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「相手に勝つこと 相手を上回ること」新潟でのタイトル獲得へ 元なでしこジャパンDF有吉佐織が伝える“勝者のメンタリティー”

BSN新潟放送 / 2024年9月15日 6時0分

BSN

女子サッカー・WEリーグのリーグ戦『2024-25 SOMPO WEリーグ』が14日・15日から始まり、アルビレックス新潟レディースは15日(日)にアウェイでAC長野パルセイロ・レディースと対戦する。
今季、大宮アルディージャVENTUSから加入した元なでしこジャパンのDF有吉佐織選手(36)が語る悲願のタイトル獲得へ必要なこととは…

ホームで初めて歌った「アイシテルニイガタ」

―先日のカップ戦(9月8日・2024-25 WEリーグ クラシエカップ)、マイナビ仙台レディースに1-0で今季初勝利となりましたね。サポーターの熱量はどうでしたか?

有吉佐織選手
「『アイシテルニイガタ』は本当に最高でした。キックオフの直前に円陣を組んで、バッと走り出したとき、ちょうとサポーターの人たちに向かって走っていく形だったのですが、すごくテンションが上がりました。

ビッグスワンで試合をするのは初めてではなかったですが、見え方も感じ方も全く別物だったので。ほかのチームにいたときも感じていましたが、新潟のサポーターの応援は『厚み』があるというか、『強さ』があるように感じました。すごくいい雰囲気だと思います」

「来てくれてありがとう」と声を掛けられて…

今までプライベートで新潟に来る機会がなかったという有吉佐織選手。
「意外と暑いんですね」と真っ黒に日焼けした顔には笑みが浮かんだ。

「お米が有名だけど、いろいろなものが美味しいなと思います。あとは、いろいろなところで声を掛けられるなと」

―声、ですか?

「スーパーとか、銭湯とかで掛けられますね。大宮やベレーザ(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)の時はあまりなかったと思います。だから、スーパーで変なものを買えないなと(笑)

地域の皆さんが知ってくれているというか、認知度というか…『一緒に戦っている』という気持ちにもなれますし、すごいなと思います。あとは『来てくれてありがとう』と言ってくれる人が多くて。『こちらこそ、ありがとう』なのに、そういうふうに言ってくれる人たちが多くて。なんか温かい気持ちになりますね」

「本当にタイトルが目指せるチーム」に

大学卒業後、日テレ・ベレーザ(現:日テレ・東京ヴェルディベレーザ)に加入した有吉選手。“常勝軍団”だったベレーザでも主力として活躍し、WEリーグ誕生とともに大宮アルディージャVENTUSに移籍。昨シーズン限りで契約満了となった。

「アルビレディースからオファーをいただいて、タイトルが獲りたいんだという想いと、私のサッカー選手としてのプレーを評価してくださって。その熱量がすごく伝わってきました。

また、昨シーズン戦った中で、すごく魅力があるチームだなというと思っていたので、チームの一員として戦えたら自分自身も成長できるし、もっともっと高いレベルで、高い質で、楽しめるサッカーができるのではないかと思いました。

あとはタイトルを本当に獲れるチームだと思ったので、もう1回プロとして“一番高いところ”を目指すうえで可能性がある、狙えるチームだなと思ったので、その部分が加入を決めた大きな理由の一つです」

タイトルを獲得するには何が必要か―
有吉選手が口にしたのは、“ベレーザ時代の経験”だった。

「ひとつの局面での負け、ちょっとした場面で負けるということにすごくシビアなチームでしたし、私が加入した時点でも、“ベレーザとして絶対に負けられない”というメンタリティーを常に持っているクラブだったので、そこが大きかったのではないかなと思います」

若い選手とベテランの選手がポジションを争いながら、チームが強くなっていく。
アルビレディースがチームとして成長する中で、さらに必要なことなのかもしれない。

2015年 女子ワールドカップ準優勝メンバーとともに…

有吉選手は2015年の女子ワールドカップ カナダ大会に出場し、準優勝となった経験がある。当時のメンバーのうち、川澄奈穂美選手(38)と上尾野辺めぐみ選手(38)、そして川村優理選手(35)と今季、新潟でプレーすることになった。

