【青梅強盗殺人】「1億円が入っている」と札束ケースを自慢……男性を殺した2人組の逃走手口

文春オンライン / 2020年1月14日 6時0分

写真

逮捕された野村容疑者 ©共同通信社

 泥棒に所蔵品の贋作を見抜かれるオードリー・ヘップバーン主演の映画「おしゃれ泥棒」は喜劇だったが、現実は悲劇に満ちている。

 警視庁青梅署は昨年12月27日、強盗殺人などの疑いで野村俊希容疑者(25)と韓国籍のハン・イルイン容疑者(31)を逮捕した。殺害された東京都青梅市の無職・小川和男さん(67)は、周囲に「1億円が入っている」というジュラルミンケースを見せびらかしていたというが……。警視庁担当記者が解説する。

「14日の午前2時前、小川さんが『中年で小太りの男が泥棒に入ったようだ』と110番通報。その際、室内を物色していたとみられる2人が小川さんの頭を鈍器のようなもので殴打し、逃走しました」

 周辺の防犯カメラの捜査から足取りが分かり、新宿・歌舞伎町で逮捕に至った。

「2人は近くの山中にしばらく身を潜めた後、事情を知らない知人に八王子駅まで車で送ってもらい、駅付近で服を購入してから新宿に電車で移動したようです。その後は漫画喫茶に寝泊りし、飲食店のキャッチをしながら約2週間も潜伏生活をしていたというから大胆といえば大胆です」(同前)

 交通費を切り詰めたのか、防犯カメラが張り巡らされた路線バスと電車を乗り継いで小川さん宅に向かっており、逮捕は時間の問題だったといえる。一方、周到に逃げ続けている“第3の男”もいるという。

情報提供役や首謀者がいた可能性

「2人は京都の建設会社で一緒に働いていたということもあり、体格はガッチリしていて、通報のような小太りではありません。付近の防犯カメラには2人とは別の黒ずくめの男の姿と、2台の不審な車が映っており、1台は愛知県方面に逃げたという情報もあります。捜査一課は情報提供役や首謀者がいた可能性もあるとして、黒ずくめの男らの行方を追っています」(同前)

 情報提供役、とはいってもその“情報”自体はかなり不正確だったようだ。

「確かに小川さんは、周囲に帯封付きの1万円札の詰まったケースを見せて回り、自宅からケースも見つかったが、表面に敷き詰められた約10枚以外はただの紙切れでした」(捜査関係者)

 台所にはポリ袋に入った現金300万円も残されており、強盗団はほとんど何も見つけられずに逃げ出した可能性が高いという。

 捜査関係者は今回の手口について、平成初期に頻発した、日本人が情報提供役、中国人が実行役を担った日中混成強盗団との類似を指摘。「手口は杜撰な面もあるが、車を2台に分けるなど組織性もある」という。

 たとえ金を持っていても「沈黙は金」を貫いたほうが、防犯上は良さそうだ。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年1月16日号)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング