35℃越えの日こそ冷たいそば! 山手線一周「冷がけ麺の旅」大崎~代々木編

文春オンライン / 2019年8月6日 11時0分

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山手線(西側)冷がけそばの旅前半は大崎からスタート

 7月29日、関東地方でもようやく梅雨が明けた。「金鳥の夏」、そして「冷がけそばの夏」の到来である。

 冷がけそばは老舗のそば屋ではあまりみかけない。むしろ立ち食い大衆そば屋などでよくみかける。もり汁とかけ汁の中間位の返しの濃さで、冷たいそばに冷たいつゆをぶっかけて食べる。

 そこで、祝梅雨明けということで、山手線西側(大崎駅~代々木駅)で冷がけそばを巡る旅に出てみることにした。( 「#2 新宿駅~駒込駅編」も公開中 )

◆◆◆

(1)大崎駅構内 電車を眺めながら「冷やしむじなそば」

 まずは大崎駅からスタートである。大崎駅構内にある「生そば・うどん あずみ」はかつては飯田橋や新橋にもあった馴染み深いそば店である。ここはカウンター席から、線路やホームが階下に見下ろせて、埼京線や山手線を間近に見られる。朝から大崎界隈のオフィスワーカーが仕事をしたり、スマホをみながらそばを食べている。きつねとたぬきが入った「冷やしむじなそば」(600円)は生麺でコシもしっかり。鉄そば気分を満喫できる。

(2)五反田駅すぐ 焼きそば有名店の「冷やし天ぷらそば」

 JR五反田駅と東急池上線の間のガード下にあるスタンドそばが「後楽そば」。有楽町から2018年移転してきた昭和47年創業の老舗店である。自社で製麺工場も持ち、「焼きそば」で有名なお店だが、生麺茹で上げのそばも細目でコシがあり人気である。「冷やし」は温かいそばの20円増しで提供されている。「冷やし天ぷらそば」(440円)はシャキッと冷えたつゆとそばでうまい。夜にはビールや酎ハイなども提供している。〆の一杯には最適だ。

(3)目黒駅 昭和の姿を残す「田舎」で「冷やし春菊天そば」を

 目黒駅界隈はここ数年で高層ビルが立ち並んで、ずいぶん様変わりしてしまった。しかし、駅前の「立喰そば 田舎」だけはずっと変わらない昭和の姿である。中野駅前の「かさい」と同様、暖簾にカウンターだけの吹きっさらし。5人も入れない狭小店舗だ。麺は茹で麺、つゆは出汁の利いた濃い目のタイプ。プラス20円で冷やしに変更できる。「冷やし春菊天そば」(410円)を注文すると、湯切りした麺を冷やしてすぐ登場した。常連のお客さんと大いに語る大将も元気でなによりだ。相変わらずアジ天が人気。さっと食べて行く常連がほとんどだ。昔は毎週のように通っていたものだ。

(4)渋谷駅 女性客で賑う「しぶそば」の「たっぷり野菜のサラダそば」

「しぶそば」は最後の本流的な風格がある、本格的な立ち食いそば屋だ。昔は「二葉」として人気であったが、運営会社が(株)東急グルメフロントとなり誕生した。いま女性にも支持されている人気そば店である。従業員がクリアマスクをつけたり、接客も申し分ない。麺は生麺を使用し、新規メニュー開発も盛んで、利用客を飽きさせない名店である。

 午前11時過ぎに伺ったが、女性客が半分以上。家族連れも多い。渋谷店には花番さんがいて、注文と同時にマイクで「おすすめ~」などと厨房に注文が流れる仕組み。今のおすすめ「たっぷり野菜のサラダそば~蒸し鶏つき~」(580円)を注文し、しばし待つと店員さんが運んできてくれる。コシのある生麺と冷たいつけ汁。トマト、水菜、むらさき玉ねぎ、レモンに蒸し鶏がのって登場する。お好みで聖護院かぶらのドレッシングをかけて食べる仕組みだ。爽やかなこの夏イチオシの逸品である。

