池江璃花子『Nスペ』ディレクターが明かす「番組では描ききれなかった“19歳の素顔”」――文藝春秋特選記事

文春オンライン / 2020年7月22日 6時0分

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池江璃花子さん ©NHK

「文藝春秋」7月号の特選記事を公開します。(初公開:2020年6月23日)

 5月9日に放映されたNHKスペシャル「ふり向かずに 前へ 池江璃花子 19歳」。406日ぶりにプールに入った場面など、白血病からの復活を目指す池江の「ありのままの姿」を映した同番組は、大きな反響を呼んだ。

 今回、退院後の池江に密着してきたNHKのディレクター・宮内亮吉氏が「文藝春秋」7月号で、番組では描ききれなかった彼女の素顔を明かした。

「エイズを打ち明ける場面で泣きました」 

“東京五輪のヒロイン”と目されていた池江が、急性リンパ性白血病を公表したのは昨年2月のことだった。抗がん剤の副作用で髪は抜け、症状は一進一退を繰り返す日々。9月には造血幹細胞移植を受け、その後、連日のように40度を超える発熱と激しい頭痛に悩まされた。

 過酷な闘病生活が続くなかで、池江が大きな影響を受けた映画があるという。

 彼女がその映画についておもむろに語り出したのは、宮内氏が密着取材を始めて間もない頃だった。

〈「クイーンの『ボヘミアン・ラプソディ』見た人? めっちゃ良くなかったですか? 私、DVDも買いました。この前WOWOWでやってたので、それも見たんです」〉

「ボヘミアン・ラプソディ」は、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの伝記映画。フレディは1987年にエイズ感染が発覚し、91年、45歳の若さでこの世を去った。昨年4月にDVD化されている。

〈――見ましたよ。良かった。でもクイーンなんて知らなかったでしょ。

「知らなかったです。ずっと一生懸命やってきたのに、病気で亡くなるなんてすごく辛いだろうなって。他の人には何も言わないで過ごしていた。すごく強いなって。バンドの仲間に、エイズを打ち明ける場面で泣きました。ライブしている途中でも泣いた。本当にかっこよすぎて」

 白血病は決して治らない病気ではない。それでも先の見えない闘病生活の中、早逝したフレディの人生に自身を重ね合わせていたのだろう〉

池江から届いた番組の感想

 5月9日の夜7時半から1時間にわたって放映した番組。終了から30分後の夜9時、宮内氏のもとに池江からメッセージが届いたという。

〈「素敵な番組で、感動しました」

――そのままのあなたを撮っただけなんだけどね(笑)。

「確かに(笑)」〉

 それから9日後の5月18日、池江は自身のSNSを更新。ウイッグを外した姿を初めて公開し、「今のありのままの自分を見てもらいたい。このメッセージが誰かにとっても、小さな希望になればうれしいです」などと綴った。

「2024年のパリ五輪出場」を目標に掲げる池江は今、新たなスタートラインに立っている。

 宮内氏による「 池江璃花子 完全密着記『ありのままの自分を』 」は、「文藝春秋」7月号ならびに「文藝春秋digital」に掲載。映画「ボヘミアン・ラプソディ」に涙したエピソードのほか、番組制作にあたって心掛けていた“ルール”や、取材中に思わず尋ね返した池江の言葉、再起に向けたトレーニングの様子、ショッピングなどを楽しむ姿など8ページにわたって詳述している。

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(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2020年7月号)

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