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驚きの特色を次々と発見!『令和のっぺ地図』新潟の家庭料理の語りつくせぬ奥深さ

BSN新潟放送 / 2025年1月22日 9時43分

BSN

新潟を代表する家庭料理『のっぺ』。
県内各地を調べてみると各地域の特色がわかってきました。
この“のっぺ文化”を未来へ残そうと今『令和のっぺ地図』作りが始まっています。

正月料理の定番で新潟のおふくろの味の一つ「のっぺ」の歴史は古く、農林水産省の『うちの郷土料理~次世代に伝えたい大切な味~』としても紹介されています。
ただ一言で「のっぺ」と言っても、北は村上市から南は糸魚川市まで具材や味も違うばかりではなく、「だいかい(大海)」・「こにも」・「おおびら」などその呼び方も実にさまざま…。

そんな新潟県内各地に残る「のっぺ」の食文化を未来に残そうと動き始めているのが『NPO法人にいがた食の図書館』の高橋真理子さんです。

「全国にも同じ名前のものや似たものがある中で、新潟の“のっぺ”の特異性や特徴、“新潟ならではのもの”が何なのかを知りたい」

そんな高橋真理子さんの「のっぺ調査」は2024年に、特色ある食文化を継承してその文化的価値を伝える文化庁の『食文化ストーリー』の創出・発信モデル事業に選ばれています。

高橋さんたちは、まず『のっぺ』の“実態調査”から始めました。

そもそも新潟の『のっぺ』とはどういうものなのか?

農水省が掲載しているその定義を見てみると、「汁物というより煮物」で「里芋を主材料とし、野菜やきのこなどを薄味で煮たものにとろみがついているもの」であると同時に、その家ごとに独自の味で工夫され、具材や作り方のほか食べ方も“バリエーション豊富”と解説されています。

例えば、12月に高橋さんが取材に訪れた柏崎市の笠島地区の「笠島のっぺ」の場合、ベースとなるのは煮干しのダシで煮たサトイモとジャガイモ。
さらにその中にそれぞれ別々に調理した食材を加えて煮込んでいき、仕上げとして煮つけたブリの身をほぐして入れた後、とろみをつけたら完成。
結構甘めの味付けが特徴です。

高橋さんはこれまでに、村上市や糸魚川市など、新潟県内10か所以上の現地調査を実施してきました。

「家庭によっても、地域によっても違う。大きく分類はできてもそれぞれ多彩…」

あわせて高橋さんは、主に新潟県内に住む40代以上の人たちを対象にアンケート調査も実施。入れる具材や、具材の切り方、ダシに何を使っているか…など、その質問は70項目にも上りました。

新潟県内に住むおよそ1300人から集まった回答を調査分析した新潟食料農業大学の比良松道一教授によりますと、その結果は「非常におもしろい」とのこと。

「サトイモはほぼ100%の人が必ず使う…」
「わざわざ、冷やして食べる人もいるとか…」
「調査の結果、“ちゃんと受け継いでいこうとしている人々が一定数いる”ということに気づけたことは大きい」

アンケート結果から比良松教授は、新潟の『のっぺ』は主に、“具だくさん”や“ダシ自慢”など、4つのグループに分けられるそうです。

「信濃川と阿賀野川という大きな河川があり、その川を境に4グループに分かれている傾向がある」

新潟の郷土料理『のっぺ』を未来に残すべく調査をしている「にいがた食の図書館」の高橋真理子さんらが、1月になってそれぞれの情報を持ち寄ったところ、とても一言では言い尽くせないほどの『のっぺ』があることがわかってきました。

かつてはその土地で栽培されたものを使うなどある程度の“限定要因”があったが、北前船などの流通が発達するにつれて、新潟ののっぺは“変遷”や“進化”を遂げたのではないか?

現在『令和の新潟のっぺ地図』とともに絵本も制作中の高橋さんは、県内3か所で小学生向けにワークショップも開催し、今後もさらに調査を進める計画です。

「実際に作る人を、もっと増やしていきたい」
「今はお正月だけの料理になっているけど、その特徴は残しつつ、おいしいサトイモが手に入ったからと、気軽に作ったりしていけたらと…」

調べれば調べるほど奥深い、新潟の『のっぺ』。
家庭の味として母から子へと受け継がれ、各家庭の味として残り続けるとともに、今では“進化系”として、のっぺを使ったパンなども登場するなど、新潟の食文化は新たな形でも引き継がれています。

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