「5年以上もずさんな警備」ALSOKが空港保安検査で「警備業法」違反

文春オンライン / 2020年1月28日 21時40分

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 警備業界大手のALSOK(綜合警備保障)で、空港の保安検査場に法律で定められた資格保持者を配置しない「警備業法違反」の状態が長年続いていたことが分かった。ALSOKが「週刊文春」の取材に認めた。

 空港検査の実態を明かすのは、空港保安検査員として、宮崎ブーゲンビリア空港(以下・宮崎空港)で働いていたX氏だ。

「私が5年前に入社する以前から、杜撰な空港警備が常態化しています。保安検査場に配置すべき資格保持者がいないなど、長年、ALSOKでは法令違反を続けている」

 X氏の所属元は「宮崎綜合警備」で、全国各地に点在するALSOKグループ会社の一つ。同社は、国際線を有する宮崎空港の保安検査業務を委託されている。

「手荷物検査やハイジャック検査場にいる空港保安検査員の胸元には、青色と緑色のバッジがつけられています。青は国家資格の空港保安警備業務1級所持者で、緑は2級。警備業法では、これらの資格保持者を、どの検査場に何名配置すると細かく定められていますが、会社は慢性的な人手不足のため、少なくともこの5年以上、1日も配置基準を満たしたことがありません。さらに、資格保持者が正しく配置されているかのような虚偽の報告を国交省や航空会社にしています」(X氏)

 社内から、この異常事態を内部告発する動きがあり、今年1月から水面下で国交省や宮崎県警が動き出しているが、ALSOKは今に至るも事態を隠蔽しているという。東京五輪の公式パートナーでもあり、「空の安全」を担うALSOKは、どう説明するのか。

 ALSOK本社と宮崎綜合警備に質問すると、両社揃って「有資格者の未配置等を確認した」と警備業法違反を認めたうえで、こう釈明した。

「既に各関係先に報告したうえで、改善策についても説明をしつつ、(略)再発防止に取り組んでおります」

 ところが、委託元である航空会社や国交省は、

「詳細については宮崎綜合警備が調査中です。仮に事実であれば、誠に遺憾」(日本航空)

「詳細については当該社にて調査中です」(全日空)

「関係各社に投書内容の事実確認を指示したところです。詳細については現在確認中」(国交省大阪航空局)

 などとALSOK側の釈明とは食い違う回答だった。

 大手ALSOKのずさんな警備体制が明るみに出たことで、テロ対策が叫ばれる東京五輪の警備などに影響が出そうだ。1月30日(木)発売の「週刊文春」では、宮崎空港で女性搭乗客に対して保安検査員が行っていた「不適切検査」などALSOK警備の実態について詳報する。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年2月6日号)

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