エアコンつけっぱなしも節約に?ダイキンに聞いたお得な使い方

bizSPA!フレッシュ / 2020年8月8日 8時47分

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エアコンつけっぱなしも節約に?ダイキンに聞いたお得な使い方

 気象庁によると、2020年8月の平均気温は東日本・西日本ともに平均並か、それ以上になる予想だ。新型コロナウイルスの影響で自宅にいる機会が増えている昨今、とりわけ気がかりになるのはエアコンの電気料金だ。

エアコン

ダイキン工業株式会社の広報・重政周之さん

 そこで、空調のトップメーカーのダイキン工業株式会社の広報・重政周之さんにエアコンについて全3回のインタビューを実施。初回はエアコンのお得な使い方と買い換えのポイントなど話を聞いた。

◆すだれやエアコン掃除で電力節約

 エアコンの節約に欠かせないのは「効率的に部屋を冷やす」ことだ。その方法は部屋の環境やエアコンそのもののメンテナンスなど、とても簡単に実現できる。重政さん曰く「3つの簡単な工夫をするだけで約20%の節電効果が見込める」という。

「1つ目に大事なことは、日よけをして部屋の中に入ってくる熱を減らすことです。外からの直射日光が窓を通過して部屋の中に入ってくると、どうしても室温は上がってきてしまうので、例えば窓の外に『簾(すだれ)』や『よしず』、もしくはグリーンカーテンなどを設置すると効果が見込めます。部屋の中でもカーテンをしっかり引き、直射日光による室温上昇をなるべく抑えることが必要です」

 レースのカーテンだけでは、部屋の中までたくさんの熱が入ってきてしまう。そこで、すだれなどで熱を遮断するのがよいという。そして、次に挙がった工夫は、フィルター掃除だ。

◆エアコンのフィルター掃除の目安は?

ダイキン

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「室内機を定期的に掃除しないと、部屋の中の空気に含まれているホコリが蓄積してしまい、空気の通りが悪くなる。すると、エアコンの運転効率が下がり、より多くの電力が必要になります。定期的に掃除して、なるべく清潔な状態を維持することをおすすめします。ちなみに、1年間フィルターの掃除をしなかった場合、25%もの無駄な電力がかかってしまったという試算結果もあります

 掃除のタイミングの目安としては2週間に1回、掃除機でフィルターのホコリを吸い取るだけで問題ない。エアコンにフィルター掃除の機能がついていれば、エアコンに任せてしまって大丈夫です」

 ただし、キッチンとリビングが仕切られていないワンルームなどではエアコンがホコリとともに空気中の油分を吸ってしまうことがある。その場合は中性洗剤を溶かしたぬるま湯でつけ置き洗いする方法がおすすめだという。

◆室外機のまわりに物を置きすぎない

エアコン 室外機

※画像はイメージです(以下同じ)

 エアコンをお得に使う3つ目の工夫は、室外機のまわりに物を置きすぎないことだ。

「室外機は、壁との間に隙間をとっていますよね。実は、あの後ろの面から吸い込んだ空気を正面から出しているんです。その空気の流れに、室内機から送られてきた熱を一緒に乗せて送り出している。なので、室外機のまわりに物を置いてしまうと、空気を吸い込みづらくなったり、前に風を吐き出しづらくなったりして、運転の効率が下がってしまう。消費電力の増加につながるのです」

 室外機のあるベランダはゴミの日までのゴミ袋の置き場所に使われたり、油断すると物がたまりやすかったりするが、少なくとも室外機周辺は物が散らからないように気を付けたい。さらに、室外機が設置している場所に直射日光が当たるようなら、遮光シートを敷いて周辺の温度が下がるようにすることで、熱交換を効率的に行える。1メートル程度、離れた場所に植木鉢を置くなど緑化するのも効果が見込まれる。

 重政氏によると「ダイキンでは上記3点の効果の検証実験を行っており、これまでに挙げた3つの対策を行うことにより、1日あたり22%前後の消費電力を削減できる」と実証されているという。

◆エアコンつけっぱなしのほうが節約?

 この時期になるとSNSでは、エアコン節約における「つけっぱなし vs オンオフ」論争が活発になる。筆者の身の回りにもつけっぱなし派とオンオフ派がいるが、果たしてどちらが正しいのだろうか。重政さんによると、その答えは「電源オフの時間の長さ」と「周囲の気温の高さ」によって異なるという。

「弊社では、省エネなエアコンの使い方の研究しており、つけっぱなしかこまめに電源を入れるかで、どちらが節約になるかの実験を行いました。夏場の日中(9:00~18:00)の場合、30分ぐらいの外出だったらエアコンはつけっぱなしのほうが消費電力は少なく、35分以上外出する場合は1回切ってしまったほうが良いという結果が出ました。

 また、夜(18:00~23:00)の場合は、18分くらいのちょっとした外出ならつけっぱなしでも問題ないですが、それ以上の外出なら切ってしまったほうが消費電力は少ないという結果になりました。ただし、そこまで大きな差はありません」

◆なぜエアコンをつけっ放しでもいいのか?

エアコン

 つまり、こまめに切るのが節約になるとは限らないわけだ。どうしてこのような実験結果になったのか、重政氏はこう話す。

「エアコンは運転を始めてから部屋の温度をぐっと下げないといけないときに、一番電力を消費する。つまり、部屋が冷えてしまえば、それを維持すればよいためさほど電力を使いません。けれど、電源を切ってしまうと、また上がった室温を下げなければならない。また頑張って部屋を冷やさなきゃいけなくなるわけです

 自転車に例えるのであれば、漕ぎ出すときが一番大変(消費電力が多い)で、スピードが乗ってきてからは、あまり力は必要じゃなくなる(すなわち消費電力は少ない)という仕組みのようだ。

◆これからのエアコンの買い換えポイント

 テレワークの普及によって、エアコンを新たに仕事部屋に設置したり、買い換えを検討したりする人が増えている。その際に注意すべきなのが、エアコンの性能だ。購入段階で「どのくらいエアコンがお得に使えるかは、ある程度決まってしまう」のだ。

「エアコンは同シリーズでも、いわゆるエントリーモデルからハイエンドモデルまで数種類あるのが一般的です。導入コストが安いのは言わずもがなエントリーモデルですが、ハイエンドモデルは省エネ性に優れています。本体価格差が10万円違っても、1kWhを27円と仮定して10年間使い続けると、コストが逆転してしまう例は珍しくありません。このように『消費電力量期間』を考慮することで、結果的にお得な買い物ができますよ」

 また、価格にこだわるあまりに実際に設置する部屋よりも狭い部屋が対象のタイプのエアコンは、効率的に冷却できず、結果的に消費電力が上がってしまうリスクがあるので注意が必要だ。今年の夏はエアコンを上手に駆使して乗り切ろう!

<取材・文・撮影/藤広冨之>

【藤広冨之】

WEBコンテンツ制作会社「もっとグッド」代表取締役。ライター集団「ライティングパートナーズ」の主宰も務める。オウンドメディアのコンサルティングのほか、ビジネス・社会分野のライターとしても活動

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