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世界遺産登録決定の『佐渡島の金山』水面下で行われてきた日本政府と韓国政府との「調整」

BSN新潟放送 / 2024年7月30日 15時0分

BSN

世界文化遺産登録が決定した『佐渡島の金山』。
登録に向けて水面下では、日本政府と韓国政府との調整が続いていました。
ユネスコの諮問機関・イコモスと韓国が求めていた「全体の歴史の反映」について、日韓両国はどう折り合いをつけたのでしょうか?

28日から相川郷土博物館では、「鉱山の“全体”の歴史」の展示が始まっています。

「朝鮮半島出身労働者は、削岩・支柱・運搬などの危険な坑内作業に従事した者の割合が高かった」

朝鮮半島出身者が働いていた時期を含めた鉱山の「全体の歴史」では、朝鮮半島出身者の過酷な労働環境や生活ぶりが分かる資料などが展示されています。

【来館者】
「こういう状況でこの鉱山で働いていたっていうのが結構詳しく分かりますから、そういう意味では掲示はいいのかなと」

こうした展示は、ユネスコの諮問機関・イコモスが「追加的勧告」のなかで求めていたものです。

「全体の歴史を現場レベルで包括的に扱う説明・展示戦略を策定し、施設・設備等を整えること」

韓国政府は『佐渡島の金山』で、戦時中に朝鮮半島出身者の“強制労働”があったとして、登録に反発してきた経緯があります。

「全体の歴史の反映」は韓国が強く求めていたことで、世界遺産委員会委員国の一つである、韓国の賛成を得るためのポイントとみられていました。

【尹德敏(ユン・ドクミン)駐日韓国特命全権大使】※新潟県庁にて、4月
「立派なところもあるんですけれども、マイナスの歴史もあるわけですから、全体の歴史をなんとか表示できるような形でやる必要があるんじゃないか」

日本政府は、世界遺産に推薦した戦国時代から江戸時代までの範囲には朝鮮半島出身者は働いていなかったとして、朝鮮半島出身者の労働は「文化遺産の価値とは別の問題」との認識を示してきました。

しかし、両国は水面下で綿密な調整を進めてきたとみられています。
政府関係者からはこんな発言が聞かれました。

「韓国側の理解は得られた」

そして…
【世界遺産委員会】「コングラチュレーション。ジャパン」
【韓国団スピーチ】「日本が展示資料を設置した行動を歓迎し、大韓民国内で移転約束を履行できないという憂慮を払しょくさせるのに役立ちます」

日本政府は「全体の歴史の反映」に関連して、全ての労働者のための追悼行事を、毎年佐渡で執り行うことも表明しました。

【外務省担当者】
「韓国を含む国際社会に対して、この世界遺産の価値を一生懸命、理解していただけるように、政府一丸となって、そして地元の方々と緊密に協力しながら引き続き努力してまいりたいと思います」

一方相川郷土博物館の展示には“強制労働”という文言はどこにも見当たりません。

地元・佐渡市で、朝鮮半島出身者の労働を巡る問題を長年研究してきた小杉邦男さん(86歳)は、世界遺産の登録に理解を示しつつも、展示に“強制”という文言がないことについて…
「本来書くべきだと思うよね。大変だったんだろうという思いがするだけで、連れていかれたのか、強制かどうかなんて、そこまで思いは及ばないよね」

また韓国の最大野党『共に民主党』は27日、「日本に先祖の辛い歴史を売り渡した外交惨事。必ず責任を問う」と尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権を批判しています。

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