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伝説の『電波少年』東大一直線、34歳で大学合格を果たした坂本ちゃん「衝撃的だった出会い」

bizSPA!フレッシュ / 2021年12月4日 15時46分

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タレント・坂本ちゃん

 2000年、『進ぬ!電波少年』(日本テレビ系)の企画「電波少年的東大一直線」で一躍大ブレイクしたタレント・坂本ちゃん(55歳・@sakamotochan)。

坂本ちゃん

タレント・坂本ちゃん

 今年2021年3月には『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)のコーナー企画に出演。以降もしばしば同番組に出演するなど、元気な姿を見せています。あれから20年超。「父親は大嫌いで、母親とは絶縁した」という坂本ちゃんが、オーディションに呼ばれた時のエピソードや、ケイコ先生との出会いなどを振り返りながら、今思うことを語ってくれました。

◆家でも学校でも、他人の顔色を伺う子供だった

――今年55歳。30歳を過ぎた遅咲きのブレイクでしたが、そもそもなぜ芸能界に入ろうと思ったのでしょうか。

坂本ちゃん:小学校3年生、9歳の時にタレントになろうと思ったんです。私は本当に地味で、学校に友達はいないし、家でも男ばかり三人兄弟の真ん中の目立たない存在。いつもうつむいて下を向いているタイプだったんですね。

 そんな生活のなかで、当時のテレビが、すごくキラキラして見えて。その時、自分もその世界に入りたい、テレビに出たら、皆私にちょっと注目してくれるんじゃないかな? という思いがありました。多分現実から逃避したいっていう気持ちもあって……。

 でも、どうしたらなれるかわからない。そこで毎日毎日、神様にお祈りしていました。他には何も望みませんので、タレントにしてくださいって。そうしましたら、20数年かかったんですけれど、なれまして。私、時間はかかるんですけど、思ったとおりになってるんですよ、人生が。

◆トヨエツがきっかけで劇団に

坂本ちゃん

――とはいえ、お祈りばかりしていてもタレントにはなれませんよね。お笑いタレントという方向は、いつ決まったのでしょう?

坂本ちゃん:まず、劇団に入りました。豊川悦司さん(トヨエツ)の映画『きらきらひかる』(1992年公開)を見て、役者さんに憧れて。豊川さんが劇団3○○(さんじゅうまる)に入ってたっていうのを知って、同じ行動をしようと思いまして。東京に出てきて、小さい劇団の門を叩いていたんです。

 劇団募集に落ちる日が続くなか、ぴょんと入れたところで、1年間活動しました。そこは年に1回本公演がありまして、それ以外は劇団員でコンビを組んでネタを作って、お笑いのライブに出るっていう方針だったんです。

 みんなで青春っぽくやるのは楽しかったんですけれど、ここにいても次の展開はないなって思っている時に、相方だった添野豪くんから一緒に芸能事務所をまわらないかと誘ってもらって。1年で劇団をやめて、事務所まわりをするなかで、最後の最後に浅井企画さんに拾っていただきました。

◆人生を変えた電波少年のオーディション

坂本ちゃん

――『電波少年』出演の経緯を教えてください。

坂本ちゃん:ある日、「日本テレビの新番組のオーディションがあるから、お前ら行って来い」って言われて。詳しいことは何も知らされずに行ったら、大きな会議室にものすごい人数の方がいて。最初知能テストを受けさせられたんですよ。

――その時はまだ、「東大一直線」のオーディションだとはわかっていない。

坂本ちゃん:わかってないんです!『電波少年』って、ほんとガチで(笑)。

 何のオーディションかわからないまま何回か呼ばれて、最後の面接の時に土屋さん(『電波少年』を手がけた土屋敏男プロデューサー)たちがいらして。その後、『電波少年』の前説を3回させていただきました。当時はそこでお客さんの反応をみるっていうのがあって。

 それでまたしばらく経った頃、マネージャーさんに、日光江戸村で幽霊の格好をしてチラシを配る仕事があるから行って来いって言われて。行って仕事をして夜宿泊先で寝て、翌日トイレに入りましたら、トイレごとクレーンで持って行かれまして、気がついたら四谷のマンションでした。部屋には家庭教師として東大出身のケイコ先生(唐木恵子。現・春野恵子)がいらっしゃって、それからがスタートでしたね。

◆人生は、マイナスがプラスになる瞬間がくる

坂本ちゃん

――最初企画内容を聞いたとき、どう思いましたか?

