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若者に増加「スマホ社会」が招く、脳疲労の恐ろしさ。記憶術のプロが警告

bizSPA!フレッシュ / 2021年7月6日 8時46分

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若者に増加「スマホ社会」が招く、脳疲労の恐ろしさ。記憶術のプロが警告

 こんにちは、記憶術講師の吉野邦昭です。「物忘れがひどい」「集中できない」「気力が出ない」という声をよく聞くようになりました。その原因が脳疲労であると、だんだんと認知されてきています

スマホ 男性

※画像はイメージです(以下同じ)

 その脳疲労の最大の要因がスマホの普及。対策を紹介した記事はよくありますが、「わかっていても取り入れることができない!」という声が飛んできそうです。そこで、疲労した脳に最後のひと踏ん張りをしてもらうポイントもお教えします。

◆スマホの普及で記憶力・意欲が低下

 最近、「脳疲労」という言葉をよく聞くようになりました。

「大事な事を覚えられない」「物忘れが増えた」「集中して物事に取り組めない」という声が、私の記憶法講座の受講動機のかなりの部分を占めています。その陰に記憶の衰えを感じながらも、わざわざ講座を受講するほどではないと思っている方が相当数いることは、想像に難くありません。

 その原因のひとつは、情報化社会。パソコンはもちろん、ここ数年はスマホの普及による影響が大きくなったと考えられます。情報収集の手段は、昔は紙媒体だったものが、ラジオ、テレビと進化し、今はパソコンからスマホへと移りました。

 もちろん、取り出せる情報量も多いのですが、ひとつ前の世代であるテレビ・パソコンと比較した最も大きな変化は“持ち運べる”、“手元で情報を取り出せる”ということです。そのため、アクセスする時間が劇的に増加してしまいました。

◆データで明らかになった「情報量の増大」

ビジネス ビックデータ

 アメリカの市場調査会社、International Data Corporation(IDC)が2020年5月に行った発表によると、世界で生成・消費されるデジタルデータの総量は、この10年で約60倍、今世紀に入ったわずか20年で9500倍になったとの報告があります。“倍々ゲーム”ならぬ、“10倍10倍ゲーム”状態なのです。

 総務省情報通信政策研究所の調査発表によれば、実際、私たち日本人のネット利用時間(平日)は、2012年に71.8分だったものが2019年には126.2分と、わずか7年で1.8倍になっているのです。

 いよいよ、私たち“ヒト”の持つ情報処理能力が限界に来てしまったと言っても過言ではありません。

◆大丈夫?すぐに分かる「脳過労」危険度チェック

チェック

 脳が疲労してくると、日常の業務や生活に直接的、間接的な症状が現れてきます。あなたはいかがですか? チェックしてみましょう。

【症状編】
□ 人の名前や商品名が、スッと思い出せないことがある
□ スマホに着信が来たと思ったら、思い違いだったことがある
□ 会話したことは覚えているが、内容が思い出せない
□ 何かをしようとして動いているときに、何をしに来たのかを忘れることがある
□ やる気が出ない
□ 判断力が低下したり、考えがまとまらない
□ 凡ミスが多い
□ イライラしたり怒りやすくなった
□ 睡眠不足、寝つきが悪い、夜中に目が覚める
□ 病院に行くほどではないが、ちょっと不調だ

 それぞれ、チェックが3個以上ある人は要注意。脳疲労が進んでいる可能性が高いです。チェックが5個以上ある人は、日常の業務や生活に、すでに障害が出てきているのではないでしょうか。チェックが7個以上ある人は、すぐにでも何らかの対策を取ることをおすすめします。

【習慣編】
□ スマホは手の届く範囲に常にある
□ 数十秒の空き時間(TVのCM程度)があれば、スマホに手が伸びることがある
□ ボーっとする時間がない
□ 目が覚めたときに、ついスマホに手を伸ばしてしまう(夜中や朝)
□ スマホにメッセージが入っていないかと、心配になり気を取られる
□ スマホや鍵をどこに置いたかわからなくなって、探し回ることがある
□ 食事するときに、スマホを見ている
□ 何もしていない自分・人は、ダメだと思う
□ トイレや風呂に、スマホやタブレットを持ち込む
□ 寝る前にメッセージなどの着信がないか、最終確認したくなる

 あなたの脳のキャパシティーに余裕がある時は、問題は生じません。しかし、症状編に挙げた項目のチェックが増えてきたら、習慣編に上がっている項目をひとつでもやめることで改善する可能性が高まります。

◆脳の活性化を促す再現性100%記憶術

スマホ 女性

 本来は、脳疲労を軽減させることが大切です。とはいえ、そうは言っていられないあなたに、脳に最後のチカラを振り絞らせる3つのポイントをお教えしましょう。

【1. 集中する】
 脳はシングルタスク……同時に2つのことを考えたり判断したりできません。ですから、2つのことを同時並行に作業するくらいなら、その時間を2等分して1つずつ“集中して”対応する方が正確に処理できます。
 また、脳は必ずしも一瞬で集中状態に入れるわけではありません。ですから、作業を分断して交互にやるよりも、ひとかたまりの作業は継続してやり切る方が集中できるのです。

【2. 特徴を把握する】
 一番の集中とも関連するのですが、脳は“まんべんなく”覚えることは苦手なのです。逆に、大人の記憶は関連付けの記憶とも言われていて、1つ思い出せるとそこから芋づる式に関連することを思い出せるという特徴があります。
 以上のことから、会議や会話の内容や人の顔について「全部覚えよう」とするのではなく、何か1つの最重要なことや特徴を覚えようとするほうが、後で思い出せる可能性が飛躍的に高まります。例えば、会議や会話なら「一番のポイントは○○だった」とか、人の顔だったら「鼻の横にほくろがある○○さん」という具合です。

【3. 想起を反復する】
 記憶というものは、記銘=記憶しようとしたときではなく、想起=思い出そうとしたときに深く記憶されます。ですから、「何度も覚える」のではなく「何度も思い出す」ようにしてください。
 例えば、会議なら議事録をもう一度見直すのではなく、「会議の一番のポイントは何だったっけ?」と思い出してから、議事録で確認をする。人の顔と名前なら、「今日会った人は誰だったっけ? そうそう鼻の横にほくろのある○○さんだった」と、もう一度思い出すのです。

 以上のことを、日頃より少し意識して取り組んで頂けるだけで、脳の活性化、そして脳疲労の軽減にもつながります。小さなことに思えるかもしれませんが、1つひとつの積み重ねも大きな予防効果を生み出すので、ぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか?

<TEXT/記憶術講師、脳力開発研究家 吉野邦昭>

【吉野邦昭】

記憶術講師、脳力開発研究家。京都市生まれ。大学院で船舶工学を修了し、松下電器産業(現在のパナソニック)に入社。独立後、40歳を越えてから脳トレ・記憶法と出会い、現場での豊富な指導経験から、記憶技法を学ばなくてもスグに暗記できる『絵コンテ記憶法』を開発。経営者や社員、お客様向け講演会まで、再開催や続編のリクエストが殺到している。現在、無料セミナーのLINE登録者数5万人 オフィシャルHP:https://yoshinokuniaki.com/

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