「自分を知ってもらえないとダメだ」日南響子、デビュー15年で起きた変化

bizSPA!フレッシュ / 2020年7月11日 15時46分

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「自分を知ってもらえないとダメだ」日南響子、デビュー15年で起きた変化

 女優、ファッションモデル、歌手とジャンルを問わずに活躍を続ける日南響子さん(ひなみきょおこ・26)。現在、主演作の『銃2020』が公開中です。

銃2020

『銃2020』(C) 吉本興業

 雑誌『ニコラ』モデルオーディションでグランプリを受賞し、専属モデルとして活動をスタートさせてから15年目となる日南さんにインタビュー。

 思いがけず拳銃を拾ったことから運命が変わっていくヒロイン・東子を演じた本作について、佐藤浩市さん、加藤雅也さん、吹越満さんら豪華共演者について、さらに、フリーランスとして活動し、自分自身を見つめた日々に考えたことなどを聞きました。

銃2020

日南響子さん

◆これまでにやったことのない役に驚き

――東子は偶然、銃を拾ったことで運命が変わっていきます。最初に脚本を読んだとき、キャラクターや物語をどう感じましたか?

日南響子(以下、日南):今までこういう役をやったことはありませんでした。脚本に「薄暗い部屋」と書かれてありましたが、そもそも東子の部屋は電気が止まっているんです。部屋のなかも彼女が拾ってきたものでごちゃごちゃで、事前にイラストを見せていただいたときも、全く想像できませんでした。彼女自身のキャラクターとしては、トラウマだらけで重い(苦笑)。私も決してめちゃくちゃ明るい人間ではありませんが、どうやって演じたらいいだろうと考えました。

――驚くことが多かったとのことですが、ご自身と東子にどこかに共通点はありましたか?

日南:私も収集癖がありました。特に小さなころはお店に置いてあるパンフレットとかを集めていました。母親と携帯ショップに行くと、そこにあるパンフをいっぱい持ってきて、100円ショップで買ってきたファイルにまとめていました。

――東子は銃まで拾ってしまいます。日南さんが、今でも見つけたら拾ってしまいそうなものってありますか?

日南:4年前くらいから鳥を飼っていて、羽根が抜けると大事に取って溜めてるんです。だから外出先で、キレイな羽根が落ちていると気になりますね。衛生面とか考えて実際に拾うまではしませんが、見ちゃいます。

◆銃を、男性との関係のように意識した

銃2020

――東子が出会う個性的な男性たちを、とても豪華な俳優さんたちが演じています。佐藤浩市さんに、吹越満さんに、加藤雅也さんというそうそうたる“渋メン”ですが、みなさんどんな方でしたか?

日南:佐藤さんが現場入りすると、いい意味で現場の空気がピンと張り詰めました。空気感が出来上がっていて、撮影前にふらっといらして、カットがかかると、ふらっとどこかへ消えてしまうんです。なので、あまりお話できてないんですけど。そのおかげで東子との関係性もいい感じにました。スタッフさんに聞くと、佐藤さんは普段からふらっと来てふらっといなくなる猫のような方のようです(笑)。

――吹越さんとは緊張感のあるシーンが多かったですね。

日南:そうなんですけど、カメラを回るまでは一番何気ないお話をしていたと思います。刑事のマンションにカメレオンがいて、それを一緒に観察しながらお話したりしてました。

銃2020

――加藤さんのことはお尻を蹴っ飛ばしてました。

日南:テストでちょっと優しく蹴ったら、「思い切りやってくれ!」と言われました(笑)。加藤さんとは以前にも共演していて、ロケバスの中でも、加藤さんがやっているラジオの語りや、曲を歌ってくれていました。撮影に入ると、完全に役に入られて、普段のかっこいいオーラが一変してビックリしました。

――武正晴監督からは、演出面などで何かアドバイスはありましたか?

日南:銃との関係にはとてもこだわられていました。「男性との関係だと思って銃をかわいがってくれ」と。出会ったときから、関係性が変化していく感じも意識しました。

◆とても大きかったフリーランスの期間

銃2020

――現在、日南さんは26歳です。どんな大人の女性に憧れますか?

日南:昔はかわいいおばあちゃんになりたいと思っていましたが、今はカッコイイ女性がステキだなと思っています。好きなことを「好き」と言えて、自由にいられる方は素晴らしいなと。それも、好きと嫌いをうまく分けたうえで、たとえば仕事で嫌いなものがあった場合もうまく折り合いをつけて進まれている人。私は結構不器用なので、かっこいいなと思います。

――憧れの女性像が変わったとのことですが、ここ数年、ご自身も変化していますか?

日南:10代の頃は好き嫌いだけでした。でも二十歳くらいから数年間、フリーランスで活動していたことがあり、その時の経験で変わりました。10代のころはもともと東子みたいに暗くて、人が怖いといった部分があったんですけど、「自分を知ってもらえないとダメだ」「自分で発信しないと分かってもらえない」と思って、人の目を見て話したり、言葉を組み立てて話したりするようにしました。

――そうしないと、勘違いされて終わってしまう。

日南:はい。昔はそういうことがすごく多かったです。フリーランスになって、「自分の曲を聴いてください」「こういう仕事をしたいです」とアポを取りに行ったり営業をしたりとしていくうちに、自分のことをしっかり理解して、そのうえで相手に伝えないといけないと思いました。今でも課題ではありますが、フリーランスの期間はとても大きかったと思います。

◆自分に嘘をつかずに生きていきたい

銃2020

――仕事人として大切にしていること、譲れないことはありますか?

日南:自分に嘘をつかないことです。それは10代からずっとです。12歳のころから仕事をしていて、一時期モデル業がツラくなったときがあったんです。そのとき、ファンの子から「何かあったんですか? 最近、笑顔が違います」というファンレターをいくつももらったんです。分かってしまったことがショックでした。

 お仕事はもちろん、好きなものばかりではないですが、自分自身の軸がちゃんとあれば、少しくらい辛いことがあってもブレないと思うんです。そこがブレていると不安は顔に出てしまうし、芝居にも出てしまう。そして人がついてきてくれなくなる。だから、自分をしっかりもって、どこかに楽しいことを見つけて進んでいければと。

◆ファンは、私の芸能人生にとって宝物

銃2020

――憧れの女性の話で出た「折り合いをつける」ということも関係しますね。それから、重ねてきた年数には、ファンの方の存在が大きいようですね。

日南:デビューの頃からずっと好きでいてくださる方が多くて、私のことをちゃんと信じてくれているんです。ファンは、私の芸能人生にとって宝物です。本当に自慢ができるし、大切にしながら、私もちゃんと発信を続けていきたいです。

――主演映画の公開で、新しいファンの方も増えると思います。最後にメッセージをお願いします。

日南:コロナ禍の前とあとでは、この映画を観る人の感想も変わるんじゃないかと思います。東子は銃を拾って突然運命が変わりますが、いま誰も予測していなかったことですごく苦しい思いをしている人もたくさんいます。映画では、最後に少しの救いが見えます。クレイジーな人ばかりが出てくる映画ですが(笑)、メッセージ性も深い映画なので、色んなことを感じ取っていただけたらと思います。

<取材・文・撮影/望月ふみ>

【望月ふみ】

ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異

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