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「百人一首で手が触れた瞬間に」コロチキナダルの中1でのいじめ体験

bizSPA!フレッシュ / 2021年4月5日 15時46分

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「百人一首で手が触れた瞬間に」コロチキナダルの中1でのいじめ体験

 丸坊主に白いタートルネック、そして特徴的な声から繰り出される「やっべぇぞ!」「イっちゃってる!」などのギャグで、バラエティ番組を席巻するコロコロチキチキペッパーズ・ナダルさん(36歳・@korochiki_nadal)。

ナダル

ナダルさん。取材はリモートで行われた

 コンビとしてのYouTubeチャンネル登録者も20万人を超え、順風満帆そのものと言ってもいい人生曲線を描いているが、学生のころに陰湿な「いじめ」に遭っていたことはそこまで知られていない。

 未成年者の自殺者が右肩上がりで増えているなか、4月からの進学や就職で新しい生活を迎える人も多い。ナダルさんに当時の状況を聞くとともに、同じ悩みを抱えている人たちへのメッセージをもらった。全2回のインタビューのまずは前編をお届けする。

◆周りすべての女子から避けられていた

――いじめを受けるようになったきっかけは?

ナダル:いじめが始まったのは中学1年生からでしたね。今でこそ、テレビに出てる時は適当なキャラなんですけど、当時はもっと真面目で、まわりにも「やることはちゃんとやれよ」って言うタイプだったんです。

 ちょうど2学期のテストの日でした。開始のチャイムが鳴って「よしやるぞ」と思ってたら、ひとりの女子が「先生ちょっと待ってー、私昨日全然勉強してないねん」って教室の扉付近で言ってるわけですよ。先生が「それはお前が悪いんやないか」って返しても、「違うねん、部活めっちゃしんどかってん」って押し問答してるんですよね。

 正直、自分含めてもう“テストモード”になってて、記憶したことも忘れちゃいそうだからイライラして、そいつが「ほな1分だけ待って〜」とゴネた瞬間に、「もうええて! いい加減せえお前。みんな待っとんねん」って注意したんです

 そしたらですよ。「あ?」って言って、持ってた教科書を「パーン!」って思いっきり廊下に叩きつけたんですよ。ピストル撃ったかのような音で、あれはいまだに耳に残ってますね。その後、僕のほうに近づいてきて、顔を覗き込みながらゆっくりと「いま、入ろうと思ったんじゃ」って言ってきて。

◆黒板に悪口を箇条書きで書かれた

放課後の教室の黒板

※イメージです(以下同じ)

――突然、相手の態度が急変したんですね。

ナダル:次の日からです、周りの女子の様子がおかしくなったのは。話しかけても何もしゃべらないし、僕が歩いていたら、みんな一斉に避けるんです。その注意したやつは、女子の中でもリーダー格の存在で、通達があったんでしょうね。「あいつ無視するぞ」って。

 体育の授業で走っているだけで「うわ〜走ってる」とヒソヒソされたり、靴を隠されたり、教室に忘れ物を取りに帰ったら、黒板に僕の悪口を箇条書きしてたり……。一番つらかったのは、授業中、手をあげたら、先にあげてた女子全員がみんな降ろしたこと。

 問題に正解したら「そんなん誰でもわかるやろ」、間違えたら「なんで手をあげてん(笑)」っていちいち言われて。それまで、授業で頭の良いとこ見せて目立つことが嬉しかったんですが、以来プレッシャーであげられないようになっちゃって。

◆孤立を決定づけた「百人一首大会」

百人一首

――そこからよりいじめが悪化したそうですが、具体的に何をしたのでしょうか?

ナダル:その後も、女子とはまったくしゃべれてなかったんですけど、男の友だちはまあそれなりにいたので、なんとかメンタルは保っていた感じでしたね。でも、やっぱりこの流れを変えたかったので、中学1年の終わりの「百人一首大会」で挽回しようと思って

 僕の住んでいたところは、京都でも唯一の「村」だったので、学年全員集めてもA・Bの2クラスしかないから、合同実施だったんです。みんながおる中でぶっちぎりで優勝したら、ヒーロー扱いされるんちゃうかってことで、冬休み中、毎日めっちゃ暗記したんですよ。それこそ、上の句が読まれたらすぐ「バン!」って札を取れるぐらいに。

 当日は、グループ対抗の戦いだったんですが、これがまた不幸なことに、僕をいじめてた中心的な存在の2人が対戦相手にいたんですね。向こうも、僕が目の前に座った瞬間「えっ、おるやん……!」って言ってきて。それでも「ここで心がブレたらあかん」と思って、目の前に集中してたんです。

