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ボルボ初の電気自動車が日本登場「月1〜2回の充電でいい。スマホより楽」

bizSPA!フレッシュ / 2021年12月5日 8時47分

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2025年以降、日本市場のEV化は加速していくという

 2020年10月に「2050年カーボンニュートラル宣言」を発表した日本政府は、脱炭素化に向けた取り組みを進めている。その重点対策のひとつとして掲げられているのが「ゼロカーボン・ドライブ」だ

 再エネ電力と電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV)を活用することで、移動時の脱炭素化を目指す。日本全体が、車の「電動化」に舵を切っている。

ボルボ

ボルボ初の電気自動車専用モデル「C40 Recharge」

 そんな状況下、日本に新たな電気自動車(EV)が登場した。高級外車で知られるボルボの「C40 Recharge(C40)」だ。ボルボ初の電気自動車専用モデルで、日本初導入でもある。ユーザーの利便性を考慮し、オンラインのみの販売となっているのも話題だ。価格は719万円。

◆2030年までに電気自動車を構成比100%に

「我々は、プレミアムEV市場で先導的なポジションを取っていくことを目指しています」

 そう話すのは、ボルボの日本法人、ボルボ・カー・ジャパンの代表取締役社長マーティン・パーソン氏。ボルボは現在、電気自動車モデルの展開に注力している。全世界で販売するボルボ車の電気自動車構成比率を、2025年までに50%、2030年までには100%にするという目標を掲げている。

 日本国内では、2025年までにEV販売比率35%、EV販売数は約9,000台が目標値だ。C40は、ボルボが日本市場で拡販を行う上での“布石”となる。

◆1回のフル充電で約485kmの走行が可能

ボルボ

車内のインテリアに使用されたカーペット素材は、100%リサイクル素材を使用

 C40は、前輪と後輪にひとつずつ電気モーターを搭載。最高出力300kW、最大トルク660Nmとなっている。駆動用リチウムイオンバッテリーの総電力量は78kWh で、1回のフル充電で走行できる距離は約485キロ。150kWの急速充電器を利用すれば、約40分でゼロから80%まで充電できる

「日本のドライバーの月間平均走行距離が500~600キロというのを考えれば、月に1~2回チャージすればいいだけ。iPhoneのように毎晩充電しないといけないわけではありません。慣れてくれば、思うほど大変なことではないと思います」(マーティン氏、以下同)

◆Googleと共同開発したシステムを採用

ボルボ

ボルボ スタジオ 青山外観。欧州ではすでに車のオンライン販売が広まっているという

 また、Googleと共同開発した新たなインフォテイメント・システム(情報通信システム)を採用。Googleアシスタントによる音声操作を行えるため、ドライバーは運転に集中したまま、音声でさまざまな機能をコントロールできる

 車内の内装は、ボルボとしては初の試みとなる「レザーフリーインテリア」を実現。動物福祉のための倫理的な立場を表明しているボルボは、C40を皮切りに今後すべての電気自動車をレザーフリーにするという。

「欧州ではすでに『人や社会、環境に配慮された“エシカル”な製品を使わないといけない』というのがトレンドとして高まっています。日本にもいずれ、その流れが来ると思います」

◆オンライン販売で消費者のニーズに対応

 C40の販売は、2022年1月からスタートする予定。販売はすべてオンラインで行われる。また、ボルボが今後販売するすべての電気自動車は、全世界でオンライン販売のみとなる。

「消費者の需要がオンラインにあるからです。以前はショールームに平均3回も足を運んで購入を決めていましたが、今では平均1回の来店で決めてしまう。それは、オンラインで吟味して、購入を決めてからディーラーに足を運ぶというパターンが多いからです。だから自然な流れとして、最後の購入までオンラインで行えるようにしました」

 とはいえ、ディーラーが不要になるわけではない。購入まではオンラインで行うことになるが、試乗、契約、納車、整備などの重要なサービスはディーラーが引き続き担っていく。「もちろんそうした販売形態には、ディーラー側の理解も得ている」と、マーティン氏。

「ディーラーの皆様とは、ずいぶん前から対話を重ねました。私たちの意図をきちんと説明して、彼らの懸念を吸い上げるように聞いていく。これを何度も重ねていったことで、今ではディーラーの皆様が安心してこの取り組みに参画いただいています」

 オンラインとオフラインを“シームレス”に統合し、新たな販売形態を築くことで、消費者のニーズやライフスタイルの変化に対応していく考えだ。

◆他社と協力関係を構築してEVを普及

マーティン

「若い世代にはデジタル広告などを通じて訴求していく」とマーティン氏

 しかし、日本は欧州や米国、中国に比べて“充電インフラ”が整っていない。地図データのゼンリンの昨年調査では、2012年度以降、国内の電気自動車の充電器の設置数が初めて減少に転じている。採算が合わず、設置契約の満期に伴い撤去されたのだ

 マーティン氏も「日本ではチャージが最大のボトルネックになりかねません」と話す。

「たとえば、テスラのように自前で充電ネットワークを構築することはしません。むしろ他社と協力関係を築いていくなかで、パブリックなチャージを充実していく。もちろん、ディーラー側にもチャージを用意する予定です。周囲からは、テスラをはじめとしたほかの電気自動車専用ブランドと“競合関係”にあると思われがちです。しかし、決して競合しているわけではありません」

 むしろいまは「他社と協力しながら、EV車の市場を広げていく段階にある」と考えている。

◆サブスク体験企画には5倍超の応募が

 また日本では、電気自動車を体験する機会が少ないという問題もある。とくに近年は、どのような“モノ”を購入するかより、購入したモノやサービスで、どのような“コト”を経験・体験できるかが重視されている。とくに若者の消費行動は、そうした“コト消費”の傾向が顕著だ。

11月18日からは100台限定のサブスクリプションキャンペーンを実施し、すでに半数近い申込みがあります(※現在は終了。最終的な応募は575件)。それに若い人たちに電気自動車を体験してもらう場の提供も、もちろんやりたいです。ボルボ・カー・ジャパン自体は小さい会社なので、限界があるかもしれませんが、試乗の面でも他社と協力しながら機会を設けていきたいと思っています」

 先述した通り、ボルボは2030年までに全世界で販売するすべての車を電気自動車にするとしている。が、それはあくまで段階的なものだ。

「販売しているすべての車を、いきなり“100%EV化”するという話ではありません。2030年までの間にも、ガソリン車やハイブリッド車の需要はあると思います。しかし2030年までには、お客様のEV需要は自然と高まってくると目論んでいます

◆日本のEV市場は急成長のカーブを描く

ボルボ

2025年以降、日本市場のEV化は加速していくという

 2030年までに、消費者のEVを求める声が高まっていく――。マーティン氏がそう話すのには、理由がある。

「私も経験しているのですが、1回でもEVを運転するとほかの車には戻れなくなる。いまはPHEVの売り上げシェアが大きいですが、電気とモーターで走る経験をしているお客様は自然とEVに移っていくのではないかと思います。日本はEVに関して遅れをとっている部分がある。ただ、成長曲線で言えば、これから急成長のカーブを描くんじゃないかと思っています

 今後は1年に1車種のペースで新しい電気自動車専用モデルを投入していく予定。プレミアムEV市場をけん引するボルボの動向に、今後も注目だ。

<取材・文・撮影/新妻 翔>

【新妻 翔】

フリーライター。1990年生まれ。埼玉県出身・赤羽在住。鉄鋼業界専門紙とスポーツ専門のフリーペーパーで広告営業を経験後、フリーランスに。Twitter:@niitsu57

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