公務員なのに手取り17万円。地方在住の27歳「子供・家・車は諦めた」

bizSPA!フレッシュ / 2020年10月21日 15時45分

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公務員なのに手取り17万円。地方在住の27歳「子供・家・車は諦めた」

 若者の未婚化・晩婚化が問題になっていますが、晩婚化の原因のひとつに「若者の貧困化」が挙げられます。「子育てまで考えると今の給料に不安」「誰かを養うほど、稼げていない」など金銭的余裕のなさは、若者を結婚や安定から遠ざけてしまいます。

財布

画像はイメージです(以下同じ)

◆一家の大黒柱になる自信がない…

 一昔前なら当たり前の結婚や子供を作ることですら、二の足を踏んでしまう日本の現状。地方公務員の幸田祐太郎さん(仮名・27歳)も「当たり前の幸せの中にある不安におびえている」と言います。

「もともと東北出身で、周りの友人たちの結婚も早かったため、20代になってからは家族からも『早く結婚しろ』と言われており、自分の中で結婚や出産というのは当たり前の未来でした。そして去年、学生時代の友人の紹介で知り合った女性と結婚して、現在は長野県に住んでいます」

 移り住んだ県で地方公務員として働いているという幸田さん。早いは早いけれど、早すぎないアラサーの結婚生活。職業も安定しているとなれば、何が不安なのでしょうか。

◆家族を養うには到底足りない

貯金

給料の手取りは17万円程度です。額面でいえば24万円ほどなのですが、住民税や職員組合費など天引きされると、そのくらいになってしまうんです。もちろんボーナスはしっかり出るものの、妻に加えて子どもを養うには、到底足りないと感じる額です。公務員なので副業はNG。新型コロナの蔓延後は残業も禁止になったので、どうやってもこれ以上は稼げない。こんな給料で一家の大黒柱が務まるのだろうかと不安でたまりません」

 幸田さんには2人の姉がいて、実家近くで子育てをしているため、親の援助もそちらに取られてしまっているのだそう。田舎での子育てでは親世代の援助を受けやすいですが、幸田さんの家庭ではそれが難しいそうです。

◆今は賃貸で電車移動だけど、いずれは…

 地元を離れてしまっている幸田さんは、「マイホームの購入など、親からの援助は受けづらい」と言います。

妻は、両親とは縁を切ってしまい、誰かの援助を受けるのは難しい状況ですが、賃貸暮らしで、移動も電車を使っているし、不動産ローンも組んでいないので、そこまで困窮していません。ただ、もし子どもを育てるなら、マイカーも必要。マイホームとマイカーのローンを抱えながら子育てしていくことが、僕の給料では難しいのではないかと考えています。

 妻もパートでは働いていますが、月に7万程度の稼ぎ。2人で少し贅沢するくらいでちょうどという感じで、それも子どもを育てるとなったらやめざるを得ない。妻はずっと『早く子どもがほしい』と言っていますが、僕にはその自信がないんです

 結婚式もほとんど自分たちの貯蓄で行ったという幸田さん夫妻の世帯貯蓄額は100万円を切っていると言います

「地元の友人たちはみな、もともと家族が持っていた土地に安く家を建てたり、車は親のお下がりを安く譲ってもらうなどして結婚生活にかかる負債を少なくして、やりくりしているのに、長野に移り住んでしまった僕にはそれが難しい……。姉2人に援助している僕の親は『祐太朗は男の子なんだから大丈夫よね』と放置ぎみ。すでにいる孫がかわいくて、そっちにばかり気を取られているんです」

◆地元に戻ることに猛反対される

手取り10万台

「長野は妻の地元なので、地元に戻ることも考えましたが、公務員をやめて引っ越しすることに妻は猛反対しています。でもこのまま世帯の手取りは24万円で、もし妻が仕事をやめれば17万円。子どもを育てて、家を持つという選択が僕にできるのかと、ずっと自問しています。

 とりあえず地道に貯金をして、ある程度の貯金額になったら、妻も安心すると思い、食費や交際費を削ってはいますが、地道過ぎて先が思いやられます。仕事はホワイトなのだから、なにか副業ができればよかったのに……。仕事が早く終わっても、なるべく無駄使いしないようにする生活はけっこうストレスです

◆今のままでは程遠い「将来の夢」

弁当

幸田さんのお弁当。食費を削っていることもあって、非常にシンプルだ

 大卒で公務員として働いていても、昔は当たり前だった「マイホーム・マイカー・子ども」を持つことが難しい現状。昭和の親にその当たり前を刷り込まれているからこそ、幸田さんには現状がよりツラく感じるのでしょう。

「中古車を選んだり、家も賃貸に住み続ければいいだけと思えばそうなのかもしれない。ですが、小さい頃から将来の夢は、自分の好きな車と家を持つこと。今の自分だけの力では、それすらままならないということが悔しいです

 昭和は昭和、今はいま。比べても仕方ないけれど……当たり前に叶うと思っていたことが叶わないのが、今の若者の苦しみです。田舎で堅実に生きるといっても、実は親の援助ありきだったりするのかもしれません。

<取材・文/ミクニシオリ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

【ミクニシオリ】

ゲスライターミクニシオリ。略してゲスミです。ワンポイントモテテクと出会いの場についてすごく詳しいフリーライター。広告代理店から都落ちしたサブカルクソ女です。勇気のある人はTwitterのDMにご連絡を、スパムも出会い厨も返信率100%です☆ Twitter:@oohrin

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