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救急隊員は“毛布”を「手巻き寿司風」に使う 年間1000人が亡くなる『低体温症』の7割以上は屋内で発症

BSN新潟放送 / 2025年1月26日 5時5分

BSN

冬場の屋外で起こるというイメージのある『低体温症』。

寒い環境に長時間さらされて体の内部まで冷えてしまって体の機能が正常に維持できなくなり、重度になると亡くなることもあるという恐ろしい病気です。
熱中症と同じように、年間1000人が亡くなっているそうです。

『低体温症』については、実は自宅などの「屋内でもリスクがある」として、新潟市急患診療センターの山添優センター長は警鐘を鳴らします。

「冬の雪山とか、屋外で起きるイメージが強いと思うんですよ。でも実際は、家の中・屋内で起きるのが7割で、一番多い」

福島県の郡山地方広域消防組合の統計によりますと、低体温症で救急搬送された人のうち、77.8%が屋内での発症が推測される状況でした。


また86.3%が65歳以上の高齢者で、1人暮らしの80代の男性宅を訪問介護の職員が訪れた際に居間で意識レベルが低下していたところを発見されたケースなどがあったそうです。

そして『低体温症』は、冬場だけでなく夏場にも注意が必要だということです。
夏山での遭難や海難事故のほか、酒を飲んだ後に屋外で寝てしまったときなどにそのリスクがあるそうです。

それでは、低体温症にならないためには一体どうしたらよいのでしょうか?
新潟市急患診療センターの山添優センター長に、症状の目安とあわせて、その予防や対策を教えてもらいました。

早期発見のポイント】
「体が震える。歯がカチカチする。さらには受け答えがおかしくなるなど、普段と様子が違う点に気付くことが大事」

予防
「部屋の温度について、できれば家全体を18℃以下にはしない」
寝る際にはエアコンなどを使って寝室を18℃以上、理想は20℃くらいに保ってほしいということですが、電気毛布や電気布団湯たんぽも効果的。
湯たんぽをすぐ用意できない場合には、お湯を入れたペットボトルでも代用が可能です。このとき、やけどを避けるためにタオルを巻いてください。
とにかく、体を冷やさないことが重要です。

対策
もし低体温症の兆候がある人を発見した場合に、お風呂などに入れて体をすぐ温めるのはNGだということです。毛布や湯たんぽなどで、徐々に体の“内部温度”を上げてあげることが重要です。
さらに、「体の震えに加え、何か意識がおかしいときには、すぐ救急車を呼んでもらうのが助かる道」だということです。

災害時”にも『低体温症』には注意が必要です。

厚生労働省によりますと、東日本大震災では低体温症で34人が亡くなりました。
これは全体の0.2%とはいえ、寒さで亡くなったというケースがあるということに恐ろしさを感じます。

また、電気が通っていない避難所の床は冷たくて体がすぐに冷えてしまうため、『低体温症』の危険があります。
災害時の避難所などで体を冷やさないためにはどうすれば良いのでしょうか?

そこで『からだを温める毛布の巻き方』を、新潟市消防局救急課の和田浩司主任に教えてもらいました。

普通に毛布をかけた場合…
「何も掛けてないよりはと思うんですけど、背中って冷たいですよね?」

面積も広く大きな筋肉もある背中を冷やしてしまうと、すぐに体内温度が低下するそうです。

しっかり保温できる毛布の“巻き方”は?

『毛布を斜めに敷き、対角線の部分を体にくるむ』
手巻き寿司を作るときに酢飯をのりで巻く感覚…、に近いと思います。

これは実際に救急隊員も行っている巻き方だそうで、これでも十分な保温効果はありますが、もしもう1枚毛布があれば、その上にも掛けてほしいということです。

実際にくるまれてみると…
「しっかりと毛布にくるまれて、短時間でも体の芯から温まってきます」
数分で“抜群の保温効果”を実感できます。

【新潟市消防局救急課 和田浩司主任】
「低体温に限らず、何となく様子がおかしかったり、反応がないとかの状態であれば、すぐに119番通報して救急車の要請を」

また、避難所に人数分の毛布があるとは限りません。
そのようなときに代用できる、新聞紙・タオル・カイロなどを、“冬の備え”として持ち出し品の中に入れておくことが大事ですね。

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