松岡茉優、土屋太鳳、川栄李奈……年女「95年2月生まれ」女優が逸材すぎるワケ

文春オンライン / 2019年2月16日 7時0分

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1995年2月16日生まれ、24歳になった松岡茉優 ©文藝春秋

 きょう2月16日は、女優の松岡茉優の24歳の誕生日だ。一昨年から昨年にかけては、初の主演映画『勝手にふるえてろ』に続き、『blank13』『ちはやふる -結び-』『万引き家族』と出演映画があいついで公開され、その演技が高く評価された。今月6日には、第61回ブルーリボン賞・助演女優賞にも選ばれている。10月には主演映画『蜜蜂と遠雷』の公開も予定される。

土屋・川口・奈緒・川栄も「1995年2月生まれ」

 松岡と同じ1995年生まれには、土屋太鳳、川口春奈、奈緒、川栄李奈、相楽樹、佐久間由衣、早見あかり、森川葵、大野いとら、いままさに頭角を現しつつある女優が並ぶ。このうち土屋・川口・奈緒・川栄は、松岡とともに今月誕生日を迎えた。

 土屋太鳳(2月3日生まれ)と川口春奈(2月10日生まれ)は、映画にもドラマにもすでに多くの主演作がある。土屋は昨年TBS系で放送された連続ドラマ『チア☆ダン』が記憶に新しい。今月22日には、百田夏菜子とのW主演でスペシャルドラマ『約束のステージ~時を駆けるふたりの歌~』(読売テレビ・日本テレビ系)の放送が予定されている。土屋と川口は少女コミック原作の青春映画の常連でもある。川口は一昨年、『一週間フレンズ。』で、記憶障害を持つヒロインという難しい役どころを好演した。現在は、坂口健太郎と弁護士役で共演する『イノセンス 冤罪弁護士』(日本テレビ系)が放送中。また、来月1日には、松尾由美の同名小説を映画化し、高橋一生とW主演する『九月の恋と出会うまで』の公開を控える。同作には川栄李奈(2月12日生まれ)も親友役で出演している。

 土屋・川口・松岡は早くから芸能活動を始めている。土屋は10歳だった2005年、スーパー・ヒロイン・オーディションMISS PHOENIXで審査員特別賞を受賞。川口は2007年、中学生向けファッション誌『ニコラ』のオーディションでグランプリを獲得、同誌でモデルを務めるとともにテレビにも出演するようになった。松岡はもっと早く、8歳のときにスカウトされて事務所に所属、子役として活動を始め、2008年からは2年間、子供番組『おはスタ』(テレビ東京系)に「おはガール」の一人として出演した。

「キャリアは15年ですけど、不遇の時代もあった」

 もっとも、ずっと順風満帆だったわけではない。土屋の場合、事務所に所属してからしばらく役のオーディションに受からない時期が続き、ようやく2008年に『トウキョウソナタ』で映画デビュー、テレビドラマには2010年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』で初出演を果たす。NHKの連続テレビ小説『花子とアン』(2014年)にヒロインの妹役で出演したあとも次の仕事が決まっておらず、翌年の朝ドラ『まれ』のオーディションを受けた。当時は「朝ドラではヒロインの妹や親友を演じると主演できない」と言われており、ダメ元での挑戦であったが、見事にジンクスを打ち破り主役の座を射止める。最終審査では、部屋を出る際、監督やプロデューサーに「チャンスをください!」と訴えたという(※1)。

 松岡茉優も、『万引き家族』の是枝裕和監督とともに早稲田大学での講座に登壇した際、《キャリアは15年なんですけど、不遇の時代もあったので…きゅっとしたら5年です》と語っている(※2)。たしかに、芸能活動を始めてから、映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年)や朝ドラ『あまちゃん』(2013年)で注目を集めるまでほぼ10年を要した。

