「偏差値35から東大を目指すには?」 最初にやるべき“3つのポイント”

文春オンライン / 2020年3月30日 11時0分

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両親が2人とも夜逃げ経験……世帯年収300万、時間もお金も節約だらけで東大合格できた理由 から続く

「スマホは勉強に悪影響だ」——ひと昔前、いや今でもそう信じている人は多いはず。しかし、今や受験生の95%がスマホを駆使して勉強に励んでいるのが実態だ。スマホ勉強はこれまでの経済格差や地域格差を解消しつつある。『 東大式スマホ勉強術 』著者である西岡壱誠さんに聞いた。

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学年ビリで偏差値35だった僕の「東大合格」

「東大に合格するためには、小さい頃からずっといい成績を取り、名門高校に入って昼夜勉強し続けないといけない」

 そう考える人はとても多いです。実際、東大に合格する人間の9割はそうやって努力を続けてきた人たちです。東大生のほとんどは、開成・灘・麻布高校といった、毎年何十人も東大に合格するような名門高校の出身です。小学生のころから中学受験のために勉強をがっつりやってきたような、地元では神童扱いをされてきた人たちです。

 しかしそんな中、偏差値がもともと高くないのにもかかわらず、逆転合格を果たした受験生というのも稀にいます。何を隠そう、僕もその一人です。東大合格者数がこれまでゼロの学校にいて、しかも成績は学年ビリ。高校3年生の頃の模試の偏差値が35だったという人間です。そこから2浪して、なんとか東大に合格することができました。

いったい何から勉強すればいいの?

 今、僕は自分と似た境遇である「偏差値が低いところから東大に合格した学生」を集めて、「逆転合格」を目指す受験生の支援を行なっています。

 さて、こういう活動を行なっているとよく質問をいただくのが、「低い偏差値の学生が東大を目指す場合、一体何から勉強すればいいのか?」ということです。今日は、逆転合格をするために、まずは何をどのように勉強していくのがいいかについて書きたいと思います。

 まず、当時の僕のように偏差値が35など、成績が決してよくない学生が東大を目指す場合、詰め込むべきはとにかく主要3科目である「国語」「数学」「英語」の基礎になる勉強です。

「理科」や「社会」などの科目を勉強するのも確かに大切ですが、その前に、まず物事を理解/読解したり、考えるためのベースがないと何もわかりません。

 そう考えたときに必要なのは、

・数学、つまり「計算力」

・国語、つまり「漢字力」

・英語、つまり「単語力」

 この3つの力だと、僕は考えています。順番に説明させてください。

数学を制す「計算力」のつけ方

 まずは数学です。単純に思えるかもしれませんが、「計算力」をつけて数に対する理解をどんどん深めていくことは、数学を学ぶ上でとても重要です。

 ある調査では、東大生の3分の1の学生は、KUMON(くもん)に通っていたことが明らかになりました。この塾では計算を鬼のように解きまくり、計算を計算としてではなく暗記に近いレベルで身体に教え込むことができます。あまり知られていない事実ですが、東大文系の数学の試験時間100分の中で、四則演算(+ー×÷)をやる回数はだいたい700回以上もあります。計算が遅いと、問題を解くことも、授業についていくことも、試験でいい点を取ることもできないのです。

 また計算には、やればやるほど数に対する親しみ、数への理解力が増えていく側面があります。たとえば「12」という数字を見て、すぐに何かを感じる人はいるでしょうか。おそらくいないと思います。でも、よくよく見ると12は2×2×3でできていて、約数が非常に多い数です。12時間とか60分とか、12から派生した数字が時計に多く使われていたりして、実は特別な数だったりもするのです。

 こうして計算力が向上していくうちに、数への感覚が養われていくので、たとえば「97」を見たときにこの数が素数であることを直感的にわかるようにもなっていきます。

どこでも出来る「メイク10」というゲーム

 実は、東大入試には方程式などを応用した整数問題という、このような数に対する理解を求める問題が出題されることもあります。このような問題に強くなるためのオススメの勉強法は、「メイク10」と呼ばれるゲームです。4つの数字に対して、四則演算を使って、10を作るというゲームです。例えば1、2、3、4なら、(4×3ー2)×1で10となります。

 東大生の多くは、4つの数字を見つけるとこの「メイク10」を試してみることが習慣的になっていたと語ります。11月25日なら1125で、24分35秒なら2435で、自分が今乗っている車のナンバーが1134ならこの4つの数字で、メイク10をやっていたそうです。こういうところから、数字に対する理解や愛着を深めていくのもいいのではないかと思います。

「漢字力」で国語のベースを養う

 次は国語です。国語というのは、語彙力がないと文章がそもそも読み解けません。「交易」という言葉を知らないのに世界史で貿易の勉強をしてもわかるわけがありません。まずは語彙力を高めないと成績は上がらないのです。僕自身もはじめ、そこで躓いたことをよく覚えています。

 しかし、語彙力を高めるための勉強というのは、結構難しいですよね。大人でも苦戦する人がいるくらいですし、語彙力を単純に上げるためには暗記が必要ですが、正直あまり楽しいものではありません。

 そこで僕がやっていたことは、漢字の勉強です。実は、ある程度の漢字の知識があれば、難しい語彙であっても、なんとなくその意味が理解できるものです。たとえば、とても簡単な例ではありますが、「交易」という言葉を知らなくても、「交」という漢字は「交流」とか「交際」という言葉で使いますよね? そこから、何かを交換するみたいな意味を類推することができます。熟語は、複数の漢字が組み合わさってできたものですから、その漢字を知っていればなんとなく意味が予想できる。あるいは、一つの漢字から複数の熟語の知識をリンクさせることができる。つまり、語彙力がある人というのは、「漢字力」が身についている人と言っていいのではないかと僕は思います。

灘中学高等学校の中学入試の問題にも

 東大合格者が毎年70~90人ほどいる灘中学高等学校の中学入試の問題でも、実は、この「漢字力」を問う問題が出題されています。

 このように、漢字を四方におき、真ん中に当てはまる漢字を答えさせるという問題です。これは、一つの言葉を覚えるだけではなく、その漢字がどのような言葉とつながって熟語になっているのかを知らなければなりません。小学生のうちからこうした能力が身についている学生が、東大に合格しやすいのは間違いないと思います。

 

英語は「単語力」でカバーできる

 英語は、とにもかくにも「単語力」がものを言う科目です。ぶっちゃけたことを言ってしまえば、英単語さえ理解していれば、英語の文章は大体何となく理解できてしまったりします。東大入試の英語にかぎらず、「読めない!」と感じるのであれば、それは文法の欠如ではなく、ただの英単語知識の欠如なのです。もちろん、文法や構文の理解ができるようにならないといけないタイミングはありますが、それは一旦二の次にしてもいいかもしれません。全く知らない言語のラジオを10日間聴き続けていても、何にも身につかないように知っている単語がほとんどなければどうにもなりません。

 ちなみに、英語の「単語力」にもさっきの国語の勉強法が応用できます。今、書店では『語源図鑑』がよく売れているようですが、あの本は英単語を分解して、個々のパーツの意味を熟知することで語彙力が上がるという仕組みになっています。

 この考えを使えば、たとえば「ユニーク」というのは「unique」という英語ですが、これは「uni」という言葉が含まれています。この「uni」は「1」という意味です。だからユニークは「唯一の」という意味になります。これを理解すれば、他にも「uni」が含まれている英単語を理解することができるようになります。ユニフォームは「みんなが1つの服として着ているもの」だし「ユニット」は「2つのものが1つになっている」ということです。

 いかがでしょうか。僕が偏差値35の時にはまず、この3つの力を身につけるところから始めました。受験生に対してもこの方法をオススメしており、一定の効果が出てきていますので、気に入った方はぜひ実践してみてください!

 そして最後に豆知識ですが、「自分の勉強時間を正確に知る」ということも成績アップの重要な要因です。周囲の東大生に聞くと、塾や学校の時間を入れずに週30時間程度、集中して勉強できていたという生徒が多い印象です。ただ机に向かっている時間を勉強時間とするのではなく、たとえばストップウォッチを使ったり、スマホの学習アプリを使うことで客観的に勉強時間を測ることができます。

 参考にしてみてください!

(西岡 壱誠)

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