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「評価してもらえるとうれしい」“地元じゃ当たり前の食材”に光を 東京から新潟の山里に移住した41歳が目指す“田舎ビジネス”

BSN新潟放送 / 2024年7月15日 6時30分

BSN

新潟に暮らす移住者たちを追った『Nターンズ』。
今回紹介するのは、阿賀町で地域の食材を生かした特産品づくりを行う男性です。地域を元気にする“田舎ビジネス”とは?

「こんにちは!いらっしゃいませ!」
阿賀町でパンとおやつの店「奥阿賀コンビリー」を営む柳沼陽介さん(41)です。

「コンビリーは、阿賀町の方言で『おやつ』のことなんですね。“こんびり”とか言ったりするんですけど、地域の素材を使って、パンとかお菓子とかカフェメニューを作っているお店です」

阿賀町津川の商店街に店を構えて8年。
今や、まちを代表する人気店です。

客は
「必ず帰りに…食パンもすごく美味しい!大好き」
「こういう素敵なお店があるから行ってみたい!津川に行こう!ってなって、今回来たようなものなので…」

柳沼さんはもともと東京の果物専門店「千疋屋」で働いていました。
営業で全国をまわるうち、「地域にあるものを活用した『田舎ビジネス』がしたい!」と夢を抱き、独立しました。

柳沼陽介さん
「中山間地とか、田舎の良さみたいなのを感じて好きで、心豊かに暮らしたくて移住したわけで、その価値を商品に落とし込んで…」

柳沼さんは、なぜ移住先に阿賀町を選んだのか…
そこにある食材との出会いがありました。

「いつも、いつも、いつも…くるみでお世話になっております」

柳沼さんが地元の人たちに収穫をお願いしているのが、阿賀町に自生する『鬼ぐるみ』。昔からどの家庭でも食べられている保存食です。

鬼ぐるみを収穫する井上勝雄さん(83)
「家で食べるだけだから、一日行って拾って…昔から正月に食べるもんだったんさ、だから売るなんて考えなかったからよ」

鬼ぐるみは食べられる部分が少なく、加工に向いていないこともあり、市場にはほとんど流通していません。その希少性、そしてなによりも美味しさに、柳沼さんは目をつけました。

柳沼陽介さん
「こんなに自然に、天然に、山のくるみが豊富にあって、これがちゃんと流通するように整えることができれば、すごくチャンスもある」

地域資源を活かした特産品づくりで、まちを元気に!
柳沼さんは阿賀町でのチャレンジを決意し、地域の人と一緒に商品化に取り組むことにしました。今では50人ほどの協力者がいて、地域に仕事もできました。

鬼ぐるみを収穫する井上勝雄さん(83)
「人の役に立ってるなんて考えてないけど、やっぱり好きだからよ」

柳沼陽介さん
「うん、好きなんですね」

まだ知られていない“山の宝”を発掘し、消費者へ届けようと、柳沼さんは地域商社も営んでいます。

柳沼陽介さん
「山の達人、井上里司さんです。(山菜は)地元じゃ当たり前ですからね。里司さんは、みんなも知ってるわけですよ、何が宝か。なので、阿賀町のものを中心に、いろいろ持っていって売ってみようと」

山菜採り名人 井上里司さん(73)
「山菜採りだったら、なんぼでも!」

山菜のお届け先は、東京都足立区。

柳沼陽介さん
「私がきのう採ってきた山菜…」

タラの芽やこごみは、珍しいようで…

客は
「今日の朝、こういうの売ってるとこないよな…って考えてたんです。私、考えると巡り会えるんですよ。やった!」

柳沼陽介さん
「今は山菜で、秋にはキノコとかもありますんで、天然舞茸とか…」

オーガニック食品店 店主
「ぜひぜひ」

阿賀町の地酒も売り込む柳沼さん。

「待ってました!」

その営業力で、阿賀町ファンがどんどん増えています。

居酒屋みかく 石堂弘美さん
「新潟を広めたい人なんだろうなっていうね。わらびや山菜を持ってくるとか。新潟のお店、パン屋さんに行っても、いろんなもんが置いてあるから、そういう感じ…新潟を広めたい人なんだなって。新潟は、うちの田舎なので、私達も応援できればいいなっていうのは思ってます。足立区も元気をもらってると思います」

柳沼陽介さん
「こういった阿賀町のものを持ってきて評価してくれてるの見ると、すごくうれしいですよね。喜んでもらえてね、応援する!っていう、その気持ちがうれしいですね」

柳沼さんは、妻の実家がある足立区西新井に新たな店も構えました。阿賀町と東京を往復するつかの間、家族と過ごす癒しの時間です。

娘のりほちゃんに聞きました。どんなパパですか?

長女・柳沼莉帆ちゃん(7)
「お酒を飲んでデブになって、ただ寝るだけだから」

柳沼陽介さん(41)
「寂しいときもありますけど楽しんで、お互い行ったり来たりしてやってます」

この日は、阿賀町で特産品の買い付けです。

山崎糀屋 小森田智哉社長
「“塩”って思ってもらえれば。塩麹じゃなくて”塩”」

柳沼陽介さん
「塩の代わりに、全部置き換えていいですよっていうね」

「冷蔵庫がない時の塩麹、瓶に作っておいて何年も置いておくのよ」

地域の自然や歴史が育んできた食材に光をあて、地域みんなで稼ぐ!
柳沼さんが目指す田舎ビジネスが、一歩一歩進んでいます。

柳沼陽介さん
「地域が元気になるような背景を持つ商品を、積極的に購入したいと思ってくれる人たちはすごく広がってると思ってます。そういう人たちに、阿賀町の素材の価値とか、そういう風土も込みでいろんな地域に伝えられれば面白いなと思っています」

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