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いろいろな形で伝える『感謝の気持ち』SNS時代の年賀状事情

BSN新潟放送 / 2025年1月23日 8時49分

BSN

はがきの値上げもあった一方で、年賀状を出さない人や“年賀状じまい”をする人も増えた、最近の年賀状事情について考えます。

【30代女性】
「出さないですね。ずっと出していないですね」
【60代女性】
「年賀状、もう全く出していないです」
「LINEとかで挨拶ができるので、失礼じゃなくなってきているから」

メールやSNSの普及に加え、年賀はがきは22円の値上げで63円から85円となりました。

【20代女性】
「わざわざお金かけて郵便で送る意味ないかなって思います」
「送るのはいいことだと思うんですよ。今、写真とかも貼れるのもあると思うので…。だけど自分はやらないかな」

年賀状離れは加速しています。
年賀はがき総発行枚数の推移をみると、ピークは2004年用でおよそ44億6000万枚でした。しかし2009年用からは右肩下がりで減り続け、2025年用のはがきはおよそ10億7000万枚と、ピーク時と比べ4分の1以下にまで減少しています。

また、最近よく聞かれるのが『年賀状じまい』という言葉です。

【60代女性】
「年賀状じまいは、そろっとかなと思っているんですけど。今年は一応、やめようかなと思いつつも…。くださったところにはお返しをして、来年からちょっとなしに失礼させていただきますみたいな一言をあとがきに書こうかなと」

【30代男性】
「だんだん年賀状じまいをもらうことか出てきました。そろそろとは思っていますけど、もらっているうちは出さないとかな、とは悩んでいます」

こうした中、年賀状じまいをする人向けのサービスもありました。

新潟市北区で印刷事業やはんこの製造などを行う『さくら工房』では、年賀状じまい用の文章用ゴム印の無料で貸し出しを始めました。

【さくら工房 碓氷京子さん】
「こちらが年賀状じまい用の横書きのものなんですが、1行、2行、3行のものがあります…」

「実を言うと、お買い上げいただく形でハンコを作ってもらうのが確かに一番良いんです。でもそれを1回しか使わないために作ってもらうかって考えた時に、それなら“貸し出し”をしたらどうだろうっていうことで、今年から初めてこのサービスをしてみることにしました」

もちろん年賀状じまいを伝える文章を印刷することも可能ですが、ゴム印が欲しいという声は2023年から聞いていました。
ゴム印の良さは、年賀状じまいの文章をすべての年賀状に印刷するのではなく、“限られた人”にだけ押せるという点。
徐々に年賀状じまいを進めたいという人に需要があります。

「年賀状をやめた人は、2023年までは高齢者の方だったんですけど、2024年は結構若年層の方もいるんですよ。聞いてみると、やっぱり経済的なこと、あとは時間がないっていうことで…」

『年賀状』は、日本の伝統的な習慣の一つ。
年賀状の歴史は古く、平安時代にさかのぼるといわれています。

年賀はがきの発売を伝える1972年のニュース映像では、売り場に長い行列ができ、次々と大量のはがきを買い求めている人の様子を伝えていました。

年賀状のニーズについて、日本郵便の担当者はこう話しています。

【日本郵便信越支社 総括・広報担当 中山佐保さん】
「金額は上がってしまったんですけど、年賀状を送る、1年に1回大切な方に感謝の思いを伝えたい、というニーズは根強く残っているかなと思いますので、こちらとしては年賀状という日本の伝統文化は残していきたいと思っています」

やはり年賀状は出したい!そんな声も根強くあります。

【70代女性】
「本当に高くなったけど、出します」
「なんかやっぱり今までの慣習で、出さないと落ち着かない」
「(年賀状じまいというのは)やだね。人生が終わっちゃうみたい…」

【80代男性】
「出します。年に一回の安否確認も含めて」
【30代女性】
「料金が高くなって、最低限にしようかなと思っていて…。でも仲のいい友達とかには出そうかなと思っています」

そんな中、2024年に日本郵便は『POST&GIFT』という新たな“年賀状”を発売しました。

“「送る」を「贈る」にするはがき”ということで、年賀状を受け取った人がQRコードを読み取ると、ウェブサイト上から好きなギフトを選ぶことができる年賀状です。

【日本郵便信越支社 窓口物販担当 太田光彦部長】
「一言でいうと、手書きとデジタルが融合した商品だと思っています。若い方も年配の方も楽しく、大切な方へ気持ちを届けてください」

『POST&GIFT』には、620円・1120円・5500円の3種類があり、金額に応じて、タクシーやコーヒードリンクチェーン店のチケットなどのデジタルギフトや食品やキッチン用品などの配送ギフトを、年賀状と一緒に“お年玉感覚”でギフトを送ることができるのです。

【日本郵便信越支社 総括・広報担当 中山佐保さん】
「ギフトで、普段伝えられない感謝の思いを伝える、そこに加えてさらに手書きのメッセージをお送りする“嬉しいの相乗効果”で、受取人様にはより喜んでいただけると思います」

付加価値をつけた新しい年賀状が登場する一方で、「そもそも年賀状を出す習慣がない」という声も若い世代を中心に聞かれました。

【20代男性】
「学生時代からSNSがあったので、何かを出すということをしてなかったです」
【10代女性】
「中学校のときに、先生に年賀状を出す課題があってそのときくらいです」
「今はLINEで送っています…」

そんなSNS世代に向けたサービスが、2008年からありました。
日本郵便の『はがきデザインキット』です。
2024年にリニューアルし、“無料で”作ったデジタル年賀状をLINEに送信できる機能が追加されました。

【日本郵便信越支社 総括・広報担当 中山佐保さん】
「お客様の声を聞いて、“簡単にお手軽に送れる”という需要があり、こういったサービスを始めさせていただいております」

ウェブ版とスマートフォン版とがある『はがきデザインキット』の操作は簡単。
およそ400種類のテンプレートからデザインを選び、スタンプや文字などを自由に入れるだけ…。

日本郵便があえてデジタルサービスを行うのは、年賀状に触れるきっかけづくり。

「最近は年賀状を全く出さないっていう方も実際に多いと思うので、こういったところから、相手にその感謝の気持ちを伝えることの良さっていうところを知っていただいて…」
「さらにそこから踏み込んで、手書きのメッセージで相手の方に気持ちを伝えていただければ、こちらとしてはすごく嬉しいです」

時代の経過とともに新しい形となる年賀状。
進化する年賀状で“感謝の気持ち”を伝えるのも良いかもしれません。

年賀状じまい用のゴム印を貸し出してるさくら工房・碓氷京子さんの話によりますと、年賀状じまいをしたあとに「やっぱり寂しい」と感じる人もいるそうで、そういった人には“寒中見舞い”のはがきを出すことを勧めているということでした。

皆さんも、いろいろな形で感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。

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