、上部への延焼とガラスの落下を防ぎ歩行者の安全を確保するバルコニーへと移動。

 フロアに3箇所設けられた非常階段や、1986年にチャールズ皇太子とダイアナ妃も訪れた応接室、通訳ブースやプロジェクター、海外との中継も可能な会議室なども見ることができました。

 また、倉方俊輔先生の解説によるとビル完成直前、丸い形状だった応接室前の柱を見た本田宗一郎氏は、「丸柱とはなんだ!! 丸い柱は神社や神殿、銀行など権威の象徴のようで気に入らない。俺は権威が大嫌いなんだ」と激怒したとのことで、角を削ぎ落とすことで小判型に変更。

 同様にウェルカムプラザの入口の2本の柱もよく見ると小判型となっていますが、この柱たちにはそんな本田宗一郎氏の想いが込められているのです。

 なお、青山ビルの建築ツアーの応募期間は2月9日(日)まで。ホンダの哲学や建築物に興味のあるかたならはきっと楽しめるツアーのため申し込みをオススメします。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください