阪神・淡路大震災を上回る死者8000人の想定も… 新潟県内のSランクの活断層にどう備えるか
BSN新潟放送 / 2025年1月17日 18時43分
阪神・淡路大震災の犠牲者6434人を上回るおよそ8000人の死者が想定される地震があります。新潟県の「長岡平野西縁断層帯」が引き起こす地震です。政府の地震調査委員会は15日、この地震の発生確率を『やや高い』から『高い』を示すSランクに引き上げました。私たちはどのように備えるべきなのでしょうか。
政府の地震調査委員会は、毎年1月に大地震が起こる可能性が高い活断層帯をランク分けして公表しています。
今後30年以内の地震発生確率が3パーセント以上を「Sランク」、0.1パーセントから3パーセント未満を「Aランク」と評価していて、新潟県内では「長岡平野西縁断層帯」が「Aランク」から初めて「Sランク」に上がりました。
【文部科学省 研究開発局 上野寛 地震調査管理官】「長岡平野西縁断層帯の場合は去年までは0~2.4%だったのが0~2.5%になった。2.5%を四捨五入すると3%」
【地震調査委員会 平田直 委員長】「活断層は過去に大きな地震があった痕跡、動かぬ証拠ですので過去にあったということは将来もある。ぜひ、注意をしてもらいたい」
「長岡平野西縁断層帯」は新潟市沖から小千谷市にかけて南北方向におよそ83キロ延びている活断層です。
この断層帯について新潟大学災害 復興科学研究所の卜部厚志教授は…
【新潟大学災害 復興科学研究所 卜部厚志 教授】「新潟県内、あるいは東北地域の中でも活動度がすごく高いと言われている断層なので、それまでがS(ランク)じゃなかったほうが学問的には驚き」
この「長岡平野西縁断層帯」を震源とする地震が起きた場合、甚大な被害が発生すると想定されています。
県はマグニチュード8.0程度の地震が発生した場合、最悪なケースとしておよそ8000人が死亡、およそ17万棟の建物が全壊し、およそ47万人が避難を強いられると想定しています。私たちはどのような備えをすれば良いのでしょうか。
【新潟大学災害 復興科学研究所 卜部厚志 教授】「まずはできる限り家を強くすることが重要になってくる。できないにしても家具を固定することで生き延びなきゃいけない」
対策の一つが建物の耐震化です。
県は、耐震基準が強化される前、1981年5月31日以前に建てられた建物で、全て耐震補強や建て替えを行った場合、死者がおよそ85パーセント、全壊する建物はおよそ86パーセント減らすことができると試算しています。
【新潟大学災害 復興科学研究所 卜部厚志 教授】「まだまだ阪神淡路大震災のときにドンって壊れたような映像にあるような家は実は地域の中にまだあるので、もう一回地域を振り返ってみたり、自宅を見てもらうのがいいのかな」
いつ起こるかわからない地震。阪神・淡路大震災から30年の節目をきっかけに改めて防災について考えましょう。
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