1万円札にふさわしいのはやっぱりあの人……「新紙幣アンケート」結果発表

文春オンライン / 2019年6月18日 6時0分

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発表された新紙幣のイメージ ©時事通信社

 4月9日、麻生太郎財務相から1万円、5000円、1000円の各紙幣を2024年に刷新すると発表された。20年ぶりの紙幣刷新、歓迎の声もあれば、反対の声もあり、まさに賛否両論、あらゆる意見が渦巻いた。

 そこで文春オンラインでは、 メルマガ会員 を対象にアンケートを行った。質問は以下のふたつ。

1)あなたは紙幣刷新に「賛成」ですか、「反対」ですか?

2)あなたが考える「新紙幣にふさわしい人物」は誰ですか? 1万円、5000円、1000円、それぞれ人物名をお答えください。

 投票総数663票、20代~80代の幅広い世代の男女が意見を寄せてくれた。賛成と反対、どちらが多かったのか。1万円にふさわしいあの人とは。早速、回答を見てみよう。

Q1. 紙幣刷新に「賛成」ですか、「反対」ですか?――賛成56.4%、反対43.6%という結果に

(円グラフ)

 結果は賛成が374票で、反対289票を上回った。賛成の理由として特に目立ったのは「偽造対策」と「新時代にふさわしい」という意見だった。

「元号も変わるし、偽札対策の印刷技術も進歩したのでかまわないと思う」(61・女)

「偽造防止になるし、新しい時代にふさわしいから」(41・男)

「紙幣刷新に賛成です。偽造防止と、それに伴う関連機器等への投資促進、景気浮揚への期待からです」(52・男)

 また、定期的に刷新すること自体に賛意を示す声もある。

「定期的に刷新した方が時代の流れを感じて良いと思う」(52・男)

「定期的に変えた方が国の経済が潤ってる感じがするから」(43・女)

 肖像に選ばれた3人への好印象も見られた。

「渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎、と明治維新のヒーローやヒロインではなく、男女問わず明治期の気骨あふれる人物で、本来国民がもっと知っても良い人物を選んだから」(55・男)

「個人的な話になりますが、亡き父が野口英世さんが千円札に決まったとき『(ライバルの)北里柴三郎はどうした?』と何度も申しておりましたので感慨深いです」(52・女)

 また、意外と多かった意見はこちら。

「反対する理由が思い当たらない」(51・女)

「反対する理由がない」(53・男)

 では、反対の意見も見てみよう。理由としてあがったのは「選挙対策」「キャッシュレス時代に逆行」という言葉が目立ち、また「選ばれた人物に馴染みがない」「デザインがイマイチ」という声もあった。

「参院選前の票欲しさが見え見え」(58・男)

「新元号フィーバーに乗った感じしかしない」(40・女)

「刷新自体は反対ではないが、発表の時期が早すぎる。元号発表と同じく安倍総理の手柄にしようというのが見え見え。麻生さんに発表させるのも何かありそうに思える」(69・女)

 つづいてキャッシュレス時代に逆行しているという指摘。

「これからキャッシュレスの時代に向かって行くのに、今さら無駄なコストを掛ける事になる」(62・男)

「キャッシュレスを推進しているのに、新しい紙幣に労力とお金をかけるのは矛盾しているから」(40・女)

「キャシュレス化を推進するならその対応への投資が必要であり、紙幣刷新は重複投資になるから。 金の心配をしたことのない政権中枢の人気取りの一環でしかない。税金の無駄遣い」(64・男)

 肖像に選ばれた3人に対してはこんな意見も。

「いまの若い日本人には知名度があまりないメンバーだから」(36・男)

「聖徳太子→福沢諭吉→渋沢栄一。日本人なら誰でも知っている人物からどんどん遠ざかっている」(40・男)

「『諭吉が飛んでいく』など福沢諭吉は1万円の代名詞であったが、『渋沢』や『栄一』では味がないし代名詞にならなそう」(40・女)

「知らない人にするくらいなら、柴犬、秋田犬、たぬき、ニホンカモシカなど動物にした方がいい」(43・女)

 デザインに対する意見も目立った。

「紙幣のデザインが子ども銀行券っぽい」(41・男)

「あまりピンとこない人物の起用とデザインがチープな気がするので」(29・女)

「刷新することはいいけど、新しい紙幣として出された案が洗練されてないイメージ(特に数字)」(44・女)

「紙幣刷新自体に反対ではありませんが、デザインに反対です。数字の部分に違和感があります。日本のお札なので漢数字や額面数字の位置はそのままで、額面数字を多少大きくするので良かったでは?」(39・女)

 そして毎日お金を扱う現場からはこんな切実な意見も。

「面倒くさい。定食屋を経営しているが、特に高齢の母親はレジに不安を持っている。せめてお札の人物は一緒にしてほしい」(55・男)

Q2.1万円札にふさわしい人物は誰ですか?――“レジェンド”聖徳太子が貫禄の1位

 トップはお札界の“永遠のセンター”といってもいい聖徳太子。2位を大きく引き離す89票を集めた。

「やはり遠く離れた歴史上の偉人の方がよい。福沢諭吉や渋沢栄一のような近世の功労者は、企業や学閥や文壇などの色がついていて、紙幣に有難みが無い」(53・男)