「その時のメンバーの中には引退した人もいるので、4人もワールドカップの準優勝を経験したメンバーがいるのはすごいと思います。

当時を振り返ると、2011年のメンバー(ワールドカップ優勝メンバー)に自分とか優理(川村選手)が新しく加わったようなチームで、ベースがあったので、必死についていくという感じでした。だから、同じ“仲間”という感じではありますが、“サッカーを教わっている”という感じでもありました。

同じポジションだと、近賀さん(近賀ゆかり選手・サンフレッチェ広島レジーナ)やサメちゃん(鮫島彩さん・昨季限りで現役引退)がいて、もちろんポジション争いはあったんですけど、近賀さんのいいところを教わって自分のものにするとか、周りの選手とのコミュニケーションの取り方とか、ひとつでも盗んで帰ろう…そういう感覚でした」

一緒のチームで、川澄選手と同じサイドを組むのは代表以来だという有吉選手。
「ナホとやってると、やっぱり楽しいな」そう笑顔を見せた。

一方で、昨季は対戦相手としてアルビレディースを見ていた有吉選手は、好調を維持していたアルビレディースは波があって、いつか失速するのではないか、そう思ったこともあったそう。今季、チームに加わって『本気度が伝わってくる』と感じたという。

「若手選手たちも主張するし、やってはいけないミスをしたら、ナホ(川澄選手)に対しても『ナホさん、それはないよ』とか、ちゃんと言うことができる。正面で、本気でぶつかっているなって思います。だから、昨シーズンは試合を重ねながら、リーグを戦いながら、成長していったのだと思います」

原理原則を大切に… 新潟に初タイトルを

本気でタイトルを目指すシーズンが始まり、有吉選手もカップ戦2試合に出場し、前の試合は勝利を挙げた。「今は隙や甘さをひとつずつつぶしていくことがすごく大事なこと」と話したうえで、こう話した。

「攻撃に、得点に関わる部分を意識してやりたいのはもちろんですが、ディフェンス、守備の部分で細かい攻撃の芽をつぶしていくことを90分間さぼらずに、チームメートと協力してやっていくということが、今の自分にはすごく必要なことなんじゃないかなと思っています。
ハシさん(橋川監督)も『際(きわ)が大事』などと話していて、『細かい部分をしっかりやりなさい』と言われているので、そういった部分を意識してやっていきたいなって思います」

昨季、自分の視野を広げるために、指導者のB級ライセンスを取得したという有吉選手。「普通にサッカーを学ぶことは新しかったですし、様々なレベルの人がいる中では、練習やサッカー自体を成立させるのが本当に難しくて。伝え方なども勉強になりました」そう振り返るとともに、あらためて“基本=原理原則の大切さ”を痛感したという。

「ハシさん(橋川監督)がチームとしてやってほしいことが、原理原則に基づいていることが多いので、それを高いレベルで突き詰めていく。さぼらずにしっかりとやるということはすごく大切なことなんだなと改めて感じています」

サッカーを始めて25年あまり。プロ選手としては大ベテランと言われる年齢となった。それでも話していると、勝利への思いがあふれてきた。

「相手に勝つこと。相手を上回ること。勝って反省して、課題を出して、修正して…ということを繰り返していって、強くというか成長できればいいかな。ひとつひとつ大事に戦っていきます」

新潟に初めてのタイトルをもたらすことができるか―
元なでしこジャパンとして世界を経験した有吉選手が、チームに新たな変化をもたらそうとしている。

◇有吉佐織(ありよし・さおり)選手
 1987年11月1日、佐賀県出身。身長160㎝、利き足は右。ニックネームは、あり。得意なプレーは「かけひき」。なでしこジャパンのメンバーとして2015年女子W杯では準優勝。今季から新潟Lに加入し右サイドバックを中心にプレー。

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