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バイク乗りのコーヒー屋が紹介するカフェ⁉︎ 住宅街に佇むバイク乗りのカフェは“深煎りの珈琲”より深かった! デイドリップ通信VOL.17

バイクのニュース / 2025年2月8日 19時10分

バイク乗りのコーヒー店主、黒田悟志さんによる連載コラム。今回は黒田さんがあえて紹介する、バイク乗りが営む隠れ家的カフェについてです。

■本当は教えたくない隠れ家的カフェ

 こんにちは!バイクを楽しむコーヒー屋、Day Drip Coffeeのクロダです。バイクとコーヒー、それぞれに奥深い世界観を持つ魅惑の存在だと思っています。このコラムでは、そんな二つの世界を行き来して気付いた出来事やトピックをお届けしています。

 と言うことで今回はバイクとコーヒーの両方が楽しめる、とある隠れ家的カフェをご紹介したいと思います。メディアには滅多に登場しない店ですが、このコラムを書き始めた時からいつか取り上げようと思っていました。あまり知られたくないのですが(笑)。

神奈川県川崎市にあるBirdland Cafe(バードランド カフェ)神奈川県川崎市にあるBirdland Cafe(バードランド カフェ)

 店の名はBirdland Cafe(バードランド カフェ)。神奈川県川崎市、溝の口の住宅街の一角にひっそりと佇むカフェです。年季の入った入り口ドアは、米軍ハウスの勝手口に使われていたというもの。店内に入るとまず目を引くのは、鎮座する一台のバイクです。

 1986年製のドゥカティ「750F1」、赤いホイールのいわゆる3型です。このイタリアンカラーのレーサーレプリカを眺めつつ、コーヒーを飲めるというだけで、正直これ以上何も言うことは無いくらいですが、もうちょっと話を続けましょう。

 店主の藤森さんはバイク歴約40年の大ベテラン。高校卒業の頃に中免(当時)を取得し、ホンダ「CBX400F」、「NS250F」などを経て、限定解除後はスズキ「GSX750S1刀」(2台乗り継ぎ!)、ドゥカティ「900SS」などと乗り継いできました。ただしこれはメインのバイク遍歴。

 他にもツーリング用のホンダ「XR250」や足代わりの「ハンターカブ」など多数。もちろん自ら整備を行うため工具類が充実していることもあり、自転車やバイクのパンク修理を頼むお客さんも多い店です。…って、ここはカフェでしたね。

神奈川県川崎市にあるBirdland Cafe(バードランド カフェ)の店内に飾られたドゥカティ「750F1」(1986年製)神奈川県川崎市にあるBirdland Cafe(バードランド カフェ)の店内に飾られたドゥカティ「750F1」(1986年製)

 藤森さんは元々一般企業に勤めていましたが、偶然目にした店舗物件に惹かれ、結果的にカフェを始めました。“結果的に”と書いたのは、藤森さんは高校時代に行きつけの喫茶店があり、「やってみたいな、出来たらいいな」と思っていたそうなのです。でもそういうことを実現するのは困難が多く、実際にはやらない人が大半です。また実現したとしても、その店を続けることはもっと難しいです。藤森さんのBirdland Cafeは2010年のオープンなので、今年で15年目を迎えます。同業者ゆえにその重みを痛感します。

■拘りの「松屋式ドリップ」

 当然、バイクに詳しいだけではカフェは続けられません。コーヒーにも彼のこだわりが。豆は県内の某コーヒーロースターの物を用い、「松屋式ドリップ」を基本とする丁寧な抽出を行っています。松屋式ドリップは名古屋など中部エリアで広く見られるコーヒー抽出法で、湯の注ぎ方や蒸らし時間などに独特のスタイルを持ちます。

Birdland Cafe(バードランド カフェ)では名古屋など中部エリアで広く見られるコーヒー抽出法「松屋式ドリップ」でコーヒーを提供していますBirdland Cafe(バードランド カフェ)では名古屋など中部エリアで広く見られるコーヒー抽出法「松屋式ドリップ」でコーヒーを提供しています

 豆と淹れ方の相乗効果で作られる味わいは、近頃流行りのフルーティさを極めるようなものではなく、古き良き喫茶店の珈琲が現代に向かって“正常進化”を遂げた感じ、とでも言えばいいでしょうか。少し深煎りのコーヒーにはいつもホッとさせられます。

 僕がこの店を初めて訪れたのは2011〜12年頃で、きっかけは先の某コーヒーロースターの紹介でした。当時の僕はカフェ開業を目指し、会社を辞めて自分なりに模索し始めた頃でした。それだけに同世代の人が一足先に想いを実現させている様子は、大きな励みとなりました。またバイクに関しても大きな影響を受けました。

 僕は高校卒業後に原付で事故を起こして以来、バイクへの憧れを封印し二輪免許も持っていなかったのですが、彼のバイクライフに触れたことが、“結果的に”バイクに乗り始めるきっかけの一つになったのです。ただ当初は藤森さんから二輪免許の取得をやんわり反対されたんですけどね(苦笑)。

 と言うのも、彼はバイクの魅力だけでなく、その危険性についても充分すぎるほど認識しているからです。それゆえ他人には簡単にお勧めできないと。だからバイクへの向き合い方についても、彼なりの見識や明確な持論がある人で、それはある種、昔かたぎのバイク屋のオヤジと言った風情でもあります。

 今回インタビューをした中で「運に頼らず、安全に楽しめるようになることが大切」と呟いていたのが印象的でした。Birdland Cafeは僕にとってバイクとの縁をもたらしてくれた場所でもあり、またカフェ開業の原点を思い出させてくれる、そんな店です。

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