“テレワーク病”のリスクに要注意。猫背で内臓疾患、カビで肺炎も…

bizSPA!フレッシュ / 2020年8月5日 15時45分

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生活リズムの変化が、自律神経を崩壊させる

 新型コロナウイルスの感染対策でさまざまな変化を遂げた生活様式。しかし、たとえ感染対策のつもりでも、間違った解釈のまま実践していると、命を落とす危険性も……。識者たちの声をもとに、我々の日常習慣にはびこるリスクを洗い出してみた

マスク 職場

※写真はイメージです(以下、同じ)

◆ニューノーマルの勤務環境に潜むリスク

 我々の働き方はコロナによって大きく変貌した。まずテレワークや時差出勤などで懸念されるのが生活リズムの乱れだ。

「夜更かしや起床時間のずれで体調を崩すことも」と精神科医の夏目誠氏

「時差通勤でも決まった時間に起床するようにして、なるべく体内時計を狂わせないことが大切です。人間は起きる時間で生活リズムができるので、朝は10時半までには出勤するようにして、夜の睡眠時間を確保。朝は起きたら太陽光を浴びると夜の寝つきもよくなって規則正しい睡眠を確保できるようになります」

◆猫背姿勢に、循環器系疾患のリスク

死に至るダメ習慣

慣れないテーブルでの作業が、心臓や血管を蝕む

 また、整形外科医の清水伸一氏はテレワーク環境の問題点を指摘する。

「在宅勤務で体に合わないダイニングテーブルやソファを使うのはよくない。ここでノートパソコンやスマホを長時間使っていると、首回りや腰回りへの負担が大きく、猫背の姿勢を続けることにより肩こりや腰痛の原因になります」

 猫背姿勢を長時間続けていると、体の前部にある心臓や肺、腸などが圧迫され、内臓機能が低下。腰痛や肩こりだけでなく全身の不調に発展し、命に直接関わる循環器系疾患のリスクも高まるという

「全身に血液と酸素を届ける心機能や呼吸機能が低下すれば動脈硬化、血管の老化が進み、エコノミークラス症候群のように鬱血して静脈瘤が増えることもある。胸を反らせる背伸びの運動や肩甲骨を動かすストレッチを、深呼吸と合わせて30分に1回行いましょう。意識的にスマホなどから離れる時間をつくり、圧迫された心臓などを解放して、脳への血流量が増えれば仕事の効率も向上します」

死に至るダメ習慣

清水伸一氏。整形外科医・埼玉県よりい病院整形外科部長・講師などを歴任。日本整形外科学会専門医、清水整形外科クリニック院長として診療にあたる

◆風邪かと思ったら…カビで肺炎に

 夏から秋にかけて、トリコスポロンというカビにより引き起こされるアレルギー性肺炎「夏型過敏性肺炎」にも注意が必要だ。風邪のような症状が数週間ほど続き、夏風邪と間違われることもある。繰り返すと慢性化して肺線維症となって、稀に死亡する例も。

「このカビは家庭内の水回りなどに発生しやすく、特に木造家屋で水回りの一部が腐っている場合は危険。マンションでも低層階に比較的多く発生するといいます。自宅に長時間いる主婦や高齢者が発症しやすいですが、在宅勤務の男性も自宅の環境によってはリスクがあります」(呼吸器内科医・大谷義夫氏)

死に至るダメ習慣

工藤孝文氏。ダイエット外来ドクター・専門は生活習慣病やダイエット、漢方治療。オンライン診療が人気。著書に『1日1杯飲むだけダイエットやせる出汁』(アスコム)

 さらに日常の変化は予期せぬ不安感を生む装置ともなる。ダイエット外来ドクターの工藤孝文氏は、災害時における“たこつぼ型心筋症”などの心臓病リスクを指摘。

「心筋梗塞には動脈硬化、糖尿病や高血圧などの因子がありますが、たこつぼ型心筋症はストレス状態にさらされ、アドレナリンなどのホルモンが一気に放出されることで、血管が収縮して虚血を起こす病気。胸に軽い痛みを感じる場合もありますが、健康な人に突然起きるケースが多いです」

◆たこつぼ型心筋症を予防するには

死に至るダメ習慣

不安を煽る情報が、心筋症を引き起こす

 たこつぼ型心筋症の最大の予防法は、自分で無闇に不安を煽らないこと。情報を意識的に制限することが効果的だという。

「在宅で仕事をすることが増えると、常にコロナ関連のニュースを目にする人も多いと思います。ただこの手の情報は不安な気持ちを煽るだけ。1日に何度も見るのではなく情報を前向きに捉えられる朝に1回だけ見ることをおすすめします。

 朝の時間がいいのは原始時代の生活リズムの名残で、臓器や脳の働きが関係しています。特に22時以降は不安を煽る情報は入れないほうがいいです」(工藤氏)

◆ダメ習慣改善が仕事の成功にも繋がる!

死に至るダメ習慣

生活リズムの変化が、自律神経を崩壊させる

 また家での仕事も増え、家庭内でのコロナに対する意識の差が心にダメージを与えることも。

家族が一緒にいる時間が増えると今まで見えなかった歪みも出てくる。家族内の関係が良好でないとDVや家庭内別居に陥りやすい。これらはストレスやホルモンバランスの乱れから起こるもの。家庭があっても孤独を感じて自殺してしまうケースも。うつ病は脳のセロトニンの減少が原因ですが、リズミカルな運動が効果的で、うつっぽいと感じたら30分程度の朝の散歩をおすすめします」(夏目氏)

 働く場所に変化が起きても極力自分の生活リズムを崩さず、適度な運動を心がける。それが仕事の成功にも繋がるのだ。

《ダメ習慣の対処法》
・30分ごとのストレッチで、全身の血流を改善!
・不安を煽るコロナ関連情報は、朝にチェック
・朝30分の散歩で、心の健康をキープする

<取材・文/週刊SPA!編集部>

【大谷義夫氏】
呼吸器内科医・池袋大谷クリニック院長。呼吸器の名医としてメディアに登場。近著に『絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理』(日経BP)

【夏目誠氏】
精神科医。企業の産業医としてメンタルヘルスに取り組む。著書に『職場不適応のサイン ベテラン産業医が教える気づきと対応のコツ』(南山堂)

【週刊SPA!編集部】

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