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復旧目途の立たないJR米坂線ばかりか 路線バスも『存続の危機』高齢化・過疎化の地域交通の在り方とは?新潟県

BSN新潟放送 / 2024年9月10日 19時31分

BSN

村から公共交通機関が無くなる…そんな危機に直面した自治体があります。路線バスの全線廃止を打診された新潟県 関川村です。最終的に来年度の全線廃止は免れましたが公共交通のあり方が問われています。

県の北部に位置する関川村。人口はおよそ4700人。そのうちの4割以上が65歳以上の高齢者です。

【市井義久さん】「関川村には2年前の米坂線の廃線(一部運休)から始まったことですけど、全国的にはずっと前からあることだと思うんですよね」
関川村に住む市井義久さん 73歳。市井さんは毎週火曜日に放課後子ども教室でサポーターをしています。

村の中心にある教室へは、自宅から自転車で30分かけて通っていますが…
【市井義久さん】「この辺は雪が降りますから11月から3月くらいまではバスに乗る回数が多いですね。ここは週1回なんですけど、人数が少ないもので私に休まれると困るんで」

ところが、今年5月、この路線バスを巡ってある動きがありました。
【新潟交通観光バス 田中栄太郎 営業部長】「急きょ、村の方にですね次年度以降の運行継続の困難だということで協議を申し入れた」

関川村でバスを運行する新潟交通観光バスが突如、関川村に「全路線廃止」を打診したのです。

背景には運転手不足がありました。

【新潟交通観光バス 田中栄太郎 営業部長】「4月に入りまして、その4人中2人が退職を申し出てきたということで、さすがに2人だけの営業所ということではなかなか担当ができないかなということで」

さらに、バスの利用者が少ないことも要因の1つとなっています。新潟交通観光バスによりますと、1日の利用者数は下関から郊外へ向かう便で平均81.5人、郊外から下関へ向かう便で平均103.5人。

乗客の9割以上は通学する小中学生で、登下校以外の時間は特に利用者が少ない現状があります。
取材した日も…
【記者リポート】「ここまで道の駅関川から坂町駅前までやってきましたが、乗客は私1人のみでした」

こうした現状に住民も複雑な思いを抱いています。
【80代女性】「やっぱり動いてもらっているのはありがたいとは思いますけどね。私一人が乗って坂町病院前まで誰も乗らなかったんですよ。いやこれではね、存続させてくださいっていうのは申し訳ない話だなとは思ってます」

【市井義久さん】「少数者ではあっても無視してもいいかっていうんじゃなくて、少数者であってもその人にとっては非常に大きな問題なんですよね、決して無視できない問題ではあるとは思うんですよね」

突然「全路線廃止」という打診を受けた関川村は…

【関川村 加藤弘 村長】「初めは全路線廃止という話があったんだけれども、我々としても急にそう言われても対応が難しい部分もあって」

協議した結果、全路線の廃止は免れましたが、現在6つある路線が来年度は2路線に減らされることになりました。

主なバスの利用者である小中学生の通学手段の確保について、村は廃止される路線で村のスクールバスを増便することで補うことを検討しています。

関川村にはJR米坂線も通っていましたが、22年の県北豪雨で被災し、現在も復旧のめどが立っていません。

【関川村 加藤弘 村長】「我々一昨年、水害災害にあって復旧途上の中で、頼れる路線バスが廃止という(話が出たという)ことで地域交通全体を今後どうしていくのかって抜本的に考えないと」

公共交通の維持を望む住民と運転手不足などの事情を抱える事業者…
公共交通の在り方の見直しが喫緊の課題となっています。

※関川村では、高齢者の移動手段を確保するため、通院や買い物の際に送迎する「デマンドタクシー」を運行しています。ただ、バスに比べると料金が高いことと、事前予約しなければならないという点に課題があるといいます。公共交通のあり方をめぐっては関川村だけでなく県内各地で課題となっていて、今後も議論が続きそうです。

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