ひとり暮らしをはじめる人へ 生きていくために最低限必要な3つのこと 

文春オンライン / 2019年1月11日 12時50分

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 日本で今、最も多い世帯は「ひとり世帯」である。春から、進学や就職などを機にひとり暮らしを始めるという人も多いだろうし、伴侶と離別したり死別したりしてひとり暮らしになる人も増えている。昨年6月にバイク事故で急逝した 『「捨てる!」技術』 (宝島社)のミリオンセラーなどで知られる文筆家・生活哲学家の辰巳渚さんが、ひとり暮らしを始める息子さんのために綴った遺作 『あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいこと』 (文藝春秋刊)から、ひとり暮らしを始めたら、まずは気をつけたい3つのことをご紹介する。

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1.「ごはんを2合炊くこと」

 暮らしの中の「衣・食・住」でもっとも大切なのは食です。身体と心の健康も「食」によって保たれます。もちろん、親が作っていたようなちゃんとした食事を、自分ひとりのために用意するのは無理かもしれません。ですからまずは、「ごはんを2合炊いて家で食べる」ことから始めてみましょう。ごはんは腹もちもよく、何にでも合うので、おかずになるもの(いわゆるごはんの伴)がバラエティに富んでいます。何よりパンなどより安価です。ひとり暮らしの人におすすめなのは、夜に2合炊くこと。1合で炊くよりおいしいし、余ったら、小分けにして冷凍保存しておけばよいのです。ごはんに、のりの佃煮、梅干しなどの保存できるもの、もしくは、納豆、生卵があればすぐに1食分の食事は用意できます。最近はおいしい缶詰も豊富にありますし、インスタントでも味噌汁を用意すれば、立派な「一汁一菜」になるのです。慣れれば包丁とフライパンを使った調理を取り入れていきましょう。

 ここで気をつけたいのは、調味料は小さなサイズのものを選んで買うこと、食材も日持ちするもの以外は1週間で食べ切れる量だけを買うことです。また玉ねぎ、ジャガイモ、にんじんなどの日持ちする野菜を常備しておくと、何か1品は作れるので便利です。さらに、乾麺やレトルト食品、カップ麺や缶詰、フリーズドライのスープや味噌汁などの保存がきいて調理をしなくてもいい食材を常備しておくと、ピンチの時にも乗り切れます。

2.「心身を休められる部屋にすること」

 食の次に大事なのは、「心と身体を休められるようにすること」です。そのために重要なのが、「どこで寝るか」ということ。布団かベッドかの違いはあれ、人はいったん寝る場所を決めるとずっとそこで寝続けてしまうものです。ですから最初のうちは「ここで落ち着いて眠れたかな」と気にして過ごしてみましょう。もし、何か気になることがあれば、もう1度部屋を見渡してみましょう。寝る場所を決める時は、まずは地震などがあった時でも物が落ちてくる危険な場所でないこと。また、エアコンの風が直接あたるとか、冷蔵庫のモーター音などの気になることがないかを考えます。「この部屋ならここがベスト」という位置があるはずですから、納得いくまで探しましょう。

 また、居心地よい部屋を作るために注意したいのが、「臭い」と「ごみ」。家にはそれぞれ特有の臭いがありますが、なじみのない臭いは落ち着かなさを生むのです。もし臭いが気になる時は雑巾での拭き掃除をまめにすることをおすすめします。

生活はごみとの闘い! ごみ箱を用意

 また、意外に軽視されがちなのが「ごみ箱を用意すること」です。生活をしていれば、ごみは毎日、溜まっていきます。生活はごみとの闘いといっても過言ではないくらいです。つい、一時しのぎでコンビニやスーパーのビニール袋などにごみを入れてしまいますが、そうしているとそれが「ごみ」であるという認識が失われていきがちなのです。気がつくと部屋のあちこちにごみが入ったビニール袋が散乱しているなどということになりかねません。ちゃんとしたごみ箱を用意してごみを捨てている人のほうが、部屋は散らからず綺麗に保てるのです。また、ごみ箱の中身が少量でも、必ずごみ収集日にはごみを出しましょう。ためこんで捨てるよりも、少ない量をこまめに捨てるほうが、実はラクなのです。

3.「身なりを清潔に保つこと」

 3番目は、身なりを清潔に保つこと、です。清潔な人は、人から信用されます。逆に、不潔だと思われたら、自己管理ができていない、つまり信用に値しないとみなされてしまいます。何日も同じ服を着たり、お風呂に入らなくなったり、掃除していない悪臭を放つ部屋で過ごしたりしていると、自分では気が付かないうちに周囲から「不潔な人」というレッテルを貼られてしまいます。

 汚れた服は洗濯し、その衣服を次に着るために畳んだりハンガーに掛けておく。部屋の掃除や換気をして、部屋に生活臭が染み付かないようにする。こうした毎日の生活の積み重ねがあなたを「清潔な人」にしてくれるのです。

自分を客観的に見るための鏡

 また、他人の目が自分をどう捉えているかを確認するために必要なのが鏡です。自分を客観的に見るために、全身が映るようなある程度大きめの鏡を置いてください。出かける前はあわただしくても、髪に寝癖がついていないか、服がくしゃくしゃでないか、襟元が曲がっていないか、下着が透けていないかなどを必ずチェックしましょう。また時にはじっくりと自分の姿を映して、寝不足で顔がむくんでいないか、食事が偏って肌が荒れていないかなども、他人の目になって確かめておきましょう。

ひとり暮らしに必要なこと

 もちろん、ひとり暮らしに必要なのは、上記の3つだけではありません。健康を保つこと、お金を管理すること、安全に暮らすこと……など、他にも、生き延びていくために必要なことはたくさんあります。辰巳渚さんの『あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいこと-ひとり暮らしの智恵と技術-』には、ひとり暮らしを始めて3週間、3ヶ月、半年……を目安に、その時々に必ず知っておきたいことが書かれていますので、ぜひ、参考にしてみてください。

INFORMATION

辰巳渚さんの遺作「あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいこと」(文藝春秋刊)の出版を記念し、1 月 12 日 ( 土 )14 時30分より池袋コミュニテイ・カレッジ(西武池袋本店別館8F)で特別講座を開催します。辰巳さんの生きた道を振り返り、「子どもの自立・母の自立・女性の自立~辰巳渚が遺したもの」をテーマに辰巳さんと親交のあった、光畑由佳氏(モーハウス代表)、 淀川洋子氏(家事塾代表)、 野上秀子氏(生活の学校代表・元セブンカルチャーネットワーク社長)による鼎談を行います。受講料5000円(書籍付き)。お申し込み、お問い合わせは(株)生活の学校(電話 03-6674-9681)まで。

(「文春オンライン」編集部)

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