池上彰氏が解説「緊急事態宣言が出ても“罰則はない”理由」

文春オンライン / 2020年4月6日 6時0分

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小池百合子都知事 ©︎AFLO

Q 緊急事態宣言が出たらどうなる?

◆新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための改正新型インフルエンザ等対策特別措置法が成立・施行されて、緊急事態宣言を出すことが可能になりました。政府対策本部も設置されています。もし緊急事態宣言が出された場合、日本はどのような状況に置かれると思いますか。(30代・女性・公務員) 

◆東京都の小池百合子知事は、記者会見で新型コロナウイルスについて「感染爆発の重大局面だ」として、週末は当面の間、不要不急の外出を控えるよう求めました。世界各国では、いくつかの形態でロックダウン(都市封鎖)に踏み切っていますが、東京などでも現実に起きうるでしょうか。(50代・女性・パート)

A 日本には、そもそも「ロックダウン」の仕組みはありません。

 ほぼ同じ質問なので、合わせてお答えします。日本には、そもそも「ロックダウン」の仕組みはありません。小池百合子都知事は、都民ないし国民に危機感が足りないので、あえて衝撃的な言葉を使ったと認めています。

 緊急事態宣言とかロックダウンとかいう用語が独り歩きしていますが、フランスやイタリア、ニューヨークのような厳しい措置は、現在の日本の法制度の下では、できません。戦前の反省を踏まえて人権を尊重しているからです。

 緊急事態宣言が出ると、個人の外出自粛や学校や映画館、スポーツ施設などの閉鎖を「要請」することができます。もし映画館などが要請に従わなかった場合は、「指示」を出すことができますが、それまで。たとえ指示に従わなくても罰則はないのです。

 行政が上から命令するのではなく、個人ひとりひとりが自分で判断して行動する。それが求められているのです。

(池上 彰)

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