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総額1兆2600億円「住んでよし、訪れてよしの」新年度予算案を新潟県が発表 重点施策を解説

BSN新潟放送 / 2025年2月12日 19時6分

BSN

新潟県は12日、人口減少対策などを盛り込んだ総額1兆2600億円の新年度予算案を発表しました。花角知事が掲げる新潟の姿とは。

12日に発表された新年度予算案の総額は1兆2635億円で、今年度の当初予算より237億円減りました。

花角知事が掲げる「住んでよし、訪れてよしの新潟県」の実現に向け、重点政策のひとつとなっている子育て支援では放課後児童クラブのサービス拡充などを行った市町村への支援に2億5000万円を計上。

このほか、患者数の減少や物価高騰で経営危機に直面すしているJA新潟厚生連に対する支援には2月の補正予算案を含めて10億9000万円を盛り込みました。

【花角知事】「幅広くきめ細かく目配りした上で、特に人口減少という少子化対応などにも力を入れてバランスよく作られた予算」

また、原子力災害時の避難路の調査や整備に2月の補正予算案を含めて6億円余りが計上されました。県の予算案は17日に始まる2月議会に提出され審議されます。

大塩)ここからは予算案の中身について県政担当の横山記者と見ていきます。
横山)花角知事が就任当初から掲げる「『住んでよし、訪れてよしの新潟県』の実現」が、新年度の予算案でも最大のテーマです。その柱となるのがこちらの6つの重点政策です。大塩さん、気になる政策はありますか?

大塩)子育てはこれまでも力を入れて取り組んでいたイメージがあります。
横山)こちらの子育て、脱炭素、デジタル改革は今年度の当初予算にも盛り込まれていましたが、今回はさらに3つ増えました。

それぞれの内容を見ていく前に、まずはこの予算の出どころとなる財源、県のお財布事情を見ていきます。
県が自由に使い道を決められる一般財源の収支です。新潟県では全国を上回る人口減少などにより2015年度以降、収支が急激に悪化。2016年度からは歳出が歳入を上回る赤字に転じました。

県は貯金にあたる基金を取り崩してやりくりしてきましたが、花角知事就任後の2019年、このままではその基金も底をついてしまうことが判明。

そこで、昨年度までの5年間にわたり職員の給与削減や補助金のカットなどの行財政改革に取り組んできました。

その結果、収支は2021年度に黒字に回復。目標としていた2023年度の収支均衡を達成しましたが、お財布状況が苦しい状況には変わりはありません。

そんな中、新たな懸念事項が出てきました。6本の柱の一つ、「持続可能で暮らしやすい地域社会の構築」に向けて、10億円という額を計上したのがJA新潟厚生連病院への支援です。

県内で11の病院を運営するJA新潟厚生連。患者数の減少などにより病院の赤字経営が続いていて、来年度にも資金が枯渇するおそれがある危機的な状況でした。

県は厚生連病院について「地域医療を支える大切なネットワーク」だとし、財政支援を決定。2月の補正予算案と合わせて10億9000万円が計上されました。

【花角知事】「(病院間で)役割分担と連携がとれている、そういう環境を作っていきたい。一方で、足元で経営を改善する努力は引き続きやっていただきたい」

厚生連病院だけでなく、県立病院も同様に赤字経営に陥っていて、今年度の赤字額は過去最大と見込まれています。県は毎年度、一般会計から100億円以上を繰り出して県立病院を支えていて、新年度予算案では146億円に達しています。

県議の中には今回の予算案について、「財政状況が厳しい上に出ていくお金も多く、目玉となる新規事業がない予算」と見る声もあります。

一方で、こうした状況の中でも地域の活性化を図るため、新たにスタートする事業もあります。
〈高い付加価値を創出する産業構造への転換〉に盛り込まれた、“民間との連携”です。県と金融機関が中心となって新たにつくられるのが官民連携のファンドです。
規模は30億円程度で、そのうちの10億円を県が出資します。投資の対象となるのは県の重要課題でもある観光やインフラ、自然エネルギー、医療などの分野。民間と連携し、地域の活性化に貢献する事業を資金面から支援することで、地域経済の好循環を目指す考えです。

