菅官房長官、女性はお嫌いですか?――次の総理候補ナンバー1と60分

文春オンライン / 2019年8月21日 5時30分

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©Takuya Sugiyama

 政治家にとって重要なのは、やっぱり人間性。最近とくにそう思わないだろうか。だからと言って、わかりやすいポピュリズムにも用心だ。で、いま私たちが最も真価を見極めるべきといえば、この人だろう。東大出のエリートでも二世でもない。叩き上げ政治家70歳の素顔とは――。

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 まずは、次の写真を見てほしい。安倍政権の屋台骨として隠然たる力を発揮しているといわれる菅義偉内閣官房長官(70)とパンケーキ。この設定、小誌が無理やりセッティングしたわけじゃない。

「菅官房長官の人間性に迫るインタビューをしたいので、母校の思い出の場所とか、ご自宅の書斎など、プライベートの顔が垣間見られる場所を選んでいただけませんか?」

 そう依頼したら、長官の指定が「好物のパンケーキを食べながら」だったのである。場所は永田町からほど近い、東京紀尾井町のホテルニューオータニ。奇遇にも文藝春秋の近所だ。

 7月上旬の某日の午後。2階のカフェ「SATSUKI」は、菅事務所の予約で、長官がいつも座るという一角がおさえられていた。忙しい選挙戦の合間。約束の時間きっかり、菅官房長官は屈強なSPを従えて足早に入ってきた。おなじみの媚びない無表情は、目が合った瞬間、親しみやすい笑顔になる。

――今日は『週刊文春WOMAN』の取材です。女性版の週刊文春で、正月に創刊したばかりです。

 あるんですね。知らなかった。(と、おもむろに立ち上がり)席を替わりましょう。秘書官や番記者が奥で、私はいつも手前に座るから落ち着かない(苦笑)。(編集部が奥のソファ、自身は通路側の椅子に座ると、納得の笑みを浮かべて)女性誌の取材を受けるのはあれだな、スープカレーダイエットをしたとき以来です。

――野党時代ですね?

 そう、自民党が野党になって時間があったから、ダイエットに取り組んだんです。毎朝スープカレーを食べて、4カ月で76キロから62キロに、14キロも痩せました。そのときは女性誌の取材を結構受けました。今日はそれ以来、約10年ぶりです。

――今日はなぜ「SATSUKI」でパンケーキを食べる姿を公開しようと思われたんですか?

 何となくここに来るとホッとするんですよね。いつからかパンケーキが好きになってよく食べてまして、ここは1、2カ月に一回くらいのペースで事務所の人間や記者と一緒に来ます。プレミアムフライデーのときなどには、番記者との懇談会もやっています。いまは女性の番記者がいないので、全員男でパンケーキ(笑)。

――「パンケーキ」はリコッタチーズ入り、一緒に召し上がった「ブリオッシュフレンチトースト」もバターと砂糖がたっぷりです。そこにメープルシロップもたっぷりかけてましたね?

 甘いものに目がないんです。自宅に近い、横浜の「bills」には妻と行列に並んだこともあります。

――じつは小誌は創刊時から菅官房長官にインタビューする機会を窺っていました。第二次安倍政権の発足とともに官房長官に就任されて、ほかの閣僚は交代していく中、既に6年半。官房長官歴代一位の在職期間を更新し続けています。でも以前は、残念ながら……知名度が足りなかった(笑)。

 いや、当然でしょう。

――それが「令和おじさん」で一般の女性からの注目度、人気度が急上昇しました。でも一方で、官房長官会見での東京新聞の女性記者への対応などを拝見していると、「男社会のルールに染まらない女性を鬱陶しがるタイプの人ではないか?」と見えるんです。実際はどうなんでしょう? 女性嫌いなんですか? 

 それは決してないです。そう思われてしまうのは残念ですよ。私は性別問わず、きちんと仕事をする人が好きです。たとえば、NPOの活動をされている方には仕事柄よくお会いしますが、圧倒的に女性が多い。皆さん、すごく芯が強いなと感心します。

――意見を参考にされている女性のブレーンはいらっしゃいますか?

 それは、もちろんいますよ。私は政治家というのは、いざというときに自分で判断できるように、色々な世代、色々な立場の人から、つねに情報を得ておくことが大事だと思うんです。政治的な立場の違いは気にしません。色眼鏡で見る人が多いですけど、私はいわゆる左系の人ともお付き合いします。

――名前を挙げるとすると?

 名前はちょっと。相手に迷惑かけちゃうからね。でも私は一度付き合ったらものすごく長い。(横浜)市会議員時代から30年以上の人もいます。若いときに新聞・テレビの横浜支局にいた人が後に番記者になって……と、長年一緒に成長してきた人も結構います。中には「菅さんのことを最初から知っているのは私だけ」と威張っている人もいますよ(笑)。

――番記者に女性がいないのはなぜでしょう?

 数カ月前に一人いたんですが……。やはり官房長官は朝から晩まで働き詰めですから、女性だとそのペースになかなかついて来られないからでしょうか。一日の途中で交代する社もありますが、ほとんどの会社は一人で担当しているから。

――多忙すぎて、この6年半、一度も横浜の自宅に泊まっていないというのは本当ですか?

 危機管理が職務のひとつですから、基本的に官邸の周辺から離れることはありません。一日2回の定例記者会見もありますし、長官としての職務とは別に、朝、昼に一件ずつ、夜は2~3件の会合を入れて、情報収集するということを長年してきました。私は酒が苦手で、それこそ若手時代は飲まされて吐くこともあったんですが(笑)、人の話を聞くのは好きなので酒席が苦ではないんです。就寝中も枕元の携帯の音量は上げておき、連絡がきたらワンコールで目覚めます。

※記事の続きは「 週刊文春WOMAN 2019夏号 」でご覧ください。

※記事の続きは「 週刊文春WOMAN 2019夏号 」でご覧ください。

菅 義偉 Yoshihide Suga
1948年12月6日、秋田県雄勝郡秋ノ宮村に農家の長男として生まれる。法政大学法学部卒。衆議院議員秘書、横浜市会議員を経て、96年、衆議院議員選挙に初当選。総務大臣などを歴任し、2012年12月より内閣官房長官を務める。

(「週刊文春WOMAN」編集部/週刊文春WOMAN 2019夏号)

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