平野帝国に三毛頭取の逆襲か 三菱UFJ“理系トップ”に暗闘

文春オンライン / 2020年1月27日 6時0分

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平野信行FG会長 ©共同通信社

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は、1月17日、亀沢宏規副社長(58)が、4月1日付けで社長兼最高経営責任者(CEO)に就任すると発表した。三毛兼承(かねつぐ)社長(63)は代表権のある副会長となり、三菱UFJ銀行頭取に専念することに。

 亀沢氏はどんな人物か。

「東大大学院で数学を専攻し、86年に旧三菱銀行入行。デジタル通貨のMUFGコインの事業化を主導するなど、IT分野に精通しています。気さくな性格から“カメちゃん”と呼ばれ、フィンテック企業の経営者ともパイプが深い」(三菱UFJFG関係者)

 3メガバンクで、理系出身者がトップに昇りつめるのは初めてとなる。

 今回の人事について、こんな伏線があったと他のメガバンク幹部が明かす。

「昨秋、日本経済新聞から3メガに対し、理系出身のトップ候補を挙げて欲しいと要請があった。11月12日に亀沢氏が有力視されているという記事が出て、早晩交代すると予想していましたが、まさかFG社長と銀行の頭取の年次が5歳も逆転するとは驚きました。旧来のようなやり方では、トップバンクの三菱UFJでも生き残れないという危機意識の現れなのでしょう」

 大手金融機関幹部がこう続ける。

「三毛氏が人事案を描き、平野信行FG会長(68)の了承を得たと聞いている」

 平野氏は、1年間ほぼ休まない仕事人間だという。

「地方の取引先企業が主催する泊まり込みのゴルフコンペに参加したときも、土曜日なのに途中で『記者会見の準備があるから、銀行に帰る』と言い出した」(平野氏を知る財界人)

 こんなエピソードも。

「平野氏は母校である京都大学の金融界代表幹事に就いたのに、就任会合を欠席した。それほどまでに超合理主義者なんです」(同前)

三毛氏が亀沢氏を引き上げた理由

 異例ずくめのトップ人事は今回が初めてではない。

「海外畑の三毛氏が頭取に昇格したのは17年6月。前任の小山田隆頭取が体調不良を理由に退任し、平野氏の指名による緊急登板でした。その背景に、当時FG社長だった平野氏と小山田氏の確執があったとみられています」(前出・関係者)

 そして、19年4月、平野氏はFG会長に、三毛氏はFG社長兼頭取に昇格。

「平野氏はFG会長には旧三和銀行出身者が就くという不文律を破った」(同前)

“平野帝国”が完成したように見えるが……。

「三毛氏は平野氏とギクシャクし、距離を置きつつあるそうです。そこで、アメリカ駐在時代からよく知っている亀沢氏を引き上げたと言われています」(同前)

 もう一波乱が起こるか。

(森岡 英樹/週刊文春 2020年1月30日号)

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