「東出・唐田不倫」はなぜ許されないのか 女性たちが激怒する“イクメンヅラ”3つのポイント

文春オンライン / 2020年1月26日 16時0分

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東出は2013年9月からのNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」で杏と共演したことが結婚のきっかけだった ©文藝春秋 

「週刊文春」1月30日号が報じた、俳優・東出昌大(31)と9歳下の女優・唐田えりか(22)との不倫が大きな話題となっている。東出は妻で俳優の杏(33)とは2015年元旦に結婚。2016年には双子の女児をもうけ、2017年には長男が誕生。2人は芸能界きってのおしどり夫婦として知られていたが、週刊文春の報じた東出の“裏切り”に多くの女性が怒りの声を上げている。

 世の女性たちが立腹しているのは、杏が第三子妊娠中にとった東出の言動である。

 当時、杏は身重で必死に双子を育てて家事をこなしながら、唐田と親密な関係に。東出はイクメンとしてメディアでも取り上げられていたが、実情は違った。「帰宅すると同時に温かい料理が用意されていないと、ぷいと怒って外に飲みに出てしまう」という証言を紹介している。

「妊娠中の不倫に、双子と年子(1歳違いの子供)も抱えて、日ごろと同じ水準の家事を夫が要求している。この状況は非常に危険です」

 こう説明するのは、産後うつに詳しい専門医で、青山すみれクリニックの院長を務める坂本里江子氏だ。産後うつに悩まされる女性は多い。2018年には国立成育医療研究センターが妊産婦死亡の原因の中で自殺が最も多いと発表。自殺者の多くは産後うつの状態だったと言われている。坂本氏は今回の件について、こう指摘した。

「出産する女性にとって妊娠から出産期は環境が大きく変化し、大きな不安を感じやすい時期です。身体もホルモンバランスも激変し、働いている人なら休職や復職などで生活環境も変わる。産後は体力も落ちる。さらに自分がいなければ死んでしまうかも知れない幼子を抱えるプレッシャーは相当のものです」

妻を産後うつに追い込む、夫の心ない言動

 このような時期の夫の心ない言動は、母親をさらに追い詰める可能性があるという。

「育児に追われる母親に対し、『どうして子供がいないときと同じように家事ができないんだ』と怒る夫もいます。杏さんのように3人も子供を抱えていれば料理や家事は、以前のようにできなくても仕方ありませんが、怒られたことで『自分はあれもこれもできないんだ』と思い詰めてしまう母親も少なくありません。不倫云々以前の問題として、子供を抱える母親にとって、パートナーが自分でできる家事さえしなかったり、家のことを押しつけて飲み歩いたりする行動は、それだけで産後うつのリスクになるのです」(同前)

 SNSなどでは「多胎育児」の苛酷さを顧みず、不倫に走った東出への批判も数多く見られた。多胎育児とは双子以上の育児を同時に行うことである。不妊治療が一般的になるにつれ、双子の出生が増えてきたことで、その大変さが社会問題となっている。

 保育や教育をテーマにするジャーナリストで、名寄市立大学特命教授の猪熊弘子氏は、こう述べる。

「杏さんの場合、最初のお子さんが双子。これは想像を絶する大変さです。初めての育児でわからないことばかり。『ちゃんと息しているのかな』『これでいいのかな』と不安を抱えて気が休まらないし、交互に授乳やお世話をするので1日に30分も眠れない日が続きます。それ以前に妊娠中から母体にはかなりの負荷がかかります」

 猪熊氏自身も4人の子供を育てた経験を持つ。そのうち第三子、第四子は双子だ。

「私自身も双子を出産した経験がありますが、体への負担が大きく、腎臓を悪くした時期もありました。杏さんの場合は双子のあとに、年子の長男も出産しています。年子の子育ても双子と同じ位か、それ以上に大変なのです。1歳になると動き回れるようになる分、子育てには肉体的にも精神的にも大変です。そこに生まれたばかりの赤ちゃんがいるとなると、授乳をしながら、上の2人のお世話もしなければならない。ほとんど三つ子を育てているのと同じで、眠れない毎日がさらに続いたはずです」(同前)

冷却期間? 子育て世代の“イクメンヅラ”する夫

 猪熊氏は“イクメンヅラ”していた東出の裏切りについても、もの申したいという。

「杏さんたちの若い世代は男女とも家庭科の授業を受け、共働きを前提に協力して育児をすることを学校でも学んできた世代です。それでもまだまだ東出氏のように“イクメンヅラ”する男性も多いようです。現実には、どれだけ男性が育児に協力するといっても担える負担は育児全体のなかでも3割ほどだと思います。男性に必要なのは何より妻を精神的に支えること。それすらも放棄して、自分は外で若い女性と不倫していました、となれば、子供を育てた経験のある多くの人は許せないと思うでしょう。この怒りは根深いですよ。東出さんご本人は『冷却期間』と言っているようですが(※1月22日、東出の所属事務所は「今回の別居は離婚へ向かうものではなく、なんとか修復へのステップを踏むための冷却期間と聞いております」とコメントした)、常識的に考えてどこにやり直すきっかけがあると思っているのかと言わざるを得ません」(同前)

 家族社会学が専門の兵庫教育大学大学院学校教育研究科の永田夏来氏は「今回は家族にとって、ダメなことが積み重なった『役満』状態です」と話す。

東出の行為は年下夫による典型的なモラハラ

「育児に奔走する妻への裏切り、役者として大きく成長させてくれた仕事の先輩への恩を仇で返したこと。そして、不倫相手が当時未成年であったことなど、いくつもダメな点が見える。ただ、それ以前に、『温かい料理が用意されていないと怒って外に飲みに行ってしまう』など、東出さんがモラハラ的言動をしていたことにショックを受けた人も多かったのではないでしょうか。年下夫に典型的な甘えのように感じた人もいたと思います」(同前)

 女性の社会進出が進み、キャリア的にも年齢的にも女性の方が上というカップルも多くなっている。杏はそれを体現していた存在だ。一方で、その杏を支えるイクメン夫の東出も働く母親たちの希望だったという。

 だが、東出は自分が”上に立てる”年下女性に走った。

「こうしたカップルの男性に対して、『そうは言っても、男が経済的な責任を持ち家族の中でリーダーシップを取るべきだ』という目が社会から向けられることが、今でも少なくない。まずいのは、こういった周囲の視線の中で、求められる強い男のイメージと、それとは異なる現実の狭間で男性が暴走し、自分が優位に立てる場所を探そうとするケースです。妻に対して暴力やハラスメントに及ぶことも、東出さんのように自分の言うことを聞いてくれそうな別の女性に手を出してしまうことも起こるかもしれない。

 強い男性像にこだわらず、夫と対等な関係を作っていこうと考えた女性の中には、こうなったら嫌だなとのリアルな恐怖を感じる人もいたでしょう。今回の一件は、東出さんが性的な意味も含んで自分のプライドや支配欲を満たすような人間関係を家族の外に作ろうとしたように、女性の側からは見えたのだと思います」(同前)

 杏と東出は「週刊文春デジタル」のアンケート「 好きな夫婦 」「 嫌いな夫婦 」(募集期間は2019年8月26日〜11月8日)では、好きな夫婦6位にランクイン。“フェアな夫婦関係”に支持が集まっていたわけだが、この一件は東出の俳優人生にも大きく影響しそうだ。

(「週刊文春デジタル」編集部/週刊文春デジタル)

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