【花角知事】「民間が持っているリソース、お金もそうですけどノウハウ、経験値、人材、そうしたものと一緒になってやることでより県民・国民にとっていいものが出来上がる」

また、出資に県も加わることで投資先の信用を高め、首都圏などからも資金を呼び込みたい考えです。

大塩)県の最大の課題ともいえる人口減少対策はどう予算を付けたのでしょうか。
横山)知事は「人口減少局面は避けられない」という考えを示していて、その減少幅をゆるやかにする「人口の定常化」を目標としています。

それに向けて新年度予算案で強調されたのは若者、特に「女性に選ばれる新潟」という視点です。
【花角知事】「6:4で女性のほうが流出が多い。若い世代の女性が出ていくとそれは少子化の加速にもなっている。女性にも選ばれる、女性も活躍できる環境づくりが重要だと」

総務省のまとめによりますと、新潟県の去年1年間の転出超過数は全国で9番目に多い5782人。特に、女性の転出超過数は前の年より300人以上多い3458人と際立っています。

そこで、新年度予算案では「女性にとって魅力ある新潟」を実現するための事業費に8300万円余りを計上。

例えば、女性が働きやすい職場づくりに取り組む企業にその経費を支援したり、柔軟な働き方や女性活躍に取り組む企業に対する新たな認定制度をつくったりと、転出のきっかけの1つである「就職」を考える際に、魅力的な県内企業に目を向けてもらいたい考えです。

大塩)どうすれば女性にとって魅力ある新潟になるのか?そのヒントを探りに県内ですでに女性が活躍している企業を私が取材してきました。
加茂市で暖房機器や住宅設備機器などの組み立てを中心にオーダーメードの商品開発も行う皆川製作所です。

従業員26人のうち、女性は7割近い17人。女性が活躍する職場です。

3代目の曽根亮子 社長が大切にしていることは…
【曽根亮子 社長】「女性が働きやすい環境を作っていくと必然的に男性も仕事がやりやすい。最近女性活躍と言われていますが、以前からやっていたことをそのまま制度にしてやっているという感じ」

皆川製作所では、子どもの登園や習い事の送迎、体調不良などを理由に出勤や退勤時間を柔軟に変更できます。さらに1時間単位での有休取得も可能にしています。

そこには2人の子育てを経験した曽根 社長の思いが…
【曽根亮子 社長】「私も子育てをしながら仕事をするのが本当に大変だったので、みんなの気持ちは私が一番よくわかるので、だったらみんなを応援しようと」

従業員も、家庭のことを優先していい会社の風土に働きやすさを覚えています。【女性従業員(40代)】「女性には必ず育児とか家庭のことついて回ると思うんですけど、こちらの会社そういうところ柔軟に対応していただいていて、有休なり、お休みなりいただける環境でとても働きやすく、皆そう思って一生懸命働いているかと」

曽根社長はこうした女性活躍の職場作りを進めるために県からの財政支援を含めた女性へのいわば「えこひいき」が少なからず必要と言います。

【曽根亮子 社長】「女性活躍をするためにはどうしたらいいかと言ったら、やっぱり「えこひいき」をしてください、といろんな経営者に言うんですね。それがやっぱり(県の)制度があれば、例えば助成金があったり補助金があったりと、そういったことがあったりすれば皆さんがやりやすいんだと思うんですよね」

「子育てしながら安心して稼げる」こうした子育てしやすい職場環境が県の支援もあって県内企業で増えてくるとうまくいけば人口減少の歯止め策にもなるのではないかと感じました。

ここまで新潟県の予算案についてお伝えしました。

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