「子供の頃の記憶では、高額なのはもちろん、聖徳太子の神々しさが更に1万円札の価値を上げていた」(52・男)

「永遠に聖徳太子のままで良かったのではないか。1万円札の永遠のアイコンであると思う」(48・男)

「高額紙幣はやはり聖徳太子しか居ない」(71・男)

 さすが聖徳太子、中高年層を中心に抜群の信頼感だ。

 2位は“前任者”の福沢諭吉。なじみがある、という意見が大勢を占めた。

「偽造防止という刷新理由からすると、人物の変更まで必要ないのでは? デザインを変えるだけで充分と考える」(60・男)

「ずっと諭吉だったので諭吉以外になると違和感」(34・女)

「諭吉さんの顔みるとお金持ちの気分になる」(42・女)

 3位は2位と1票差で坂本龍馬。

「知名度もあり、日本人はみんな好きだから」(35・女)

「誰もが認める日本史の英雄だから」(49・男)

「紙幣にプレミアがつきそうなので」(46・女)

 今回選ばれた渋沢栄一は惜しくも4位。ここでランキング外の少数意見も見てみよう。

キティちゃん「世界中で認識されていて、ほしくなる人が世界中にいそう」(55・男)

鉄腕アトム「麻生さんが喜びそう」(60・女)

スカイツリー「人物より日本を、象徴する建造物の方がいいと思う」(34・男)

Q3.5000円札にふさわしい人物は誰ですか?――女性がベスト3を独占

 5000円札は前回の改刷で、日本銀行券の表面の肖像としては初の女性となる樋口一葉が選ばれた。そのイメージが強いのか、このアンケートでも女性がベスト3を独占。トップは与謝野晶子だった。

「時代の先端を行っていた女性だと思うから」(40・女)

「作家としても有名で、日本初の男女共学校『文化学院』の設立者でもあるから」(26・女)

「樋口一葉の次なら、与謝野晶子もありだったと思う」(46・男)

 2位にはトップと2票差で今回選ばれた津田梅子が入った。

「津田梅子で良い。女子教育の先駆者であり文句なし」(73・男)

「高等教育の基盤を作った方だから。女性の紙幣はうれしい」(58・女)

「今、政治、経済、教育などあらゆる分野で、女性の力が必要とされており、女性能力向上の礎を築いた津田梅子がベストな人だと思う」(78・男)

 3位は芸能の世界から美空ひばりが票を集めた。

「昭和最高の歌姫なので」(43・男)

「芸能界の人物がお札に採用されても良いと思うが、もし選ばれるなら美空ひばりだと思う」(52・男)

「戦後の苦しいかったであろう時代に、人々を楽しませたと思うので」(50・女)

 5000円札の少数意見も見てみよう。

花咲かじいさん「お金をどっさりというイメージがいいし、外国人に日本の民話を説明できる。また日本の子供に民話を親しく感じさせる」(80・女)

Q4.1000円札にふさわしい人物は誰ですか?――大接戦の末、北里が手塚をおさえる

 1000円札は過去に、夏目漱石や野口英世ら文化人・科学者が選ばれてきた枠。実際に選ばれた北里柴三郎、手塚治虫、西郷隆盛、三つ巴の大接戦となった。

「近代医学の先駆者で良い」(70・男)

「高齢化が進む中、健康、医療はこれからの日本においてとても大きな課題。北里氏を選んだことはしっくりくる」(61・女)

「破傷風菌を発見して、多くの人の命を助けた。今の医療を確立した父と言える。最適な人です」(78・男)

 1票差で2位の手塚治虫には熱い意見が集まった。

「日本の文化に大きな影響を与えた偉人だから。クールジャパンも手塚治虫なしではあり得なかった。手塚キャラがささやかに隠れていると、見た目も楽しいし、世界中で欲しがられると思う」(42・男)

「アトムの千円札なんて楽しい。一番使うお金だから親しみやすく」(62・女)

「紙幣にアトムや火の鳥、ジャングル大帝の絵柄があれば、子供にとっても身近な存在になると思う。そして、手塚治虫の偉大さと作品の意味、お金の大切さを伝えるツールになると思う」(44・男)

 大河ドラマでもおなじみとなった西郷隆盛。知名度を評価する声が多かった。

「国民的人気があるし、庶民的でいいと思う」(43・男)

「千円札が一番見る機会が多いと思うので、有名な方で」(55・女)

「日本の歴史において外せない人物です」(69・男)

 1000円札の少数意見も見てみよう。スポーツ界から先日引退を発表したイチローが10位に食い込んだ。

「北里さんももちろんいいですが、ポピュラーな千円札くらいちょっと遊び心があってもいいのかなと」(56・男)

 国民栄誉賞のように、もし選ばれても辞退するかもしれないが……。

 以上、バラエティに富んだ意見が集まった今回のアンケート。ご応募いただいたみなさん、ありがとうございました。

(「文春オンライン」編集部)

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