年末年始に被害が急増「詐欺の手口」5つ。新型コロナに便乗も
bizSPA!フレッシュ / 2020年12月27日 15時46分

年末年始に被害が急増「詐欺の手口」5つ。新型コロナに便乗も
年末年始は何かと入り用で、多額の現金を手元に置くことも多くなります。特に2020年から2021年にかけては、感染拡大を避けるため外出を控える人も多いでしょうから、詐欺のアプローチも受けやすくなっています。
画像はイメージです(以下同じ)
若手ビジネスマンのなかには「狙われるのは高齢者に限ったこと」と勘違いしている人もいるかもしれませんが、昨今では若者から中高年に至るまであらゆる年代層がお金をだまし取られる可能性があります。今回は詐欺の中でも、年末年始に被害者が増えそうな手口を5つピックアップして紹介します。
◆詐欺① 偽通販サイト詐欺
巣ごもり需要が高まった2020年。詐欺犯もこの需要に狙いを定めて罠を仕掛けています。ダイソン、ニトリなど大手企業を騙った偽の通販サイトでお金を払ってしまい、結果的に「商品が届かない」被害が増えています。
なぜ、騙されてしまうのでしょうか? 理由は、大きく分けて2つあります。
まずは、正規の通販サイトと見た目がそっくりな画面で販売していること。違うのは、正規の値段に横線を引いて、70~80%の激安価格を表示している部分くらいです。そして、誘導も巧みです。大手のSNSや検索サイト上に広告を出しているので、アクセスした多くの人が「公式サイト」だろうと思いこんで注文してしまうのです。
もちろん偽サイトに指示された銀行口座にお金を振り込んでも、商品が送られてくることはまずありません。クレジット情報を入力してしまうと、情報が悪用され、別な通販サイトで高額な商品の不正使用がなされてしまいます。最近では、注文した金額分がクレジット決済されて、まったく違う安価な商品が送られてくることもあるようです。
安いからといって、すぐに注文するのではなく、サイトの内容をしっかりと見て、おかしな文言がないかを確認してください。大概が海外の詐欺業者が行っているので、一部の日本語が変だったりします。
“偽ニトリ”の通販サイトでは連絡先の電話番号が掲載されていなかったり、メールの問い合わせ先がフリーのアドレスだったりするようです。また、振り込み先が個人名や外国人名になっていたら、詐欺を疑うべきです。
◆詐欺② 新型コロナ便乗詐欺
都市部の感染者急増により、帰省を控える人も少なくありません。詐欺犯は、地方に住む親を狙ってコロナを絡めた「オレオレ詐欺」をしかけてきています。
息子になりすまし「PCR検査を受けたら、陽性がでた」とうそぶき、高齢の親を心配させたところで、お金の話に。
ありがちな「会社のお金を使い込んだ」「株で失敗してお金が必要」「病院でカバンが盗まれた」との理由でお金を用意させます。「親にコロナをうつすわけにはいかない」という、もっともらしい口実を使い、別の人物がお金を取りに行きます。
「今年は実家に帰れない」などと身内を騙って電話をかけやすい状況もあるので、帰省できない若者は、こうした詐欺への注意喚起をぜひともご両親にしてあげてください。
◆詐欺③ メール、ショートメッセージサービス(SMS)詐欺
大手企業になりすましたメールやSMSが送られてきていません? 私宛にも、某有名企業から「重要な通知」「会員個人情報を更新できませんでした(自動配信メール)」といったものが来ます。
中でも多いのはAmazonになりましたメールです。「緊急お知らせ」というタイトルで「弊社のモニタリングにより、普段と違う不審なログインが見つかり、誰かがお客様の支払方法を変更しようとしている」といった、不安をあおるような文言が並びます。
偽サイトと気づかずに、ID、パスワードを入力してしまうと、不正アクセスされてクレジットカード情報などの個人情報が抜かれてしまいます。銀行を名乗るケースも多数あり、不正送金などの被害に遭うケースも。
そして最近では「お荷物のお届けにあがりました」と宅配業者を装ったSMSによる被害が多く発生しています。URLをタップしてしまうと、大手宅配業者そっくりなサイトに誘導され、不正なアプリをインストールさせられ、スマホが乗っ取られる可能性もあります。
配送業者からの不在通知を装うものも多い
スマホが乗っ取られてしまうと、1番恐ろしいのが自分の電話番号から「お荷物が届きました」というSMSが一斉に発信されてしまうことです。通信料金が発生することに加えて、勝手にキャリア決済までされることもあります。この手口は以前からあるものですが、いまだに猛威を振るっています。
大手のサイトからメールが送られてきても、安易にそこに載るURLをタップしてはいけません。手間が掛かっても、検索サイトで出てきた正規サイトで「そうした事実が本当にあるのか」を確認するようにしてください。
◆詐欺④ 国際ロマンス詐欺
テレワークで自宅にいることも増え、加えて忘年会や新年会が行われないことで、直接人と会う機会が減ってきています。人と会えない寂しさから、SNSや婚活サイトなどで出会いを求めた結果、被害に遭うケースが男女とも増えてきています。
手口としては、容姿端麗な外国人から“いいね!”が届き、メッセージアプリでやりとりを始めるとします。そのうちに「君は美しい」「運命の人だ」「ハニー」などと歯の浮くような愛の告白を次々に行い、「テレフォンセックスしよう」などといって、自分の裸の写真を送ってくることもあるようです。
その後関係性が深まったタイミングで「結婚したいので、日本で一緒に住みたい」と言い出したあげく、「荷物を日本に送るので、立て替えてほしい」などと、さまざまな名目でお金を要求してきます。そもそも相手は架空の人物なので、もちろん会えることはなく、ただお金を騙しとられるのですが……。
これまでは軍人、医師を騙るケースが多かったのですが、このところはエンジニアなど比較的普通の職業を騙っているので注意が必要です。
またアイドル顔をした韓国人や台湾人を装うことも増えてきています。「2人の将来のために儲けよう」とオンラインカジノに勧誘し、仮想通貨で送金させるという手口を使い、数千万円を騙しとられた人もいるようです。
◆詐欺⑤ キャッシュカード切り込み詐取
キャッシュカードを切れば、もうカードは使えない。そう思わせて、カードを騙しとる手口が急増しています。警察のフリをして「あなたの口座から、50万円がATMから不正に引き出されています」と電話を掛けてくるのです。
そして、家に偽警察官がやってきて「不正使用されたカードを証拠品として預かります」などと言い、目の前でカードに切り込みを入れて「もう使えない」と思わせたところで、持ち去ります。
暗証番号は事前に電話で聞かれていたり、カードを回収時に、用紙に記入させます。本人が「騙された」と気づかない限り、金が引き出され続けられてしまいます。
<TEXT/悪徳商法ジャーナリスト 多田文明>
【多田文明】
詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト。これまでの勧誘先への潜入数は100か所以上。あらゆる詐欺・悪徳商法に精通している。多数のテレビ・ラジオに出演し、著書に『ついていったらこうなった』(彩図社)『だまされた!だましのプロの心理戦術を見抜く本』(方丈社) Twitter:@tadabunmei
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