 いざはじまったら、「なんとかの〜」って読まれた瞬間、すぐに「パン!」って取れて。周囲もざわつくわけですよ、「アイツ、めっちゃ強いやん」って。内心ワクワクしたまま、その後半分以上取って「これはいけるな」と思った次の読み札で、僕が先に手を置いたあと、遅れて向かいの女子が手を出して重なっちゃったんですよ。

◆「あとで石鹸で手ぇ洗っときや」

ナダル

ナダル:そしたら、「イヤアアアアアアア!」って、会場だった体育館中に響き渡るぐらい叫んで。

 みんな何事だっていうことで、先生たちも大勢駆けつけてきて、僕に向かって「お前〇〇に何してん!」って問い詰めるんですよ。「僕、何もしてませんって!」って必死に言うんですけど、そいつも「もうイヤやー」って泣いてるから、全然聞く耳を持ってくれなくて。

 結局、体育館の個室にズルズルと連れて行かれて、これこれこうでと説明したら「なんや、気ぃつけろよ」って何とかわかってもらえましたけど、悪目立ちした形になって、メンタルやられまくりですよ

 なんとか試合に戻ったんですが、泣いてるやつの横にいた女子が、僕を見ながらトントンって肩を叩いて「あとで石鹸で手ぇ洗っときや」って、トドメですよ。結局、優勝は逃したし、その日はどう帰ったか記憶がないぐらいショックを受けて。子どものころは、「大人が絶対正しい」っていう思い込みがあると思うんですけど、大人って理不尽だな、おかしいやつはいるんだなって、そこで気づきました。

◆「いじめの中心人物」と凱旋ライブで再会

マイク ショー

――そこから中学生のうちに、状況が変わることはなかったのでしょうか?

ナダル:そのあと、卒業するまではずっと変わらずでしたね。最初は何されても堂々としてたんですが、だんだんと口数も少なくなって、如実に暗くなっていったので、いじめの回数は減っていきましたけど。

 実はいじめの中心的人物とは、コロコロチキチキペッパーズを組んでから再会してるんですよ。2015年に『キングオブコント』で優勝して、僕の地元で凱旋ライブをすることになったんですが、途中でビンゴ大会があって。MCをしてて、「当たった人〜」って会場に向かって言ってたら、「やったー当たった! 久しぶり〜」って、そいつが舞台に上がって来たんです

――うわ! それはまさかの展開ですね。

ナダル:突然のことに、僕も固まっちゃいましたよ。そこで「こいつは同級生でしてね〜」って言えたら良かったんですけど、反射的に血の気がサ―ッと引いて黙っちゃって。相方の西野も「どうしたん?」って心配して聞いてくるレベルでした。まあでも何とか持ち直して、考えついたのは「みんなが見ている前で仕返ししたれ」ってこと。で、口から出た言葉は「まあ、いまこの子は明るく元気いっぱいですけど、中学のとき僕をさんざんいじめてたんですよね!」でした。

◆やられた側が許さない限り続いている

ナダル

ナダル:そしたら、周囲は「シーーーン」ですよ。やっぱり“復讐”の気持ちがにじみ出てるから、言い方がポップじゃなかったんでしょう。そいつは焦りながら「え、そんなことしてるわけないやろ〜」ってしらを切ってましたが。とりあえず、僕としてはそこでスッキリできましたね。あとで聞いてたおかんからは「なんであんな事、言うの!」ってめっちゃ怒られましたけど(笑)。 

 結局、いじめって、やられたやつが許さへんかったら終わりじゃないと思うんですよ。(霜降り明星の)せいやは、僕よりもひどかったみたいですけど、「負けへんぞ」っていう気持ちで、やられたこと全部にボケたり突っ込んだりして、最終的には跳ね返した。でもそんなん、ほんまに一握りです

 若い時はプライドがあって、自分が「いじめられてる」って認識するのも嫌じゃないですか。いろんな場所でいろんないじめがあるから、安易なことは言えないんですが、やっぱり現実を1回認めて、どこかに“はけ口”を作って欲しい

 僕もまだ話せる男友だちがいたから心が助かったので。もし、それさえもなければ、「いつでも逃げていい」ってことは伝えたいです。

<取材・文/東田俊介>

【ナダル】
1984年生まれ。NSC大阪校33期生、2012年4月に西野創人とコロコロチキチキペッパーズを結成。2015年、キングオブコント2015で優勝。YouTubeチャンネル「コロコロチキチキペッパーズのよろチキチャンネル」は日々更新中
Twitter:@korochiki_nadal

【東田俊介】

大学を卒業後、土方、地図会社、大手ベンチャー、外資など振り幅広く経験。超得意分野はエンタメ Twitter:@shunbini

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