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親に不満がある20代に伝えたい、私が父の葬式で体験したこと/小原ブラス

bizSPA!フレッシュ / 2021年4月24日 8時45分

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※イメージです(以下同じ)

 普段は辛口だとか、毒舌だとか言われる僕ですが、毒を持った言葉を使うと、どうしても「これが正解だ!」と、1つの答えを決めつけてしまいそうになるものです。でも、人生の答えは1つであるはずがない。だから、あえて“甘口で”読者の皆様の人生相談にのってみようというこの企画。

ピロシキ

 数ある、たくさんの正解の中のほんの1つだけ、参考になればという思いで、関西ロシア人コンビYouTuber・ピロシキーズが、おこがましくも答えさせていただければと思います。今回は、小原ブラス@kobaravlas)が、親に関するこんなご相談に回答します。

◆Q:親が「大人」として扱ってくれない

【20代後半・男性・広告代理店】
 親との関係で悩んでします。私は20代後半で、東京で働いています。地元は東北で、父は小さい会社を経営していて、専業主婦の母と、私の弟と3人で暮らしています。歳を取ってから父は頭も固く、私の生活にアレコレ口を出してくるようになりました。

「結婚はまだか?」「30歳までに子供を作れ」「貯金しろ」など。子供が独立したら、大人として扱ってくれるかと思いきや、まるっきり逆で、年々LINEで干渉してくるのです。父親は尊敬しているので、嫌いになるのはツラいですが、どうしたらいいのでしょうか?

◆A:たまにはダサい所を見せちゃえば?

ビジネス 失敗

画像はイメージです(以下同じ)

 20代後半にもなってくると、そろそろ「自分にとっての幸せとは何か」ということにも向き合えたり、自分なりの生き方というのがある程度、定まり始める時期ですので、親の干渉問題はかなり面倒ですよね。

 親も自分と同じ失敗をしないように、子供を思って言ってくれているのは分かるんだけども、いつまでもあれこれ指摘をされ続けると、自分の生き方に自信を失う要因になったり、それ自体がプレッシャーになって生きにくくなるものです。誰かを好きになっても、この人を親に紹介できるだろうかと余計なことが頭によぎったり、転職に踏み切れなかったり、色んな弊害も発生します。

 子供としては、親に心配をかけない自立した立派な大人になりたい。そして自分が幸せなんだということを親に見せて褒めてほしい。一人前と認めてほしい。そんなことを思ってしまいますよね。

 僕の場合は自分がゲイだといくら説明をしても「結婚はまだか」と母に何度も聞かれ、「だから……」と呆れていた時期もありました

◆どんな親が、立派な親になるのか?

 20代や30代の子供に対しては自信を持たせてくれる親、肩をポンと押して見守ってくれる親というのが「立派な親」なんじゃないか。自信を失わせるようなことを言うなよ、あなたとは違う時代と価値観の中で生きてるんだよ。そんなことを言ってケンカしたくもなります。

 僕はアグレッシブに意見を言ってしまうタイプなので、「好きでもない人と結婚するくらいなら生きていたくないし、今、好きなのはこの男だ。ヤルことだってしている!」とまで言って母の話をハッキリと突っぱねてしまったことがあります。

 さすがにそこまで言われると、母としても自分の生きる世界や感覚との違いが大きすぎて、自らの経験から幸せになるためのアドバイスは何もできないと思ったのでしょう。それ以降、結婚について話題に上がることはなくなりました。

 僕の場合は強い口調で反抗をして無理やりに、この干渉を抑えたのですが、今では正直そのことを後悔しています。

 それは、親に心配をかけず自立して生きる子供が「立派な子供」、それを温かく見守れるのが「立派な親」だという価値観も僕の勝手な思い込みだったからです

◆何気ない一言に母が見せた「反応」

親

※イメージです(以下同じ)

 昨年、僕の父が癌で亡くなり、東京から実家に帰った時のこと、葬式の夜に母が弱音を吐いたことがあります。父なき後の生活について家族で話したことがきっかけでした。実家には父と、父の看病をする母、そして僕の弟が3人で暮らしていました。

