『新潟5区』互いに“懸念”を抱える前職同士の一騎打ち 双方の訴えは?【衆院選】
BSN新潟放送 / 2024年10月18日 17時46分
27日の投開票日に向け、12日間の選挙戦に突入した『第50回衆議院議員総選挙』。
新潟県内の5つの小選挙区のうち、前職同士による県内唯一の与野党一騎打ちとなった『新潟5区』における、それぞれの候補者の訴えを取材しました。
上越地域を中心とした旧新潟6区のエリアに、南魚沼市・魚沼市・湯沢町が加わった“新5区”に立候補したのは、立憲民主党の前職・梅谷守さんと、自民党の前職・高鳥修一さん(届け出順)。
2人は4度目の対決となりますが、ともに“逆風”の中での選挙戦になっています。
2期目を目指す梅谷さんの第一声は、謝罪から始まりました。
「とんでもない迷惑かけてしまって、不安にさせてしまって本当に申し訳ない」「『梅ちゃん信じているよ、頑張れ』この声にどれだけ救われてきたことか、私は次の戦いでも皆さんと一緒に戦いたいんです」
梅谷さんは、自身の選挙区内で日本酒を配ったとして4月に公職選挙法違反の疑いで刑事告発され、その後「党員資格停止1か月」の処分を受けました。
警察の捜査が続く中での選挙戦となります。
「今回の選挙は“政権せんたく選挙”だというふうに位置づけています。“せんたく”は2種類ある。1つは選ぶチョイスの選択、そしてもう1つは政治を刷新するウォッシュの洗濯…」
梅谷さんは“積極財政”を掲げ、賃金の底上げや人口減少対策、地方と都市部の格差是正、災害に備えたインフラの整備など、5つの政策を訴えています。
「物価がどんどん上がってきている。それに賃金が伴いません」
「先進国の中でマイナスなのは我が国とイタリアだけ。積極財政を切らすことなく、地方の暮らしと経済を守る中小企業を守る、その政策を訴えてまいります」
前回の選挙戦で梅谷さんに130票差で敗れ比例復活した高鳥さんは、6期目を目指しています。
高鳥さんも、派閥の政治資金パーティーで544万円のキックバックを収支報告書に記載していなかったことが明るみになり、自民党の新潟県連会長を辞任。
党からも『戒告』処分も受け、比例との重複は見送られました。
逆風の中、“背水の陣”で臨む選挙となります。
「領収書は全部揃っています。ですからいわゆる使途不明金裏金ではないんです」「小選挙区一本勝負であります」
「逆に『よし、やるぞ!』。逆に私は気力が涌いてまいりました。私の人生の全てをかけて、この一戦を戦い抜く決意であります」
公共事業では北陸道と関越道とをつなぐ『上沼道』の整備を、医療や介護分野では医療従事者らの報酬の底上げなどを推し進めたい、と訴えています。
「“積極財政”ということを訴えております。皆さんの暮らしの安全を守るために必要な国土強靱化、公共事業、これにはしっかりと予算をつけて…」
「それが税収となって国に戻ってくる、こういう強い経済の好循環を作らなければなりません」
選挙戦初日に高鳥さんが訪れたのは、地元・糸魚川市の能生白山神社。
子どもの頃から慣れ親しんでいるという場所で、必勝を祈願しました。
「厳しいと思います本当に」
「世間の風は自民党に厳しい目を注いでいただいておりますので、そこはしっかりと反省をしながら、でも立て直しをしないと日本の将来大変なことになる」
その後高鳥さんは選挙カーに乗り込み、ガソリンの減税や児童手当の拡充なども訴えながら、糸魚川市内を周りました。
一方の梅谷さんは日本酒問題の発覚以降、新たに選挙区に加わった魚沼地域でなかなか活動できていなかったため、支持の拡大を急いでいます。
「六日町の皆さんのお声をもとに、これから私自身の全力を込めて、政策そして法案として練り上げ、とことん国政を動かしてまいります」
選挙戦初日は、上越市・妙高市・十日町市などを駆け抜けました。
「(声は)ちょっと枯れてる。まだ出るけど」
「とにかくみんなから推していただいているんで、もう疲れてなんかいられない」
新潟5区の前職同士による激しい“一騎打ち”に、党からの応援も熱を帯びています。
16日には、立憲民主党から野田佳彦代表が上越市に駆けつけ、梅谷さんを激励しました。
「5区は畳みかけましても、梅谷さんに当選してほしいと思っています」
「梅谷さんが小選挙区で勝つことは、もっと厳しい選挙区で頑張っている同志を、もう1人当選をかけることができる」
「裏金隠し解散です。ならば、この問題に背を向けることなく、忘れることなく、怒りを忘れることなく、許さないという気持ちで投票に足を運んでいただきたいと思っています」
「たまには政権交代でお金の使い方、変えようじゃありませんか、皆さん!」
自民党の高市早苗さんも16日に南魚沼市を訪れ、農林水産副大臣などを歴任した高鳥さんの手腕を高く評価するとともに、総裁の座を争った石破総理に高鳥さんを入閣させるよう薦めていたと明かしました。
「選果場とかに使える予算を、国全部の予算の10分の1、1割を、高鳥修一が持っていってしまいました」「それだけの腕力を彼は持っています」
「安心して暮らしていける、そんな日本を作る。そのための投資を今やんなきゃいけない、大切な時期です」
「真剣に地元を愛している高鳥修一さん。働かせてやってください」
ともに懸念材料を抱えながら激しい一騎打ちを繰り広げる2人。
有権者の理解を得て4度目の対決を制するのは、どちらでしょうか?
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