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2年後「人気ランキング外」になるウエディング会場の共通点

bizSPA!フレッシュ / 2021年11月15日 15時46分

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※画像はイメージ

 新型コロナウイルスの影響で、一時期は延期や中止が多かった結婚式ですが、今年に入ってからは規模を縮小して実施するカップルが増えてきました。コロナ前の2019年と比較すると、実施率は60%ぐらいまで戻っています

結婚

※画像はイメージです(以下同じ)

 ただ、ウエディング会場選びについては、コロナ前とは違う視点が必要だというのが、ウエディング業界で30年以上活動してきた私の考えです。なぜなら、専門式場やホテルなど、日本国内にある結婚式・披露宴を行う事業者の数は2000以上ともいわれていますが、新型コロナウイルスによって、すべての式場が同じスタートラインに立ったようなものだからです。

◆コロナですべての式場が同じスタートに

 2020年3月、小中高校の臨時休校が決まり、さまざまなイベントが中止されました。その後、首都圏から全国に拡大した緊急事態宣言によって大手の式場のほとんどが一斉休業となり、まさにウエディング業界はほぼ全面停止状態でした。その後の約1年半をどのように過ごしてきたかによって、ウエディング会場の現在、未来は全く違うものになっているのです。

 緊急事態宣言がくり返されるなか、残念ながらウエディングから撤退した会社もありますが、多くの式場が初めは休業し、その後は自治体ごとの自粛・施設等の利用制限の要請に応じながら件数や規模を縮小して続けてきました。

 問題は休業中や空いてしまった時間に何をしていたか、です。私が知っているウエディング会場では「この機会を生かそう」と、スタッフに接客のロールプレイングや研修を実施していました。シェフが賄いをつくったり、お弁当を販売したりして、キッチンを止めないようにしていた所もあります。一方で業務を完全にストップしてしまったところも少なくありません。

◆ウエディング会場は何をしていた?

結婚

 また、ウエディング業界は正社員が少ないという特性があります。例えば1回の結婚式・披露宴に関わるスタッフのうち社員は1割程度で、料飲サービススタッフ、司会者、音響オペレーター、ヘアメイクアップアーティスト、着付師、花嫁の介添えをするエスコート、カメラマンなどはフリーランスであることがほとんどです。

 そうしたスペシャリストたちのフォローまでできていた式場は少なく、コロナ前と同じレベルのスタッフを集められないところもあるでしょう。

 日々の積み重ねがサービスの質、技術の向上につながると知っていたからこそ、利益が出なくても活動を続けていた会場と、休むことのリスクを理解できていなかった会場とでは、当然、ウエディングのクオリティが変わってきます

 今は参列者の人数も少ないので、スタッフの人数も少なくて済んでいます。この傾向はしばらく続くと思いますが、コロナ前の規模に戻った時に対応できない式場も出てくるのではないでしょうか。

◆久しぶりの結婚式で起こること

安東 徳子

安東徳子氏

 実際、この夏、ある会場で行われた結婚式・披露宴は、実に7か月ぶりだったそうです。長年の積み重ねがあるとは言え、7か月間ぶりの接客サービスとなれば緊張するはずです。すると、失敗したくないという意識が働くので、必要以上のことをしなくなります。笑顔をつくる余裕もなくなるかもしれません。

 例えば挙式のリハーサルの時に、新郎が新婦のベールをあげる「ベールアップ」がうまくいかなかったとします。今までなら牧師先生やまわりのスタッフが「本番ではここが引っかからないように気をつけたほうがいいですよ」と一言アドバイスしてくれたはずですが、自分の役割に精一杯でそこまで気が回らない、なんていうことも出てくるのでは? と想像してしまいます。

 ウエディング業界をはじめ、サービス業に従事する方向けの研修や講演でもよく話すのですが、ホスピタリティというのは「いらっしゃいませ。ここまで長旅でしたね」「今日は暑いですね」といった、“もうひと言”を添えられるかどうかなのです。この一言があったかは、ミシュランガイドやフォーブス・トラベルガイド・アワードのような格付けガイドでも評価基準になっているほどです。

 そして、こうしたホスピタリティを実現するために大切なのが、お客さまに対する「共感力」です。これこそ「心のゆとり」がなければ生まれないもので、ウエディングのサービスに従事する上でとても大切なのです。

◆コロナ後、会場選びでしてみたい質問

 これまでカップルがウエディング会場を選ぶ際の基準は、立地、会場の雰囲気、料理、スタッフの接客態度、費用などでしたが、この中でクオリティの差が出るのはスタッフ、サービス、雰囲気という目に見えない部分になります。

 すぐには変わらないと思いますが、これまで人気ランキングの上位にいたウエディング会場が2年後、3年後にはランキング外になる可能性もあるかもしれません。その逆も然りです。

 では、今後はどうやって式場を選べばいいかというと、やはり見学してみることだと思います。玄関で出迎えてくれたか、料理の試食会のサービスはスムーズだったか、スタッフの笑顔は自然だったかなど、ゲストの目線でチェックしてみるといいでしょう。

 クチコミも最近のものは全部読んだほうがいいと思います。2020年2月以前の評価やクチコミは役に立ちません。思い切ってスタッフに「2020年3月以降、休業期間中はどのように過ごされていたんですか?」と聞いてしまうのも1つかもしれません。さすがに「自宅待機して家にこもっていました」とは言わないと思いますが、具体的に答えられるかどうかもジャッジの1つになります。

◆コロナ後も人気が続く結婚式場とは?

結婚

 結婚式に関わるスタッフには、新たな力も求められます。東京都の場合、コロナ前の披露宴は60~70人規模が主流でしたが、今は20人規模が中心。ゲストは家族や親戚、ごく親しい友人のみとなるため、披露宴はよりパーソナルなものとなり、家族に近い立場での対応が必要です。

 例えば今まではBGMと言えばハッピーな曲が選曲されていましたが、その家族がいつもカラオケで歌っていた思い出の曲をかけるほうが喜ばれるかもしれません。写真撮影もゲストをまんべんなく撮ることが重視されていましたが、今の披露宴では新婦のおじいちゃんの笑顔の写真が1枚あるほうが喜ばれるかもしれないのです。

 このように、今後はその家族のストーリーや関係性、価値観まで理解したサービスを提供できるウエディング会場が求められていくでしょう。これまでも新郎新婦やご家族、ゲストに「寄り添う」という言葉がよく使われてきましたが、まさにその姿勢が必要となり、人間力まで問われていくと思います。これまでブライダルの専門学校や会社の研修で学んできたルール、しきたりだけでは通用しません。

 コロナでウエディング業界は大きな打撃を受けましたが、成長する機会になるという期待もあります。厳しい状況は続きますが、このピンチをしっかりと活かせた結婚式場が評価されることを願っています。

<TEXT/ウエディング研究家 安東徳子>

【安東徳子】

株式会社エスプレシーボ・コム代表取締役、日本ホスピタリエ協会代表理事。独自に構築した「エモーショナル・コミュニケーションメソッド」をもとに、ウエディング業界を中心とした、サービス業界のコンサルティング事業を行い、実績多数。現在は婚活をサポートする事業、結婚と仕事を両立させるキャリアデザインセミナーも実施。著書に『ハネムーンでしかできない10のこと』『世界・ブライダルの基本』(監修)

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