 何気なく僕が「寂しくなるね」と言った時に、母は「(弟と)2人でも寂しくないわよ。大丈夫」といつもの強がり。そんなことを言えば、弟が自立し辛くなるのではないかと思った僕は「弟ももう大人なんだからいつ出て行くか分からないでしょ」とお節介で言い返してしまいました。

 その時にいつも強がって涙を見せることのない母が、ポロポロと溢れる涙を隠せなかったのをよく覚えています。「いつまでも私の心は20代、30代の気分なのに、気がついたらすっかりおばさんになってしまったわ。もう皆自分で生きていけるもんね」そんなことを言っていたと思います。

 僕たち子供を育て、その後は父の看病をひたすらし続けていた母にとって、「私がいないと生きていけない人」という存在がいなくなったことを実感した瞬間だったのだと思います。

◆どんな子供が「立派な子供」になるのか?

 どんな人間でもそうだと思うのですが、会社で後輩に尊敬され、頼られて必要とされたいでしょうし、恋人ができたら相手にとってなくてはならない存在になりたいと思うでしょう。社会を形成するタイプの動物である私たちは、いつだって誰かに頼られ必要とされたいと必ず心のどこかで思っているはずです。それが生きる活力につながり、悲しいことを乗り越える力になったりするから。

 これまで母を頼っていた父がいなくなり、さらには子供たちも自分の力で生きていけるという事実は、自分が誰にも頼られない存在になったことを実感させる恐怖だったはずです。「立派な大人になるんだよ」とよく言っていたあの母が、その言葉に矛盾する涙を流すなんて僕にとってはかなりの衝撃でした

 そして今まで、親に心配をかけず自立して生きる子供が「立派な子供」としていた価値観が崩れたのです。もちろん、親のすねをかじるとかそういうことではありませんが、「立派な子供」というのは、いつまでも親に「あなたを頼りにしているよ」と感じさせ、生きる活力を与えることができる子供であるかもしれないと思ったのです。

 たまに実家に帰った時に「東京ではこれが食べれへんの辛いわ。お母さんのこの手料理を食べたくてつい帰ってきてしまうねん」とか言ってみたり、「なあ、引っ越しの時って住民票とかってどうするもんなん?」と、調べたら分かるようなことでも親に電話して相談してみたり……色んな方法があるとは思いますが、親を頼りにしている姿勢を見せることってすごく大事なのではないかと思うのです。

◆忘れてはならない、親はいつか死ぬ

ベッド 死

 世の中には本当にとんでもない毒親がいるという話も聞くので、質問者さんのお父様がどうかは分かりません。ただ、年々干渉が強くなるとのことなので、なんとなく質問者さんが「全部自分でできる頼ってくれない息子」になっていくことを恐れているのではないかという気がするのです

「結婚はまだか?」と言われたら「出会いがないんだけど、俺モテないのかな?」と相談しちゃえばいいじゃないですか。

「30までに子供をつくれ」と言われたら「まず相手が見つからないんだけど、どうやって見つけるものなの?」と聞いてみたらいいし、「貯金しろ」と言われたら「貯まんないんだよね。お酒で全部飛んで行っちゃうけどやめれない。どうしよ」とダサいところを見せちゃえばいいんですよ。親にくらい、出来ない息子と思われてもいいじゃないですか

 ここは1つこっちのカッコつけは引いて、親孝行として頼ってるんだと思えば、質問者さんの自尊心にも影響は出ないはずです。子供の頃に育ててもらった恩を返すつもりで、親に「立派な親」になるのを求めるのではなくて、自分が「“甘え上手な”立派な息子」になってやろうと思えるといいんじゃないでしょうか。忘れてはならないのは、親はいつか死ぬんだってことです。

<TEXT/小原ブラス(@kobaravlas)>

【ピロシキーズ】

小原ブラスと中庭アレクサンドラからなるYouTuberコンビ。2018年12月よりチャンネル「ピロシキーズ」をスタート。日本とロシアの面白ネタを紹介する人気関⻄系ロシア人コンビYouTuberとして、人気高評価動画は131万回再生を記録! 公式YouTube「ピロシキーズ

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