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「雪は落としても、命は落とすな」屋根の雪下ろしの注意点とは 【新潟】

BSN新潟放送 / 2025年1月22日 17時1分

BSN

まとまった雪が降った場合、新潟県の中山間地域の人たちは屋根の雪下ろしが必要となります。ただ、この雪下ろし、かなりの危険を伴います。主に雪下ろし中の屋根からの転落事故が多いと言われていますが、転落を防ぐための対策を取材しました。

【長岡技術科学大学・上村靖司教授】「高いところの作業なので、転落事故の危険が付きまとっている」

注意点を聞いたのは雪下ろしのエキスパート長岡技術科学大学の上村靖司教授です。

【上村教授】「目安としては、1メートル。1メートルの雪までは建物が耐えられます。ただ、1メートルを超えると心配になってきますので」

一晩で1メートルの雪が降ることもある雪国新潟は屋根の雪下ろしが必要ですが
注意しなければならないのが除雪作業中の事故です。


県内では2022年度までの10年間で雪による死亡事故・重傷事故が729件発生していてそのうち除雪作業の事故が475件を占めています。
中でも屋根やはしごからの転落が376件と最も多く死亡・重傷事故全体の半分以上を占めています。
新潟県は、雪下ろしをする際はヘルメットや命綱などを付けるよう呼び掛けていますが県のアンケートでは81.6%の人がヘルメットも命綱も付けていないことが分かりました。

【長岡技術科学大学・上村靖司教授】「特に最近だと落ちる下ですよね。地面が雪ではなくてコンクリートやアスファルトがむき出しになっていることがあるので。昔と違って落ちたら大事故になるんだよ。これをみなさんに知っていただきたい」
 

命綱を使うためには、体につなぐための安全帯と住宅に結ぶためのアンカーが必要です。問題はこのアンカーです。

【長岡技術科学大学・上村靖司教授】「残念ながら、命綱を結ぶアンカーが屋根についていない。命綱をつけましょうという前に本当はアンカーをつけましょうというのが一番大事なポイントにはなります」

アンカーの設置には12万円から15万円ほどかかりますが、県内16市町村が補助制度を設けています。
命を守るために活用を検討してみてください。
続いては、「安全帯」です。厚生労働省は屋根の高さによって使用する安全帯のタイプを定めています。中でもハーネスタイプは、骨盤でしっかりと固定されるため万が一宙づりになっても体への負荷が軽減されます。緩みがないように体にしっかりと固定することが重要です。さらに命綱をアンカーや安全帯に取り付ける際には工夫も必要です。

【長岡技術科学大学・上村靖司教授】「ひと工夫!くるんと回します。動かない」

また、はしごを使う際も注意が必要です。

【記者】「雪をおろす前に事故にあるケースも?」
【長岡技術科学大学・上村靖司先生】「作業を始めてから10分以内の事故が一番多いと言われている」「雪がついたりすると滑りやすくなりますよね」
 

はしごを使う際に頭に入れたいのが『三点支持』です。

【長岡技術科学大学・上村靖司教授】「右手つかみます。左手つかみます。足が二つあります。まず右足をあげて乗ります。この瞬間4箇所ついていますね。今度左足をあげます。この瞬間、3か所しかついていないですね。足をちゃんとおいてこの状態から左手を離して上をもつ。今度右手を離して上を持つ。常に3点接していますよね」

両手両足4点のうち常に3点がはしごに接している状態を意識しましょう。
また、除雪用具を手に持ちながらはしごを登るのは危険なのでこのようにロープで屋根まで引っ張って上げ何も持っていない状態ではしごを登るようにしましょう。

国交省が発表している除雪作業の注意点10箇条です。
 ・安全な装備で行う
 ・はしごは固定する
 ・作業は2人以上で行う
 ・足場の確認をする
 ・雪下ろしのときは周りに雪を残す
 ・屋根から雪が落ちてこないか注意する
 ・除雪道具や安全対策用具の手入れ、点検をする
 ・除雪機の雪詰まりはエンジンを切ってから棒などで取り除く
 ・携帯電話を身に着ける
 ・無理をしない
毎年行っている雪下ろしだと思いますが事故に遭わないよう注意をはらって作業に当たるようにしてください。

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