レオパレスに新たな“建築基準法違反”疑惑

文春オンライン / 2019年5月8日 16時0分

写真

レオパレスの深山英世社長 ©共同通信社

 賃貸アパート大手「レオパレス21」(東京都中野区)で、建築基準法違反を含む施工不良の物件が発覚した問題。耐火や遮音のために各住戸間を仕切る「界壁」などに不備があった物件は、3月末までに1万4599棟に達している。

 だが、レオパレスの物件を巡って、新たな建築基準法違反の疑いがあることが、「週刊文春」の取材で分かった。

「週刊文春」は今回、レオパレスの物件を管理するオーナーと一級建築士が2月中旬に取りまとめた資料を独自に入手。そこに添付されているのが、数十枚に及ぶ“証拠写真”だ。

 界壁の不備も指摘された「ゴールド・レジデンス」シリーズのある物件は、ガス管を下の階から上の階に通すための貫通部に大きな穴が開けられたまま、放置されている。「コングラツィア」シリーズのある物件でも、ガス・浄水・排水・換気用パイプを下の階から上の階に通すための貫通部に大きな穴が開けられたままだった。

 一級建築士の森山高至氏が指摘する。

「本来ならケーブルや配管の貫通部にできた隙間は、耐火性素材で完全に埋める必要があります。少なくとも下の階の天井と上の階の床を耐火性素材で補強するか、ガスや給排水など配管類を納める空間を別に作らないといけません。ところが、隙間を放置している上に、写真を見る限り、上の階の床は木造なので燃え移りやすい。配管も燃えやすい塩化ビニール製なので不燃性素材で覆う必要がありますが、それもなされていない。非常に危険な状況だと言えます」

 どのような危険性が考えられるのだろうか。

「このワンルームサイズの居室であれば1階で火事が起きた場合、2階や屋外に到達するまで45分間持ちこたえなくてはいけないと建築基準法で定められています。仮にこの穴の近くで火がつければ、ものの数分で2階に到達することも考えられ、建築基準法違反の疑いが濃厚です」(同前)

 こうした貫通部に関して建築基準法違反の疑いがある物件の数は、「週刊文春」が確認しただけでも、少なくとも22件に及んでいる。だが、外部調査委員会が3月18日に公表した中間報告書にも、貫通部に関する不備については触れられていない。

 レオパレスに貫通部の施工不良について確認を求めると、以下のように回答した。

「当社は外部調査委員会の調査に全面的に協力をしておりますので、個別の回答は控えさせて頂きます。現在、施工不備問題に係る調査は、第三者の一級建築士にご協力頂きながら実施しており、これまでに確認された内容については、全て外部調査委員会に報告しております」

 現在も物件の全棟検査を行っている最中のレオパレス。新たな建築基準法違反疑惑の発覚は、今後の検査にも大きな影響を与えそうだ。

 5月9日(木)発売の「週刊文春」5月16日号では、貫通部に関する新たな建築基準法違反疑惑のほか、施工不良物件を管理する被害者の実名告白、レオパレス社員の不誠実な対応、杜撰な全棟検査の実態などについて、詳報している。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年5月16日号)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング