ベストセラー移籍で出版社困惑 こんまりに“片づけられちゃった”理由とは?

文春オンライン / 2019年5月12日 6時0分

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著作の売り上げは全世界で1000万部超

〈コンマリ社が4000万ドル(約44億円)の資金を調達すべく投資ファンドと交渉中〉

 3月7日、米ニュースサイト『The Information』がそう報じた。コンマリ社とは“こんまり”こと近藤麻理恵氏(34)が夫と設立した会社。「片づけコンサルタント」がビッグマネーを呼び込む世界的ビジネスへと成長したその陰で、「生みの親」ともいえる出版社が“片づけ”られていた……。

◆ ◆ ◆

 2011年刊行の『人生がときめく片づけの魔法』がミリオンセラーになった近藤氏。同書は40カ国以上で翻訳され、米誌『タイム』の「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれた。

 16年に新たなビジネスチャンスを求め渡米し、さらにブレイク。今年1月には米映像配信大手Netflixが、氏の片づけ伝授番組『Tidying up with Marie Kondo』を配信開始した。

「『kondo』が“片づける”という意味の動詞になり、アカデミー賞授賞式に招かれるほどに。Netflixの出演料は高額。1本500万円ともいわれます」(ネットメディア関係者)

 というからまさにアメリカンドリームの体現だ。

 2月に近藤氏にインタビューした在米ジャーナリストの安部かすみ氏が語る。

「近藤さんは『organize the world』(世界を整理する)活動をしていきたいと話していました。投資文化が成熟しているアメリカでは、生まれたての会社も一夜にして急成長できます。近藤さんが認定する『こんまりコンサルタント』は世界中に増えており、出資は自然な流れでしょう」

 44億円の使い途は明らかになっていないが、

「“こんまりグッズ”を作成してネット販売したり、家庭用品やおもちゃの業界と組み、片づけで捨てられたモノをどう活かすかというビジネスも考えられます」(経済ジャーナリスト)

 再ブームを受け、日本の書店では『人生がときめく~』の「改訂版」が平積みになった。ところが……。

出版社は困惑「なぜ?というのはこちらもお聞きしたい」

「出版元が、サンマーク出版から河出書房新社に変わっているのです。単行本を文庫本にする際に他社に移ることはありますが、本書の場合、サイズが一回り小さくなっただけ。珍しいケースです」(出版関係者)

 ビジネス書や自己啓発本などで多くのヒット作を持つサンマーク出版。近藤氏もまた同社に見出され、知名度を上げた。なぜ、このタイミングで「生みの親」と訣別したのか。サンマーク出版の担当者は困惑気味にこう話す。

「出版契約が切れて、今後はご自分のところでコントロールしたい、とのことでした。『ご一緒したい』と申し上げましたが、いろいろお考えがあったのでしょう。なぜ?というのはこちらもお聞きしたい」

 一方、超大物を獲得した形の河出書房新社は、

「昨年、近藤氏のエージェントより、同氏の新企画(2020年刊行予定の次作の日本語版)および『人生がときめく片づけの魔法』『同2』の日本語版出版権のご案内を頂きました」

 と、近藤氏サイドからのオファーだったことを明らかにした。

 前出の出版関係者は「自らのブランド価値をより高めるため、老舗の河出から出すというビジネス上の判断でしょう。河出には最高の展開」と評する。真意を聞くべく近藤氏にも質問を送ったが回答はなかった。

 大胆な“片づけ”で出版社もときめかせる近藤氏。これもまた彼女の魔法。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年3月28日号)

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