橋下徹が安倍政権に「無責任だ!」 三浦瑠麗に語った“安保法制最大の欠陥“とは?――文藝春秋特選記事

文春オンライン / 2019年9月3日 5時30分

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橋下徹氏 ©文藝春秋

「文藝春秋」9月号の特選記事を公開します。(初公開 2019年8月10日)

 中東ホルムズ海峡を航行する船舶を護衛する「有志連合」の結成を呼びかけた米トランプ政権。「自国のタンカーは自国で守るべき」と主張するトランプ大統領は、中東の石油を輸入する日本など各国に有志連合への参加を強く迫っている。これに対し、安倍政権はホルムズ海峡への自衛隊派遣について、態度を明確にしていない。

 果たして、政府はどう対応すべきなのか。

「日本の船舶は日本が守る、と打ち返すべきだ」

「文藝春秋」9月号 の国際政治学者・三浦瑠麗氏との対談で、「トランプ大統領には『日本の船舶は日本が守る』と打ち返すべき」と語っているのが、元大阪市長・橋下徹氏だ。

三浦 7月に入ってトランプさんは、イラン沖を航行する船舶を護衛する「有志連合結成」を呼びかけましたね。橋下さんならどう対応しようと考える? トランプ政権の高官は「アメリカは他国の船を護衛しない」と言い、日本政府は対応に苦慮しているようだけど。

橋下 これもトランプ流の剛速球。日本の船舶は日本が守る、と打ち返すべきだ。こんなの当たり前のことなのに、これまでアメリカが守ってくれていたから、自衛隊は出せない! なんて無責任なことを言えていただけ。日本のエネルギーの生命線を日本が守らずして誰が守る!

三浦 あら、熱い(笑)。専守防衛や集団的自衛権の議論がちゃんと出来ていればよかったんですけどね。

「安倍さんにはできない?」「いや、やって欲しい」

 日本政府が派遣見送りの方針を固めた背景には、イランとの伝統的な友好関係に加え、法律面での制約があったことも大きい。自衛隊法の「海上警備行動」に基づく場合、日本の船舶しか護衛できず、有志連合として共同で行動することは難しいとされる。海賊対処法は、攻撃の主体が「海賊」に限られてしまう。

 一方、集団的自衛権の行使も簡単ではない。今回のケースを、密接な関係にある他国への武力攻撃によってわが国の存立が脅かされる、安全保障関連法の「存立危機事態」と認定するには無理があるからだ。

橋下 ここは安倍政権の安保法制の最大の欠陥であり、こここそが野党の最高の追及ポイント。ホルムズ海峡の危機の話は集団的自衛権の話ではなく、まずは個別的自衛権の話として対応すべきこと。安倍さんは集団的自衛権にこだわって存立危機事態概念を作ってしまったので、さすがにホルムズ海峡での集団的自衛権の行使はまずいと思って動けない。でも個別的自衛権の派生である海賊対処法の延長線上に、日本のタンカーを自衛隊が守ることのできる法律をまずはしっかりと作ればいいだけだと思う。

 その上で、次は他国軍隊とのチームワークをどうするかを考えればいい。ここは激しい議論になると思うけど、これはタンカーを他国軍隊と共同で守る話なので、他国を守る集団的自衛権の話そのものではない。どの法律も使えないと弱音を吐くのではなく、イランを攻撃する意図はまったくないことを宣言しながら、日本のタンカーをしっかりと守る法律を作るべきだと思う。

三浦 安倍さんにはできない?

橋下 いや、やって欲しい。

「文藝春秋」9月号 に掲載された「トランプ日米安保破棄発言はチャンスだった」では、橋下氏と三浦氏が、6月末のG20前に飛び出したトランプ大統領の「日米安保破棄」発言にどう対応すべきか、専守防衛の枠組みを見直すためには憲法改正は必要か否か、ロシアとの北方領土交渉をはじめとした安倍首相の外交手腕などをテーマに徹底議論している。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2019年9月号)

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