コロナ禍でバイトを辞めた25歳が、農業に挑戦。「手取り15万以下」でも本音は…

bizSPA!フレッシュ / 2020年11月21日 15時45分

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コロナ禍でバイトを辞めた25歳が、農業に挑戦。「手取り15万以下」でも本音は…

 厚生労働省によると、新型コロナによる解雇や雇い止め(見込みを含む)の人数は、11月13日の時点で7万1000人を突破。年末にかけて増加のペースはさらに早まると見られています。

落ち込む

画像はイメージです(以下同じ)

 ただし、ここでカウントされている解雇や雇止めはあくまで会社都合によるもの。特にアルバイトやパートなどの非正規雇用の場合、出勤日を減らされたことで辞めた人も少なくありません。

◆急場しのぎで始めた農業の仕事

 高中茂幸さん(仮名・25歳)は5月まで飲食店でアルバイトをしていましたが、休業や営業時間の短縮で収入が激減。このままでは生活が立ち行かなくなると思い、バイトを辞めて新たに働き始めたのが農業法人の契約社員でした。

「地方に住んでいるから農業系の求人も意外と多いんです。そこは寮もあって食事付。月収は手取りだと15万円に届かず、給与面では微妙かもしれませんが家賃と食費が抑えられる分、実質的には20万円台前半の収入と大差ないかなって。そう前向きに捉えました」

 ただし、契約期間は10月まで。あくまで一時しのぎで選んだ仕事だったため、短期間でもきちんと収入を得られることを考慮したといいます。

◆ぐっすり眠れてご飯も美味しい

農業

「実は、来年も春~秋の期間限定ですが、『よかったらまた働いてくれないか?』と声をかけられていて、もう1年お世話になろうと思っています。それに冬場も農業法人の社長が冬場でも人手を探しているハウス栽培の農家を紹介してくださり、今はそこで働かせてもらっています」

 しかし、農業は体力仕事。前職の飲食店とは仕事の内容もまったく違います。体力的に大変なのでは?

「今は慣れましたけど、重たい物を運ぶことも多くて最初は筋肉痛になることもありました。でも、疲れているせいか夜はぐっすり眠れるようになりましたし、農家だからご飯も美味しいんですよ! 

 それにこんな風に自然を相手に仕事をするのが思っていた以上に性に合っていたらしく、農業も悪くないなって。まだ経験も浅いし、上っ面だけしか見えてないでしょうけど、今はこの仕事にすごく魅力を感じています」 

◆本気でやりたいと思うようになった

トラクター

 高校卒業後、地元の小さな機械工場に就職しましたが2年半で退社、その後はフリーターとしていくつかのアルバイトを転々としていた高中さん。特にやりたいこともなく、ただ生活のために働いている状態だったそうですが、今は農業の仕事を本格的にやってみたいと思うようになったとか。

「偉そうなことを言っても農業の仕事に携わってまだ半年ですし、この気持ちが果たして本気なのか自信がないんです。今まで仕事に対してこんな感情を持ったことが全然なかったので

 実際、彼のように農業に興味を持つ若者は近年増えています。国は新規就農を希望する人に向けて「農業次世代人材投資資金(旧・青年就農給付金)」という支援制度を用意。給付金の額も手厚く、これまで多くの方が利用しています。

◆就農するには「初期費用」がネック

 高中さんも「その制度のことはもちろん知っていますし、農業をやりたいと思う以上、やっぱりそこは意識しますよ」と将来の目標のひとつとして就農も考えているようです。

「けど、まずは働きながら農業のことを勉強し、すべてはそこからですね。

 10月まで勤めていた農業法人では社員という立場で農作業をしている方もいましたし、そういう働き方もあると思うので。就農って簡単に言いますが新規だと初期費用もかかりますし、給付金以外にもまとまった資金が必要ですから。それがネックですね」

◆今後のことは貯金をしながら考えたい

貯金 資産

 新規就農となれば、耕地面積や農業でも何をやるのかにもよりますが、初期投資に加えて当面の生活費なども考えると最低でも500万円以上は必要。トラクターなどの農機具も新品を購入すれば、総額1000万円以上は軽く飛んでしまいます

「現在、銀行の口座には70万円しかないので、とりあえずはしばらく働きながら貯金も続け、今後どうするのかを時間をかけて考えてみるつもりです。ある程度貯金があれば精神的にも余裕が生まれますし、仮に就農以外の道を目指すにしても選択肢はいろいろとあるでしょうしね」

 コロナがきっかけとはいえ、やむを得ず始めた農業の仕事で見つけた新たな目標。給料は多くはないですが、彼にとってはそれ以上に得たものは大きかったようです。

<取材・文/トシタカマサ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

【トシタカマサ】

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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