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コロナ禍で売上好調。韓国の本格食材、コスメを買える「韓ビニ」の“侮れない実力”を聞く

bizSPA!フレッシュ / 2021年8月3日 8時47分

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日本で一時的に手に入らなくなった辛ラーメンブラックも「現地で買い入れている」ため在庫は十分だ

 日本と韓国は飛行機の直行便でわずか2~3時間ほどの距離。日帰りもできる観光地として、多くの人が買い物や飲食のために訪れています。しかし、このコロナ禍で往来が難しくなり、これまで以上に距離を遠く感じた人もいるのではないでしょうか。

韓ビニ

レジには行列が

 そこで今話題となっているのが「コロナ禍で韓国に行けなくても韓国商品が手に入る」というコンセプトで事業を展開している「韓ビニ」。2020年12月18日に埼玉県川口市内に1号店を出店したところ、SNSやメディアで取り上げられ、2021年7月には春日部市に韓ビニ2号店をオープン。

 韓ビニは社長で韓国人のソ・ジョンウン氏が立ち上げ、マネージャーの内山命俊(のぶとし)氏が運営などを任されています。今回はその内山氏に話を聞きました。

◆韓ビニは気軽に入れるのが魅力

韓ビニ

韓ビニのネーミングは社長の思いつき(画像提供内山氏)

 日本にはすでに全国展開する韓国食品専門店はありますが、ほとんどが在日韓国人向けで、日本人だとなかなか入りづらい現状があります。しかし、韓ビニは普通のコンビニのように気軽に買えるので、実際に筆者が取材に向かったところ多くの若者たちが買い物を楽しんでいました。

「川口店もそうですが、日本人に合うような外観や内装の作りにこだわっています。中学時代の友達に頼んで内装をお願いしました。商品は韓国に行かないと手に入らないものもたくさんあります」

韓ビニ

店内に並ぶ商品は品切れすることも

「情報の世界なので、いち早く韓国で売れている商品をキャッチしてどのニーズに合わせていくかを考えています。あとはお客さんからネット上で商品の問い合わせが来るので、用意できるものは入れるようにして臨機応変に対応しています

◆韓ビニを作ったきっかけとは?

韓ビニ

日本で一時的に手に入らなくなった辛ラーメンブラックも「現地で買い入れている」ため在庫は十分だ

 韓ビニを作ったきっかけは意外な出来事からでした。もともと内山氏は韓国大学に通うために7年ほど住んでいましたが、2014年頃に一時帰国した際、ソ・ジョンウン氏と出会ったと言います。

「出会いは居酒屋です。隣の席に座っていて、僕が社長に『韓国に留学しています』といきなり声をかけました。そこで意気投合し、そこから7~8年くらい連絡を取り合ったり、社長が経営している貿易業を手伝ったりしていました」

 内山氏はコロナで2020年6月に日本に帰ってきて、韓国語を使える仕事を探していたそうです。

「仕事探しはそこまで真面目にしていなかったのですが、ずっと社長から一緒に仕事しようと言われていたので決めました。最初は韓国で流行っているチキンを日本で販売する方向性でしたが、韓国商品を扱う新大久保のお店などが人気だったということで、川口に韓ビニ1号店を出すことにしました。なぜ川口かというと、ただ僕の地元だったからです。あと社長も川口に住んでいましたので、そこに決めました」

◆韓国と日本を中立できる立場だった

韓ビニ

徐々に客足が増えてきた店内の様子

 ここまでお客さんが来るとは予想していなかった春日部店の韓ビニ。どのような宣伝をしてきたのでしょうか。

「高校の先輩が行政書士で、広告の会社を立ち上げていたので、お店の宣伝に協力してくれました。ネーミングやコンセプトのインパクトがあるとのことで、地元新聞やメディアにも取り上げてもらい、注目されるようになりました。後はSNSで自然に口コミが広がっていった感じです。プレオープンは開店前からお客さんがずらっとお店の外に並んでいる状態でした」

