「息子の前で無様な姿を見せられない」“越後の虎” 空手の元世界王者・岩木秀之さん(53) “総合系空手”で挑む最後の大会へ
BSN新潟放送 / 2024年11月19日 12時13分
かつて『越後の虎』と呼ばれた空手の元世界王者が53歳で現役復帰し、再び世界に挑戦することを決めました。“最後の挑戦”と位置付けた国際大会に臨む思いを取材しました。
新潟市東区の空手道場「夢源会(むげんかい)」で代表師範を務める岩木秀之さん(53)は、2005年の世界大会・中量級で優勝した元世界王者。
現役時代には『越後の虎』とも呼ばれ、その実力は53歳になった今も衰えていません。
岩木さんは2005年の大会を最後に現役を退き、道場や家庭教師という形で空手を指導するなど、将来を担う子どもたちの育成をしてきました。
そんな岩木さんが現役引退から19年たった今年ある挑戦を決意しました。来月1日東京で開催される国際大会に、選手として出場することを決めたのです。
「世の50代を元気づけるような、そんな活動にしたいし、自分の力を図ってみたいという競技者のそんな欲もあったり…」
岩木さんは空手に他の格闘技を組み合わせた独自のスタイルで大会に挑みます。
その一つがブラジル発祥の武道「カポエイラ」。フィジカルの強い外国人選手に勝つために、2005年の世界大会のときからカポエイラを取り入れて戦っています。独特のステップや距離で相手を翻弄するのです。
岩木秀之さん(53)
「相手にとって、学習のない技って一番当たるので。独特のフットワークが、普通のファイトをしたい人にちょっと周波数のチューニングが合わないみたいなんですよ。その間に自分のペースをつかんで…」
一方、『青空道場』と名付けられたビルの屋上で修得に励んでいるのは…
「『ジークンドー』というブルースリーがつくった格闘技」
カポエイラを組み合わせた空手に『ジークンドー』をプラスし、唯一無二のスタイルを作り上げようとしています。
岩木さんが今回出場するのは、『RF武道空手道』の大会。『RF』とはリアル・ファイトのこと。ロシアやヨーロッパなどで開催されている総合系空手で、打撃や投げ技に加え、締め技や関節への蹴りも認められています。
「この関節ってこっちに曲がる関節ですよね。これをここにぐーっと押し込んで、逆に折ってしまうという恐ろしい技なんですけど。これが空手界では禁止技なんですね。選手生命に関わる。でも、今回出る大会がこれがありなんですよ」
「一生練習することないと思っていたんですけど、今回やらなければいけないので…」
危険をともなう、人生をかけた大一番に向け日々練習に取り組む岩木さん。
練習後に一息つくのが、ジークンドーの指導者・宇佐美信広さん(56)が営むバーです。お酒が飲めない岩木さん、のどを潤すのはビタミンなどが含まれるノンアルコールカクテルだそうで…
「この一杯のために練習を頑張るっていう」
53歳で新たな挑戦をする岩木さん。長年酷使した体は、すでに悲鳴をあげています。そんな岩木さんの挑戦に、同世代の宇佐美さんはエールを送ります。
宇佐美信広さん(56)
「岩木先生は、我々の世代からすると一時代を築いた新潟の名選手なので、けがをせず、風邪を引かず、当日元気な状態で試合に臨んでいただきたい」
そして、もう一人。岩木さんの背中を押すのは、息子の烈生(れお)さん(18)です。
岩木烈生さん(18)
「この年になって、ちゃんとしっかり自分の父親の勇姿を見届けられるのは、なかなか他の同じ子たちが体験できないことなのかなと思うと、すごく嬉しいですね」
烈生さんは世界大会で「セコンド」を務めます。10月に前哨戦として初めて父親のセコンドにつきました。
岩木さんの息子・烈生さん(18)
「セコンドまで不安だったら、選手はもっと不安になるじゃないですか。試合中の時だけは頑張ってこらえていたんですけど、試合終わった瞬間涙が出てきちゃって…」
憧れであり、超えられない高い壁でもある父の存在―
一番の師匠の最後の挑戦を、この目に焼き付けたいと話します。
53歳となった“越後の虎”が息子と二人三脚で挑む最後の挑戦。
夢源会 代表師範・岩木秀之さん(53)
「本当を言うと、一番格好悪いところを見せたくない息子をあえて連れてきて、自分にとっても最後の試合だし、息子の前で無様な姿を見せられないっていう『背水の陣』で最後の挑戦を頑張りたいと思います」
岩木さんが出場するのは、35歳以上・73キロ以下の部門で、イタリアやスペイン、ウクライナなど世界各国の強者が集まります。
最後は笑顔で終われるように…
集大成の国際大会は12月1日、東京で開催されます。
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