「Go To」旗振り役も…二階俊博幹事長81歳いつまで黒幕?

文春オンライン / 2020年7月28日 6時0分

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「GoTo」ゴリ押し?  二階俊博氏 ©︎文藝春秋

「GoTo、旅行業者悲鳴」(毎日新聞7月22日)

 あー。

 旅行業者を助けるためと言っていたのに「悲鳴」って。

 それにしても、なぜ進むしかなかったのだろう。素朴な疑問を持つ方も多いはず。

政治家では誰が「Go To」の旗を振っていた?

 私は「 『Go To キャンペーン』のキーマンは… 」という当コラムで、この事業を取り仕切ったのは経産省出身で安倍晋三首相の最側近である今井尚哉・首相補佐官兼首相秘書官と新原浩朗・経産省経済産業政策局長だと書かれた紙面を紹介し、いかに「経産省出身コンビ」が官邸で力を発揮しているかを書いた。

 では政治家では誰が「Go To」の旗を振っていたのか。

「週刊文春」は「 『GoTo』1.3兆円ゴリ押し 菅・二階『観光利権』を暴く 」(7月22日発売号)と報道。瞬く間にSNSで話題沸騰となった。

 インバウンドを推進してきた菅氏の観光業界への“配慮”があったのだろうか。そして何よりポイントは「首相 菅氏と『修復』アピール」(読売新聞6月20日)という出来事だ。

 コロナ対策で首相と菅氏の間に距離があると書かれてきたせいか、会食解禁となった日に首相は菅氏と会ったという。

 菅氏はこのあと「Go To キャンペーン」に前のめりになった。ちょっとわかりやすい。

二階幹事長に「自民党がねじ伏せられた」

 ではもう一人のキーマン、二階幹事長について。政治家・二階俊博とは何か。2016年の記事を見てみよう。

《今や政界でも数少なくなった戦前(昭和14年)生まれ。衆院当選11回。自民党を離党し、新進党、自由党などで小沢一郎の側近だった時代もある。自民党復党後も、一貫して要職を歴任。自らの派閥「二階派」はあれよあれよという間に36人の大所帯となり、「最後の派閥らしい派閥」(政府高官)とも評される。》(産経ニュース2016年2月6日)

 これは消費税10%導入にともなう軽減税率で政治力を見せた二階氏について書かれたもの。タイトルは、

「二階俊博自民党総務会長 陰の実力者、黒幕、フィクサー…自民党がねじ伏せられた」

 黒幕!

 二階氏がそこまで恐れられている理由として、

・トップの意向に背こうとする反対派を、裏舞台にて“説き伏せる”役割を果たす

・情勢を見極める眼力と、その通りにことを運ぶ腕力

 とある。

 安倍首相は当時の政調会長の稲田朋美氏に《「二階さんに頼めばなんとかしてくれるよ」とアドバイスを送るほど信頼を寄せている。》という。

 こうなると首相にとって二階氏は黒幕というより黒いドラえもんではないか。

 お坊ちゃまタイプの安倍首相からすれば裏仕事もバリバリこなしてくれる二階俊博&菅義偉は心強かったに違いない。安倍のび太には2人のドラえもんがいたのである。そりゃ長期政権にもなる。

 その2人が力を入れたのが「Go To キャンペーン」だった。政権が意地でも止めない(止められない)理由が見えてくるではないか。

Go Toトラベルの予算は1.3兆円

 キャンペーンのうち、Go Toトラベルの予算は1.3兆円。感染拡大防止策や医療体制の整備に配分された0.6兆円と比べるとどれだけ巨額なのかわかる。

 二階氏は「全国旅行業協会」の会長を務める“観光族議員”のドン。「週刊文春」の取材では今回の事業を受託した「ツーリズム産業共同提案体」に名を連ねる観光関連団体14団体が、金銭面でも観光族議員に多額の支援をしている実態が明らかとなった。

 二階氏のホームページを見てみると「草の根の観光交流」の実績がズラリ。「『観光庁』設置を急ぐべし」という寄稿(2004年)も読める。

 1992(平成4)年に全国旅行業協会の会長に就任と書いているからそれ以前から「尽力」していたのだろう。ある意味、二階幹事長は昭和からGo Toトラベルしてきたおじさんなのである。

二階氏は初めて「王貞治カード」を切った

 私はいま二階幹事長を「おじさん」と書いた。しかし81歳の二階氏は正しくは「おじいちゃん」である。ここに今後の政局のカギがある。

 つまり、次の幹事長も二階氏なのだろうか? 幹事長を外れればその影響力はさすがに落ちるのではないか。

 するとこんな記事が出た。

「安倍首相と王貞治氏が会食情報 手引きした二階幹事長の狙いは…」(東スポWeb7月21日)

 安倍晋三首相とプロ野球・ソフトバンクの王貞治会長が22日都内で会食。

 王氏は会食後に「二階氏とは30年来の付き合いがあるので、声をかけてもらった」と記者団に語っている(毎日新聞WEB7月22日)。

 安倍首相は「王氏との接点はこれまで見られなかった」という(東スポ)。となると二階氏は初めて「王カード」を切ったことになる。首相への存在感アピールなのか。

二階氏と麻生氏の「“怪食”」報道!

 秋の自民党役員人事に向けてだろうか、二階氏の会食情報は最近目立つ。

「幹事長争い 緊張の会食 ギクシャク続く二階、岸田両氏」(毎日新聞7月3日)というのも面白かったが、圧巻は夕刊フジだ。

 二階氏と麻生氏の会食を「“怪食”」と書いた!(6月18日付)。

 たしかに次の権力把握に向けた妖怪たちの「怪食」の雰囲気が漂う。首相と菅氏が会食したのも「怪食」っぽい。

 二階氏と菅氏が力を入れた「Go To キャンペーン」は不評だが、その動きはむしろ活発化してきた。

「二階氏と菅氏 新議連 政局準備臆測も」(読売新聞7月24日)

 この2人が地方創生と防災力向上をテーマとした新たな議員連盟を創設するという。政策を掲げているが政局の匂いがプンプンする。

 あ、今気づいた。

 そういえば石破茂氏も同じことを主張していなかったっけ?

 これですこれ。

「災害大国への処方箋は『防災省』と『地方創生』だ 石破茂・元地方創生担当相」(毎日新聞2019年10月28日)

 今回の動きは二階&菅による安倍首相への牽制なのだろうか。それとも本当に石破氏に近づく……?

 もう混沌としてきた模様です。

 いずれにしても、この方達がこれからも政権中枢に居続けたい様子は伝わってくる。

 次に「怪食」するのは誰と誰だ?

(プチ鹿島)

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