 韓ビニを成功させた背景として、どのような経営戦略があったのでしょうか。

「僕は韓国と日本の両方の文化を知っているので、中立できる立場だったのが強みだと思っています。韓ビニは、他の人が目につかないところを見つけられたのが良かったのかと思いますね。また、人との繋がりをこれまで大事にしてきたからこそ、色々な人が手伝ってくれて助かった面もありました。韓国商品だから成功するわけではないと考えています」

 また、春日部店は、今後の出店のためのテスト材料として始めたとのこと。内山氏は「春日部店が成功すれば次にどんどん店舗数が増やせると思います」と言います。

◆予想外すぎる展開に社長も驚いた

韓ビニ

韓ビニマネージャー・内山氏

 すでに成功を収めているようにも見えますが、どこを目標としているのか聞きいてみました。

「まだまだ3~4か月たたないとわからないですが、川口店があったので、春日部店の売り上げ目標は社長と一緒に『これぐらいだろう』と考えていたものはあります。しかし、今はその予想よりも3~5倍はあります。レジも最初は1台でしたが、今は3台まで増やしました。予想外すぎて僕たちも驚いています(笑)」

 一方で、ワクチン接種が広まり、コロナが収束した時の不安も吐露していました。「コロナが落ち着いて、韓国にみんなが行けるようになったらどうなるかわかりません。ただ、店舗数はもっと増やしていくつもりです」とのこと。

◆人気店だからこそクレームも多い?

韓ビニ

駐車場にある看板

 社長と内山氏の予想を遥かに超えて、売り上げが伸びた韓ビニ春日部店。こちらの場所は春日部駅や北春日部駅から歩くと15分くらいです。しかし、店舗場所として、「駅近へのこだわりはなかった」と内山氏は語ります。

「駅前だと集客は多いかもしれませんが、その分客単価が低くなってしまいます。一方で、車で来ると心理的に購買意欲が高まるので、客単価が高くなるんです。その証拠に、春日部だと平均の客単価が2000円超えていると思います。週末だと平均の客単価が2700円くらいです

 とはいえ、あまりの反響ぶりに周囲の店舗に迷惑をかけてしまうこともあると言います。

「隣の敷地にお客さんが車を間違えて止めてしまい、隣のオーナーからクレームが来たことがあります。また、韓ビニへ行ったお客さんが、近くのスーパーの駐車場で車をぶつけてしまったため、スーパーの店員から韓ビニに『対策とかできていますか? こちらに迷惑がかかっているのですが』と連絡が来ました。車で来ないとダメな場所での営業は、いい部分も悪い部分もありますね」

「春日部店は次の店舗を出すためのいい勉強になった」と語る内山氏。次は駐車場が広いところを狙うそうです。

◆コンセプトを柔軟に変えるのも戦略

韓ビニ

2階はコスメグッズなど販売

 韓ビニは、6月25日にフランチャイズとして、東京都府中市に3号店をオープンさせています。また、今後オープン予定の4号店は、群馬県高崎市を候補地に考えているようです。

「どうやらコストコが高崎市に出店するということなので、韓ビニを出すなら、今までの店舗とはコンセプトを変えようと考えています。ラーメン専用機など設置し、その場で食べられる、フードコートのような場所を作りたいと思っています」

 ちなみに、川口と春日部、高崎と、どこも郊外ですが、物件探しは社長から任されているといいます。何かコツはあるのでしょうか。

「物件は探しても見つからなく、ほとんどフィーリングです。瞬間的に『今日探そう!』と思った時に探すと、なぜか見つかります。春日部の物件も同じように直感で決めました。ちなみに従業員のアルバイト面接も任されていていますが、従業員を決めるポイントとして『目が死んでいるか死んでいないか』の直感で決めています(笑)」

 社長から運営を任されている内山氏。横のつながりを大事にしながら、さらに韓ビニの全国展開を狙います。

<取材・文・撮影/大川藍>

【大川 藍】

ライター。スイスで滞在中にフリーランスとして目覚める。おつまみ系や占い、インテリア系も執筆中。興味のあるものならなんでも記事にしてしまう遅咲き主婦

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