(5)原宿駅 明治神宮の森の中で食べる「冷やしたぬきそば」 

 原宿駅からすぐの明治神宮の参道に入る。樹木が高く鬱蒼としている。そしてその右側の緑の道を5分位歩くと、森の中にフォレストテラス明治神宮の真新しい施設が現れる。まさに梅雨明けの瑠璃色の空である。蝉の鳴き声もすごい。

 ちょうど午前10時過ぎに訪れたのだが、外国人の観光客や散歩がてらの地元の人が外の席に座ってくつろいでいる。

 CAFÉ「杜のテラス2nd」では、パンやピザ、ケーキ、コーヒーなど、そして、「NOODLE & RICE BOWL」ではそばや丼物を食べることができる。座席はウッディなテーブルと椅子で、天気が良ければオープンスペースで食べることもできる。

 冷がけそばは「冷やしたぬきそば」(750円)が季節限定であったので、早速注文した。すると厨房で生麺を茹で始めた。数分で注文番号が呼ばれたので取りに行き、窓際の席に座った。森を見ながら食べる「冷やしたぬきそば」は格別だ。生麺の茹で上げ、たぬきとかまぼこがのって、ちょうどいい濃さの冷たいつゆがかかっている。コシもあり爽やかな味だ。

 ここはまさに都心の隠れ家的存在だ。平日の昼間なら空いているという。平日のランチ利用には最高の雰囲気である。是非ともおすすめである。

 ここで一句「冷がけの 蕎麦を啜りて 瑠璃の空」

 

(6)代々木駅5分、明治通り「吉そば」で「冷やしごぼう天そば」

 さて、明治神宮から代々木駅へ歩いて行く。まさに梅雨明け、夏空である。代々木駅周辺は昔とあまり変わっていない気がする。駅前の「傷だらけの天使のロケ」に使われていたビルはもう閉鎖されていた。大衆そば屋では、今は「吉そば」が代々木駅前店、代々木店とあり元気だ。早速代々木店に昼頃到着したので、「冷やしごぼう天そば」(440円)を食べることにした。「吉そば」は(株)ノアが運営するチェーン店である。天然素材を使い、国産そば粉を使用している。

 ごぼう天は春菊天とならび、「吉そば」の定番の天ぷらである。太く切ったまま揚げるごぼう天はその歯ごたえといい存在感がハンパない。麺は生麺でやや太めのタイプでなかなかよい。つゆもしっかりとして冷たい。

「冷がけそばの旅」はまだまだ続くのであった。( 「#2 新宿駅~駒込駅編」へ。 なお、恵比寿駅周辺では、「富士そば」が定番ですが、後述の巣鴨駅のコーナーでまとめて記載しています)

写真=坂崎仁紀

INFORMATION

◆大崎駅 
生そば・うどん あずみ 大崎店

東京都品川区大崎1-21-4
営業時間 平日6:45~22:00(L.O.21:55)
土日祝8:00~20:00(L.O.19:55)

◆五反田駅
後楽そば

東京都品川区東五反田1-26-6
営業時間 火~金6:00~24:00、月・祝翌日は6:30~24:00
土日祝10:00~20:00

◆目黒駅
立喰そば 田舎

東京都品川区上大崎2-27-4
営業時間 月~土4:30~22:30
日祝 4:30~14:00
定休日 第2・4日曜日

◆渋谷駅
本家しぶそば

東京都渋谷区渋谷2-24-1 東急百貨店東横店南館2F内
営業時間 平日7:00~23:00(L.O.15分前)
土日祝7:00~21:00(L.O.15分前)
http://www.shibu-soba.jp/

◆原宿駅
フォレストテラス明治神宮「NOODLE & RICE BOWL」

東京都渋谷区代々木神園町1-1 フォレストテラス明治神宮
営業時間 9:00~閉門時間(L.O.30分前)
https://www.meijikinenkan.gr.jp/forestterrace/facility/moricafe2.html

◆代々木駅
吉そば 代々木店

東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-5
営業時間 24時間営業
http://www.yoshisoba.jp/menu/

夏限定の神メニュー「豆腐そば」もう食べた? 山手線一周「冷がけ麺の旅」新宿~駒込編 へ続く

(坂崎 仁紀)

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