「元AKBの肩書で使ってもらえるけど、徐々に消えていくだろうな」

 川栄李奈は先の3人にはやや遅れて、15歳だった2010年にAKB48に加入する(それでも十分早いが)。AKB時代は、『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)の抜き打ち学力テスト企画で珍解答を連発するなど、どちらかといえばバラエティ寄りの印象があった。それが2015年のAKB卒業後は演技の仕事を本格化し、才能を開花させる。この展開には驚いたファンも少なくないだろう。本人も昨年のインタビューで、《お芝居がしたくてAKBを20歳の時に辞めたのですが、あの頃は今の状況を全く想像していませんでした。辞めた直後は元AKBという肩書で使ってもらえるかもしれないけど徐々に消えていくだろうな、と思っていましたから。きっと周りの人々も想像していなかったはず(笑)》と話している(※3)。映画『デスノート Light up the NEW world』(2016年)でサイコな殺人鬼を演じたかと思えば、現在放送中の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』では、神木隆之介扮する新米噺家のガールフレンドをコミカルに演じるなど、演技の幅広さにはすでに定評がある。昨年には初の主演映画『恋のしずく』も公開された。

 奈緒(2月10日生まれ)は、高校時代にスカウトされ、地元・福岡でモデルやレポーターとして活動を始めた。やがて演技のワークショップへの参加をきっかけに演じる楽しさを知り、女優に転身、上京する。20歳をすぎて、脚本家の野島伸司が総合監修を務める俳優養成スクール「ポーラスター東京アカデミー」の開設を知り、「こういうところで一から育ててもらいたい」と一念発起して1期生オーディションを受験、「特待生」に選ばれて1年間演技を学んだ(※4)。スクール在籍中の2016年に『雨女』で映画に初出演、昨年放送のNHKの朝ドラ『半分、青い。』ではヒロインの幼馴染を演じ、一躍注目された。

 

「安藤サクラさんは全女優にとって絶望的な存在」

 同年同月に生まれた5人の女優は、それぞれ違った個性を持ちながら、いずれも着実に成長を続けている。その源泉は強いモチベーションにあるのだろう。土屋太鳳は昨年、ヒロインを務めた映画『春待つ僕ら』の公開時、今後の目標として次のように語っていた。

《いくら体験を重ねても、それがきちんと経験にならないことが歯がゆくて。私の目標は歳を重ねることによって、例えば一つ一つの体験が点だとしたら、その点をしっかり線として繋いでいけるような人になりたい。今はまだ、点の状態が続いていて、線が描けていないので、やればやるほどお芝居は難しいなって感じることの方が多いですね》(※5)

 松岡茉優は、『万引き家族』がカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したあと、共演した安藤サクラに対する特別な思いをたびたび口にしている。先に引用した早大の講義では、《安藤さんの存在は全女優にとって絶望的な存在なんです。ウソでしょってくらい。絶望的に素晴らしい芝居をやられるんです》、《本当のことを言うと、カンヌで赤い絨毯を歩く上で、安藤さんと同じ笑顔で歩けないと思いました》と、“敗北”を認めた(※2)。

 また、昨年11月に、第10回TAMA映画賞の最優秀女優賞を安藤とともに受賞したときには、《嬉しくてたまらないのですが、もし、最優秀賞が1名だったら、わたしは確実にここにはおりません。完全な2位だと思っています》と述べている。さらに、《[引用者注:『万引き家族』での安藤のラストシーンを見て]悔しいと思えたことは(女優としての)一番の成長。サクラさんにいつか追いつきたい、追い越したいと思えるようになったのは、(2年前に)ここで女優として認めてもらったから》と、2016年に同映画賞で最優秀新進女優賞を受賞して以来、安藤を目標としてきたことを明かした(以上、引用は※6)。

 24歳となった彼女たちは亥年の年女でもある。皆、今年もきっと猪突猛進の活躍を見せてくれるに違いない。

※1 『週刊朝日』2017年3月31日号
※2 「FNN PRIME」2018年6月4日
※3 『キネマ旬報』2018年11月上旬号
※4 「まんたんウェブ」2018年5月13日
※5 『キネマ旬報NEXT』Vol.22
※6 「シネマトゥデイ」2018年11月17日

(近藤 正高)

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