上越市 中川幹太市長の不信任決議案 議員の判断は『否決』 市民有志は「リコール運動も辞さず」

BSN

新潟県 上越市の中川幹太 市長が「工場で働いているのは高校卒業レベル」と学歴差別ともとられる発言をした問題。市議会は2日、市長に対する不信任決議案を否決しました。

2日、開会した上越市議会の9月定例会。

【滝沢一成 議員】「上越市政を前に進めるために、市長への不信任決議案を提出いたします」

採決されたのは、上越市議会では初めての市長に対する不信任決議案です。

発端は今年6月でした。中川幹太 市長が企業誘致をめぐる議会答弁で、「工場で働いているのは高校卒業レベルの人で、頭のいい人だけが来るわけではない」などと発言したのです。

議会から辞職勧告を受け、市長は「不適切だった」と認めたものの…

【上越市中川幹太市長】「引き続き市長として職責を果たしていきたい」

一貫して辞職を否定してきました。

そして2日の採決…
不信任決議案が可決されれば、市長は議会を解散し改めて市議選を行うか、自身が職を辞するかを判断することになるため、いずれにしても選挙が行われることになります。

【不信任決議案に賛成 平良木哲也 議員】「『そろそろ矛をおさめて、混乱を収拾したらどうだ』（との声も）。しかし、混乱のもとになっているのはなんでしょう。言うまでもなく不適切発言を繰り返している市長の姿勢です」

【不信任決議案に反対 安田佳世 議員】「市議会議員選挙や市長選挙にかかる、当初予定されていない公的な費用負担が多くかかることとなります。そのような市政の停滞、多大な費用負担の可能性のあることを決めてしまっていいのか」

不信任決議案の採決は32人の市議による「無記名投票」で行われ、市議会最大会派が7月に提案し、議員の8割が賛成した辞職勧告とは一転、賛成11人・反対21人の大差で否決されました。

【不信任決議案に賛成 宮越馨 議員】「自分が選挙したくないからというのが見え見え。今回のははっきり言って選挙をこわがっている。全く実態とはかけ離れた判断を今回はしたわけ」

【不信任決議案に反対 石田裕一 議員】「市長に対してはちょっとまだ不信感もありますけど、やっぱり市政を前に進めることが大事かなと思っていましたので」

市議会最大会派の代表、橋本議員は「賛成・反対は言えない」としながらも…
【橋本洋一議員】「辞職勧告は市長に判断を求める。今回の不信任案は法的に拘束力があって、まるっきり根拠法令とステージが違う」

中川市長は任期満了まで続投する意思を改めて示しました。

【上越市 中川幹太 市長】「皆さんとの信頼関係（を築く）には、これから公約や政策の実現に向けて職責を果たしていくことが一番なのかなと。これは不退転の決意でやっていかなければいけないと思っています」

一方で市民有志らは「辞職しない場合はリコール運動も辞さない」としています。

市政の混乱は収まるのでしょうか。