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一風堂監修のとんこつラーメンスープ缶「締めの一杯にも」開発の裏側を聞く

bizSPA!フレッシュ / 2021年10月27日 8時47分

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中身を店の丼に注いでみた

 会社帰りや飲みの締めと言えばラーメンを想像する人は多いのではないだろうか。しかし、度重なる緊急事態宣言により、飲食店から足が遠ざかった人も少なくないだろう。

JR一風堂

実際のとんこつラーメンスープ

 そんな中、株式会社力の源ホールディングスが手掛けるラーメンブランド「一風堂」監修の「コクと旨味の一風堂とんこつラーメンスープ」が2021年10月12日に発売された。内容量は190g、価格150円。

 こちらは株式会社JR東日本クロスステーション ウォータービジネスカンパニーと一風堂のコラボ商品となっており、JR東日本のエキナカにあるアキュアの自販機などで購入することができる。そこで、開発の経緯などを、JR東日本クロスステーション ウォータービジネスカンパニー商品部の大河原恭子氏に聞いた。

◆ふかひれスープの売上から、思わぬ需要を

 きっかけは2018年に気仙沼産のふかひれを使用した「ふかひれスープ」を販売したことで、「締めのラーメン替わりに飲める」との声をもらったことだという。

「お客様のお声を受けて、そういったニーズがあるのか! と我々も気づきを得られ、また、アキュアの自販機で販売しているしじみの味噌汁の缶の売れ行きが、夜にかけて伸びていた。このような商品が、お酒を飲んだ後の締めとしてのニーズがあるならば、締めのラーメンの代替ではなく、ラーメンスープそのものを販売すれば需要があるのではないかと考えました」

 確かに、飲み終わりにラーメンスープは飲みたいけど、麺はお腹がいっぱいで食べられない……という時に自販機でラーメンスープが売られていたらついつい買ってしまいそうだ。

◆一風堂スープ缶を実際に飲んでみた

JR一風堂

中身を店の丼に注いでみた

 筆者も実際に飲んでみたところ、従来の一風堂のラーメンスープよりも飲みやすく、するするといけてしまった。塩味も丁度良く、確かに締めの一杯として飲みたくなる味だ。

「商品開発に当たっては、店頭で提供しているラーメンのスープをそのまま使用するのではなく、新たに塩分濃度など、細かな調整を行いました。スープだけを飲んでいただく形になるので、飲みやすさにこだわりました」

◆アレンジレシピとしてのニーズも

 さらに、スープとして飲むだけでなく、ご飯と混ぜたり、野菜炒めの調味料として使用するなど、アレンジレシピの幅もありそうだ。大河原氏も「アレンジレシピのニーズはある程度見越していました」と語る。

「2019年に麻婆スープという商品を発売したのですが、コロナ禍でおうち時間を過ごす人が増えたということで、弊社の商品を家でも楽しんでもらおうと、2020年には通販で麻婆スープを含む詰め合わせセットを販売しました。麻婆味ということで、アレンジが効くと皆様から好評をいただいたので、今回もそのようなニーズはあるだろうなと予想していました」

 ラーメンスープでの缶スープを開発するにあたり、なぜ一風堂をパートナーに選んだのだろうか?

◆とんこつラーメンと言えば一風堂

JR一風堂

おなじみの一風堂外観

「スープの味は何にしようと考えた時に、味噌味や塩味よりも、とんこつ味が一番ラーメンスープらしいだろうと思いました。缶飲料でとんこつ味というのはなかなかないし、インパクトや話題性も十分だと考え、決定しました

 次に、とんこつラーメンといえばどのお店だろう、と考えた時に、真っ先に一風堂さんが思い浮かんだんです。どうやって連絡を取ろうとあれこれ探っていたら、当時別会社だったころからご縁があることがわかりまして、それをもとにアプローチしたところ、快諾してくださいました」

 共同開発の話を持ち掛けられた時のことを、力の源ホールディングス広報担当の中村緑氏に聞いたところ「非常に驚いた」と語った。

「以前より、一風堂の店舗で『スープだけを頼みたい』という要望がお客様からありました。スープのみの販売はしておらず、その場ではお断りしたのですが、そのような要望があった中で、缶スープの開発の依頼が来たときは驚きましたし、ありがたいお話だと思いました。一風堂のスープだけの販売の機会をいただけたのは、非常に嬉しかったです」(中村氏)

◆中身はシンプルにスープのみ

 晴れて、一風堂との共同開発となったわけだが、開発の試作段階では、様々な試行錯誤があったという。味噌汁缶やコーンスープ缶などは、みそ汁の具やコーンが入っているものが一般的であるが、ラーメンのスープ缶では具材は入れないようにしたという。

「一風堂さんのスープはもともと臭みがなくて飲みやすいと思うのですが、ラーメンとしてのスープの味と、缶飲料としてのスープの味は違うはず。缶飲料として飲みやすいとんこつスープだが、具材や麺が入っていなくても飲みごたえのあるものにしなくてはいけない。そのため本来のスープをそのまま使うのではなく、新たに味の調整を重ね、塩分濃度や油の量を細かく調整し、一番良いバランスになるよう仕上げました。

 本当は具材も入れようと色々試行錯誤したのですが、結果としてスープのみに落ち着きました。玉ねぎが候補に挙がっていたのですが、試作段階で煮とろけてしまいました。他の具材も試してみたのですが、缶の底にへばりついてしまったりなどして、缶飲料に具材を入れるハードルの高さを実感しました」

◆販売時期のずれ込みが思わぬチャンスに

JR一風堂

今回話を聞いた大河原氏

 一般的にラーメンというと、男性が好んで食べるものというイメージがあるが、このラーメンスープは「ぜひ女性にも飲んでもらいたい」と大河原氏は語った。

「実際に飲んでいただいたらより実感できると思うのですが、かなり飲みやすく作られており、クリームスープのような味わいになっているのではないかと思います。ぜひとも、女性の方にもトライしていただきたいです」

◆なんと開発には2年以上の歳月をかけた

ふかひれスープ

きっかけとなった2018年発売「ふかひれスープ」(2019年撮影)

 開発に関しては、なんと2年以上の歳月をかけたという。商品によっては半年で世に出るものもあるが、これほど開発に長い期間をかけた理由として、「出せるタイミングが限られているため」と続ける。

「冷たい商品であれば、季節を考えずに発売ができるのですが、温かい商品は秋から冬にかけてしか販売ができません。なので、出したいタイミングがあっても、それまでに開発が間に合わなければ、もう1年待つことになり、結果として通常より長い期間をかけることになる。長い時間をかけたことで、満を持しての発売ができたと思っています」

 缶スープは現在、JR東日本駅構内にあるアキュアの自販機、また一風堂とアキュアのオンライン通販で販売している。ちなみに、一風堂の店舗では取り扱っていない。時短営業でラーメン店が閉まっているとき、駅のホームでこのとんこつラーメンスープを飲めば、手軽に締めの一杯を味わえるかもしれない。

<取材・文/ヤマタケ>

【ヤマタケ】

見習いライター。お笑いが生きがいで、都内のライブによく出没し、年間100本以上のライブを鑑賞。芸人のラジオが外出のお供。他にも旅行とお酒が好きで、旅行先では必ず地元の日本酒を購入。諸々よろしくお願いします。

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