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「勝利へのこだわりを持てた分、さらに上に」初タイトル狙うアルビレックス新潟L 滝川結女選手が目指す2桁ゴール、その先に… 

BSN新潟放送 / 2024年9月1日 5時0分

BSN

「WEリーグ クラシエカップ」が8月31日から始まり、WEリーグの2024-2025シーズンがスタートする。
昨季はリーグ戦を過去最高の4位で終えたアルビレックス新潟レディースは、悲願のタイトル獲得を目指す。その中で鍵となるのが“決定力”だ。昨季、チーム最多のリーグ戦5ゴールを挙げた滝川結女選手(25)に今季の展望を聞いた。

新たなサッカーで“大きく成長できた”2023-24シーズン

身長153cmと小柄ながら、俊敏な動きと思い切りのいいシュートでチャンスを作る滝川選手。得点もさることながら、昨シーズン際立ったのは“前線からの守備”だ。

「守備の部分は課題ですね。1対1の対応などはまだまだ自分の足りない部分なので、改善していきたいと思います。昨シーズンはサイドハーフでプレーすることが多かったのですが、本当に『狙える』『行ける』と思ったところ…“嗅覚”じゃないですけど、前線から守備することができました。前線で奪い切ればゴールに近いというのもあるので、本当に“嗅覚”でやっています」


2023‐24シーズンから橋川和晃監督が就任したアルビレックス新潟レディースには、ボールを繋ぎ、選手が自分たちで考えながら相手ゴールに迫るサッカーが根付きつつある。自分は今、行くタイミングなのか? それとも味方を使った方がいいのか? その判断について、滝川選手は昨季、一番大きく成長できたのではないかと振り返る。

「日々のトレーニングの中でも、パスの質や左右どちらの足にパスを出すのか、味方が走るタイミングに自分が合わせにいくのかなど、本当に細かい部分について監督が1回1回プレーを止めてアドバイスしてくれます。『今のはこっちだよね』とか『今は、このタイミングだよね』とか。こういう形のトレーニングはあまり今までもやってきていなかったので、考えが磨かれていきますね」

手ごたえを感じた昨シーズン ただ“トップ3”との差は…

アルビレックス新潟レディースは2023−24シーズンのリーグ戦の成績が13勝2分7敗で12チーム中4位。橋川監督が就任し、タイトルが見えたシーズンだった。

ただ、3位の日テレ・東京ベレーザとは勝ち点差が6、優勝した三菱重工浦和レッズレディースとは勝ち点差16と大きく離された。

さらに得失点差を見ると、上位4チームは失点数はそこまで大きく変わらないものの、優勝した三菱重工浦和Lは+38、2位のINAC神戸レオネッサは+27、日テレ・東京ヴェルディベレーザは+29なのに対し、新潟Lは+8となっている。

滝川選手は“トップ3”のチーム(=INAC神戸レオネッサ、三菱重工浦和レッズレディース、日テレ・東京ヴェルディベレーザ)との「決定力の差」を痛感したシーズンだったという。

「トップ3のチームは、少ししかないチャンスでも絶対にものにしてきます。本当に1人1人のレベルがすごく高くて、ボールをつなげるし、ゴール前まで行けるというのもありますが、少ないチャンスでも絶対に掴み切るからこそ、得点力が圧倒的に違いましたし、私たちもそこが課題だと思っていたんですけど…」

”決めきる力”を求めて…

チームで戦術的に相手を攻略するだけではなく、個人でもレベルアップを。そんな滝川選手が昨シーズンから意識的に取り組んできたことが、”筋トレ”だ。

「自分自身、やっぱり背が小さいということものあるので、大きな体の選手に負けないように下半身を強くして、相手よりも一歩早く出るところは意識してトレーニングしていました」


相手よりも一歩早くボールに絡んだり、守備ラインの裏に抜けたり、ドリブルを仕掛けたり… 滝川選手の積極的な動きがさらに輝きを増したのは、普段の筋トレのおかげだったのかもしれない。

さらに昨シーズンはペナルティーエリアの外側からも積極的にゴールを狙う姿勢も目立った。滝川選手は「“感覚”というか、“嗅覚”というか… 無意識の部分でもありますけど」と笑顔で言葉を続けた。

「ペナルティーエリアの外からも狙えて、ゴールの枠に飛ばすことができるということは、自分の中でも成長出来ている部分かなというふうに思っています。ペナルティーエリア内で勝負することは得点を上げるには当然必要なことですが、守備にあうことも多いので、ペナルティーエリアの外からもシュートを打つ、狙う。それを決めきるということは、より重要になってくると思います」

