《あおり運転初公判》宮崎文夫被告(44)のその後 マンションは差し押さえられ近隣住民は引っ越し……

文春オンライン / 2020年7月28日 11時53分

写真

常磐道上り線での実況見分で、当時の状況を確認する捜査員ら(茨城県守谷市) ©時事通信社

 2019年7~8月、茨城県をはじめ、愛知県や静岡県の高速道路で“あおり運転”を行ったとして強要などの罪に問われている会社役員・宮崎文夫被告(44)の初公判が7月27日、水戸地裁で開かれた。宮崎被告は起訴内容をすべて認め、「日本中を恐怖の渦に巻き込んだ責任を痛感しております」と頭を下げた。

 当時はあおり運転そのものを処罰する法律がなかったが、この事件をきっかけに厳罰化を求める声が高まり、2020年6月に道交法と自動車運転死傷処罰法が改正された。道交法ではあおり運転を「妨害運転」と規定し、逆走、急ブレーキ、急な車線変更、ハイビーム、執拗なクラクション、幅寄せ・蛇行など10項目を対象とした。罰則は最高で5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せるようになった。

「週刊文春デジタル」では、あおり運転などの迷惑行為を繰り返していた宮崎被告の人物像について事件直後から詳しく報じていた。当該記事3本を再公開する。(※記事中の年齢、日付、肩書などは掲載時のまま。初出2019年12月21日)

◆ ◆ ◆

 高速道路で蛇行しながら「あおり運転」を繰り返した揚げ句、前に回って急停車。車を降りるなり相手を大声で怒鳴りつけ詰め寄ると、開いた窓から5発の強力なストレート。同乗女性は男と一緒に車を降りて、ガラケーを取り出し、暴行の一部始終を撮影――。

 茨城県守谷市の常磐自動車道でおきた「あおり運転暴行」事件。8月18日、傷害と強要容疑で茨城県警に逮捕された会社役員の宮崎文夫容疑者(43)と恋人の”ガラケー女性”は、その強烈なキャラクターもあり、今年のお盆シーズンの情報番組で連日報道され話題となった。

病院食堂で他の患者に絡み、「殺すぞ」と恫喝

 水戸地検は9月25日、宮崎の刑事責任能力の有無を調べるため、12月23日まで鑑定留置することを決めた。実は宮崎は昨年3月、京都市内でタクシー運転手を監禁し逮捕された後も京都府内の精神科に約4カ月入院している。

「彼は看護士がいないと大音量で音楽を流したり、禁止とされていたパソコンを持ち込んでゲームをしたり、無茶苦茶でした。食堂で他の患者に絡み、『殺すぞ』と恫喝することもあった。お金はあるようで弁護士が頻繁に来ていた」(病院関係者)

 退院後、宮崎は出会い系サイトを通じて数人の女性と交流するものの、揉め事を繰り返していたのは既報の通り。今年2月、”ガラケー女性”と出会い、交際をスタートさせた。女性は宮崎の仕事面のパートナーでもあった。宮崎は女性と不動産管理会社、コンサルタント会社を経営し、派手な暮らしぶりをSNSに掲載していた。

 2人は仕事や旅行で全国を転々とする一方で、常磐道での「あおり殴打事件」をはじめ各地でトラブルも起こした。

事故後、マンションはユーチューバーの配信場所に

 全国指名手配を受けた際、女性と共に潜伏していた大阪市東住吉区のマンションの一部は宮崎が家族から引き継いだ物件だ。だが11月5日以降、所有権はカード会社や税務署など3カ所から差し押さえられている。

「宮崎さんのポストに郵便物がたまり、あふれて床にこぼれ落ちるほどでした。多くが税金やカード会社などの借金の督促状だった。12月初め、大阪地裁の執行官と鑑定人が来てマンションを査定していて、競売にもかけられているそうです。事件後、マンションにはユーチューバーが配信しに来たり、変な形で有名になってしまい、うんざりして数人の住民は引っ越していった。ガラケー女性が潜んでいた部屋も空き部屋になっている。早くオーナーが別の人になってほしい。彼が戻ってきたら、何をされるかわからないから」(マンション住民)

 宮崎をかくまったとして犯人隠避の疑いで茨城県警に逮捕されたガラケー女性は、9月20日水戸簡易裁に略式起訴され、30万の罰金を払い、既に一般社会に戻っている。事件前まで東京の拠点として借りていた品川区内のアパートは9月末に引き払っていた。川崎にある実家の一軒家にも帰ることもなかったという。

 近所に住む親族の男性は「事件後一度も会っていない」と安否を心配している様子だった。

被害男性は地元・茨城を出ていった

 一方で、暴行事件の被害男性は茨城県を出て、県外で暮らし始めたという。実家の母親に話を聞いた。

「職場が遠方だったのですが、その付近に引っ越しました。2、3週間前です。事件とは関係ないと思います。最近はあのときの話題もしないから。宮崎に対しては、息子も大きな怪我をしてなかったので仕方ないのかな。そういう悪い人もいるから……」

 警察庁は12月6日、自民党の交通安全対策特別委員会において、道路交通法に「あおり運転」に関する規定を新設する考えを説明した。来年の通常国会に関連法案が提出され、「あおり運転」をしたドライバーに対して、免許取り消し処分ができるようにするための道交法改正を目指す方針だ。

(「週刊文春デジタル」編集部)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング