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大関「大の里」を超えろ! 角界へ11人輩出する『海洋高校相撲部』に集う“次世代”の逸材たち

BSN新潟放送 / 2025年2月4日 6時25分

BSN

大関・大の里を生んだ新潟県立海洋高校(新潟県糸魚川市)相撲部。
その稽古場で汗を流す、次世代の力士たちを取材しました。

125年の伝統を誇る強豪校の、新年初稽古。

【田海(とうみ)哲也 総監督】
「正しい稽古を継続して…。そのちょっと、このちょっとだよ。このちょっとをできるかできないかが、大きなデッカイ差になってくんの ―」

これまでに11人を角界へ送り出している海洋高校相撲部は、全国優勝も25回。
今の3年生も、全員が特待生枠で強豪大学への進学が決まっています。

次の主将に就任したのは、2年生の山本大吾さん。

「新しいチームになるので、しっかり気を引き締めて頑張っていきたいです」

身長184cm・体重156kgの大きな体格を生かし、立ち合いから攻める相撲が持ち味の山本さんは、地元・糸魚川市の出身。

相撲道に進むきっかけとなったのは、小学3年生の時。
初出場した糸魚川市の能生で開催された大会で初優勝したのです。

「そこで勝って、楽しいなあって思って…。やってみたいと思いました」

新潟県立海洋高校では、毎年3月に開催される地元のイベントで、アンコウの解体や、オリジナルのアンコウ汁を販売しています。
メニューの考案や、ポスター作りなども生徒たちの担当です。

12月、相撲部の山本大吾さん(2年生)は高校の実習室に…。

「アンコウの匂いを消すために、出汁とか何を入れるか ―」

オリジナルアンコウ汁の準備をすすめる山本さん。

【クラスメートたち】
「かっこいいなあって思っていますね。いつも」
「運動神経もめちゃめちゃ良くて、一番カッコいい学生だと思っています」

突然の誉め言葉に、山本さんの顔もついほころびます。

「こんなの言われたことないですもん…」

2024年最後の稽古の日。
授業のあと続々と稽古場へと集まった部員たちは、四股から始まり、すり足、ぶつかり稽古など…、この一年の思いをぶつけます。

2年生には、モンゴルからきた部員もいます。
相撲部の田海哲也総監督がモンゴルでスカウトしたフセルバートルさんです。

身長180cm・体重155kgで、足のサイズはなんと30cm。
授業の椅子も、一回り大きなイスを使っているそうです。

ナラントヤー・フセルバートルさんに、相撲の楽しさを教えてくれたのはモンゴルにいる家族。
「自分のおじいちゃんとお父さんが結構相撲が好きなので、小さいときから相撲をテレビで見たりして…」
「いつも電話したら、『頑張ってるかな?』みたいな感じで…」

2024年に角界で頭角を現した大の里も、ここ海洋高校の出身。
1年生のときから主力として活躍していました。

角界に入った大の里は、史上最速7場所で初優勝を成し遂げた後、2度目の優勝を経て大関に昇進しました。初土俵から9場所という早さです。

海洋高校時代について大の里は、こう振り返っています。

「厳しい環境で育ってきて、携帯もゲームも禁止な生活をしていて、唯一の“楽しみ”というのが学校だったので…。今思うと、すごく楽しかったなと思い出に残っています」

海洋高校の稽古には、地元の中学生も参加していますが、その中で田海哲也総監督が推している逸材がいます。

「大の里の中1のときよりも、上回っているような期待大の子」
「まだ言いたくはないんですけど、中学1年生のトゥブシンボルドくんっていう子」
「素晴らしいです。凄くいい素材です」

稽古に毎日通う、中学1年生のニャムオチル・トゥブシンボルドさん。
モンゴル出身で、成長期前にもかかわらず、身長は183cm・体重は100kg。
中学1年生のころの大の里関よりも大きく、大の里関よりも体が大きくなる可能性を秘めていると言います。

「恵まれた体格。それから、相撲が大好き」
「能生という田舎に、『強くなりたいんだ』っていうことで、お母さんとお兄ちゃんとここに来たんですよね。もう、それもひとつの素質…」

小学2年生のときに相撲をやるために糸魚川市の能生に来たトゥブシンボルドさん。
2年後には、全国大会で個人3位になりました。

「大の里関は常に謙虚で、大関になっても、今まで教えてきてくれた人に敬語とか尊敬の気持ちが…」
「大の里を超えられるように頑張りたい」

スケールの大きな選手へと期待がかかりますが、技術や筋力などは成長期が終わってから。

【海洋高校相撲部・田海哲也総監督】
「焦らず、将来を見据えて、大きく育てたいと思います」

海洋高校の2年生で、相撲部の新主将となった山本大吾さん。
たくさんかいた稽古場の汗を洗い流し、寮に戻ると夕飯です。

「稽古終わって、もうペコペコです」

今日のメニューは、ポークカレー。
疲れた身体に、カレーが染み渡ります。

「おいしいっす!」

そしてここでは、“おかわり”をするのがルール。

「ふぅ…」

さすがの山本さんも苦しそうですが…。

20年近く食事を作り続けている寮母の田海恵津子さんによりますと、
「今は本当に自主的に」
「大の里は、今の子の倍くらい食べていました…」

代々続く125年の伝統を受け継ぎ、夢を抱き、海洋高校相撲部を守る者も巣立つ者も、それぞれの2025年が始動しました。

【山本大吾さん】
「新キャプテンになるし、新メンバーになるので、キャプテンとして海洋高校相撲部として恥じぬよう頑張っていきたいです」

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