坂本ちゃん:土屋さんが「東大目指してください」っておっしゃられた時、運命がガラッと音をたてて変わるのを肌で感じました。「小学校3年生の時にタレントになりたいって思ったものが、いよいよ始まるんだ」って。

――そして「東大一直線」に挑戦しましたが、もともとは大学受験に失敗して、高校卒業後プラプラしていたとか。

坂本ちゃん:日本大学の附属高校に通っていたんですが、大学進学のための試験に落ちて、一般入試でも落ちまして……。あの時大学生になっていましたら、電波少年のオーディションというチャンスもなかった。オーディションは、「高卒」が条件だったんです。ですから、それまでマイナスだったようなことも、時が経てばプラスに変わるタイミングがくる。人生はおもしろいですね。

◆「幸せでしかなかった」受験生活

坂本ちゃん

――大学受験をもう一度するということに対して、何か思いはありましたか。

坂本ちゃん:正直、「東大」はさすがに無理だなとは思いました。一方で、電波少年っていう番組は、当時若手にとってものすごいチャンスがある番組だったんですね。ですから、やっとまわって来たチャンスを、なんとかものにしようというギラギラ感が大きかったです。

「よく耐えられましたね」って言われるんですけど、その部屋が快適だったんですよ! 上京して貧乏生活で、当時住んでいたのは6畳一間でお風呂もエアコンもないような部屋だったので。企画の間はお風呂に入れるし、エアコンは快適だし。テストをクリアしないとご飯を食べられないという制約はあったんですけれど。だからね、幸せでしかなかったんです。

◆人生は受け身。性癖はどM

坂本ちゃん

――“マイナス”になった時、大事にしていることはありますか?

坂本ちゃん:わたくし、基本、人生受け身なんですね。受け身で、性癖がどMなんですよ(笑)。だから、マイナスの状態でも、楽しめる自分がいるんです。

 例えば、友達がいない中学校生活でも、3年経つと高校生になって周りの環境ががらりと変わる。それなら3年我慢してみようと考えるタイプでした。アルバイトでも、18時になったら終わるから、その後は自分の時間を楽しめるぞって。この受験企画も必ず終わりはくると思えば、楽しめましたね。どうせ同じ時間を過ごすなら、波に乗っちゃえ! みたいな。

 仕事が途切れてきたなっていう時にも、人が離れていくようなことが起こると、辛い一方で、ちょっとおもしろさがあって。だって、なかなか経験できないじゃないですか。

――人との出会いも大きいですよね。

坂本ちゃん:そうですね。添野くん、事務所やマネージャーさんとの出会い、土屋さん……。要所要所で、知らないうちに導いてくださる人が現れるんです。

◆衝撃だったケイコ先生との「出会い」

坂本ちゃん

――ブログには、番組が終わってもケイコ先生と交流している様子が記されています。

坂本ちゃん:ケイコ先生は浪曲師として、今拠点を大阪に置いているのでなかなか会えないんですけど、「もう家族のようなもの」っておっしゃってくださっていて。本当の家族はお金関係で揉めちゃって全然会ってないんですけど、私にもちゃんと「家族」ができてるんだって……。

――ケイコ先生、厳しくなかったですか。

坂本ちゃん:東大出身の方っていうのは、目標を決めると一直線なんだということを、ケイコ先生と接することで感じました。私はたどり着くまでが長くて……。

 ほんと、簡単な計算でも指を使わないとできないようなレベルだったんですよ。東大出の人がそういう人を教えることになって、彼女も困ったんでしょうけど、自分も困りました(笑)。だから、怖かったんですけど、途中から話し合って、自分の意見も伝えて。……初めてでした、人に対して自分の意見をぶつけるっていうのは。

◆いろんなことを教わった「恩師です」

坂本ちゃん

坂本ちゃん:それまでは学校でも家でも周囲の顔色をうかがって、ビクビクして生きてるような人間だったので、自分の考えを言えなかったんですね。でも彼女と初めてケンカをして、腹を割って自分の考えを言った時に、わかっていただけて。

 その時もう30歳過ぎていて、遅いかもしれないんですけど、この<ちゃんと人と意見をぶつけ合う>という経験によって、自分のことを理解しようとしてくれる人もいるのを知りました。自分が意見を言えるということ、聞いてくれる人がいるということがとにかく衝撃的でしたね。

――どんなことを話し合ったのでしょう。

坂本ちゃん:勉強方針についてだったと思います。詰め込みすぎでキツいとか、自分の能力は自分でわかるから、もう少し緩くしてほしいというようなことだったと思いますね。

 人に自分の状況や考えを説明して、理解してもらう。この体験がなければ、ずっとそういうことができないままの人になっていたかもしれないと思うと、自分のなかでは本当に大きな出来事でした。彼女と出会うことで、知識だけじゃなく、いろんなことを教わりました。恩師です。彼女にまたいつかちゃんと認めてもらいたいという思いで、活動している部分もあります。

 そういう方と出会えるって、すごいですよね。感謝しています。

<取材・文/吉河未布 撮影/長谷英史>

【坂本ちゃん】
1966年、山梨県生まれ。1999年、お笑いコンビ「アルカリ三世」結成。『進ぬ!電波少年』の企画「東大一直線」でブレイクし、8校に合格して日本大学に入学。現在は新宿ゴールデン街のシャンソンバー「ソワレ」に週一出勤&個展を開催するなど精力的に活動中。オフィシャルブログ「人差し指に似てると言われます。」も更新中
Twitter:@sakamotochan

【吉河未布】

編集者・ライター。ネットの海の端っこに生きています。気になったものは根掘り葉掘り

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