川崎・登戸の大量殺人犯は”池田小事件・宅間守”に似ている―—精神科医の分析

文春オンライン / 2019年5月29日 6時0分

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川崎・登戸の事件現場 ©文藝春秋

 5月28日朝7時40分ごろ、スクールバスを待っていたカリタス学園の小学生らが相次いで刺された川崎・登戸の大量殺傷事件。両手に刺身包丁を持ち18人を刺した男は、自分で首付近を刺し、病院で死亡が確認された。

 同市麻生区に住む51歳の丸刈り男、岩崎隆一はなぜこのような凶行に及んだのだろうか。

『無差別殺人の精神分析』 (新潮選書)の著書がある精神科医の片田珠美氏が、現在の情報から犯人の人物像を分析した。

「第一報を見て、典型的な無差別殺人であり、拡大自殺(自殺志願者が他人を道連れに無理心中を図ること)であると感じました。過去の拡大自殺の例を挙げると、横溝正史の小説『八つ墓村』のモデルと言われる『津山30人殺し』、アメリカでは12名の生徒と1名の教師が射殺された『コロンバイン高校銃乱射事件』など。犯行後に犯人が自殺しているという共通点があります」

 過去の大量殺人犯の犯人像と近いと思われるのは、2001年、児童8人を殺害した大阪・池田小事件の宅間守・元死刑囚だという。

「宅間は自殺を図ったこともあり、裁判でも控訴を取り下げるなど自暴自棄の傾向が見られました。無差別殺人犯の特徴は、人生に絶望し、でもおとなしく一人で死ぬのはいやだから、他人を巻き添えにしたいと考えることです。そこには自己顕示欲や承認欲求もある。2008年、秋葉原通り魔事件の加藤智大も無差別殺人犯ですが、不特定多数を狙った犯行でした。今回、登戸の犯人がカリタス学園の生徒さんをターゲットにしていたとしたら、エリート校である池田小を狙った宅間と近いものがあります」

 片田氏は、大量殺人を引き起こす要因として以下の6つを挙げた。

(1)欲求不満

(2)他責的傾向

(3)破滅的な喪失

(4)外部からのきっかけ

(5)社会的、心理的な孤立

(6)武器の入手

「通り魔的な大量殺人犯の動機は、自分を軽んじた社会への復讐です。その予備軍は、どこにでも潜んでいます」

写真=松本輝一/文藝春秋

(「週刊文春」編集部/週刊文春)

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