周りに恵まれたサッカー人生の中で…

5つ上の兄がサッカーをしていたことから、自分もサッカーを始めたという滝川選手。小さい頃から前線のプレ―ヤーだったそうで、守備をするよりも、自分が点を取って、相手を抜いて、というのが好きだったという。

そんな滝川選手の意識が変わったのが、高校女子サッカーの強豪・常盤木学園高校への進学だった。

「1年生の時は部員が70人ぐらいいて、すごく多かったです。1年生は練習についていくのに必死でしたが、その中でもチャレンジリーグ(当時のなでしこリーグ3部相当)があり、試合に絡むために練習の中でどれだけアピールできるかという、毎日がアピールの場でした。そこで、一段成長できたんじゃないかなと思います」

2年生になりレギュラーポジションをつかむと芽生えたのは、“周りを活かすプレー”。さらに、3年生になり「どうやったら勝てるか」と、勝利への執念を学んだ滝川選手は、高校卒業後にAC長野パルセイロ・レディースに加入。

「何度も壁にぶつかった」という苦しい時期を乗り越えられたのは「常に周りに恵まれてきたから成長できた」と感謝する。

「長野時代は横山久美さんにいろいろ教えてもらったり、新潟に来て1年目はなかなか上手くいかなかったりしましたが、そこでめぐさん(上尾野辺めぐみ選手)が自分の課題点を教えてくれたりだとか、一緒に練習に付き合ってくれたりとか。本当に周りに恵まれてきたサッカー人生だなあと思っています」

「もう結女ちゃんではなくて…」

今季、副キャプテンに就任した滝川選手。今度は、自分が若い選手たちにアドバイスする立場へと変わっている。

「監督からも『もう結女ちゃんじゃなくて、もう自分が教える立場だったり、若い子たちを育てていく立場というのも自覚を持ちなさい』と言われています。もう25歳になりますし、やっぱり次は自分が若い子たちが成長できる場を作ってあげたりとか、自分が感じたことを伝えてあげたりとか、そういうことは練習中も意識してやっています」

トレーニングの取材中も、若手選手にアドバイスをする姿を多く見るようになった。
自分自身が周りに支えられてきたからこそ、経験を若い選手に伝えたい― 
そんな意識と覚悟が垣間見えた瞬間なのかもしれない。

「ベテランがいるチームはすごく大事だと思いますが、そのベテランを追い越していくような若い子が出てこなきゃいけないなと思っています。自分自身ももちろんそうですが。もっともっと若い子が“突き上げる”じゃないですけど、チームを引っ張っていくことも大事だと思います。自分自身は今シーズン、そういう覚悟でやっていきたいなと思います」

今季は2桁ゴールを目指して

先日、J1アルビレックス新潟の試合で、WEリーグをPRするチラシ配りをした際、多くのサポーターから声を掛けられたという滝川選手。

「『今年も応援してるよ!』だったり、『今年こそ2桁ゴール行ってください』とたくさんの人から言われて…その期待に応えたいなというふうに思いますね。2桁得点という目標は高いですけど、ただ昨シーズンは5ゴールでしたが、それ以上のチャンスはたくさんありました。自分自身の、最後の“決めきる力”がないというのを痛感したリーグ戦だったので…」

悔しさをにじませながらも、まっすぐ前を見つめ、こう話した。

「ほんっっとに、その決めきる力というのを、めちゃめちゃ練習している部分なので。今年はサイドよりもトップ下やトップとしてプレーすることが多くなるんじゃないかなと思います。ゴールに近いポジションなので、チャンスは絶対たくさん来ると思いますし、そこを本当に決めきれるようになれば、もう一段階、上にもいけるんじゃないかなと思うので、乗り越えたいなと思います」

そして、2桁ゴールの先には、滝川選手の夢が広がる。

「やっぱり日本女子代表(=なでしこジャパン)に入りたいですよね。そこを目標にしていて、その先に代表定着だったり、国際大会に出るということを目指しているので、そこはぶれずにやっていきたいと思います」


昨シーズン、チームが目指したタイトルには届かなかった。
「本当にあと少しという所まで行っていただけに、すごく悔しい想いをしたシーズンだった」と話した滝川選手。

「勝利へのこだわりを持てた分、今シーズンはもっともっと本当に、上に行きたいと思いますし、個人としては皆さんが期待してくれているように2桁得点を絶対にとって終わりたいと思います」

決意を胸に迎える新たなシーズン。
アルビレックス新潟レディースというクラブにタイトルをもたらすことができるのか。長い戦いがいよいよ幕を開ける。

◇滝川結女(たきかわ・ゆめ)選手
 1999年8月31日生まれ・三重県出身。身長153cm、利き足は右。ニックネームはゆめ、ゆめどん。得意なプレーは「カットインからのシュート」「ゴリゴリのドリブル」。昨季のリーグ戦では5得点でチーム内トップ。

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